『船弁慶』無事
昨日、佐野登師主催の玄人能にて、凜太郎が通算11回目の『船弁慶』の子方(義経役)を無事勤めさせていただきました。
同じ曲の同じ役を、10回超えて勤めるというのは、歌舞伎役者とは違い、我々にとっては稀なことですので、大変有り難いことです。
この季節のお役は、親子共々体調管理に非常に気を使います。もとより稽古は尽くしていますので、当日の体調を万全にもっていければ、8割成功したようなものだと思っています。
これから、いよいよ能『花月』の稽古に本腰を入れることができます。凜太郎本人も、「早く花月を稽古したい」と言っております。
曲後半の、「地主の曲舞」「鞨鼓」「簓の舞(キリ)」は、昨年、私の社中の発表会にて、舞囃子として勤めさせましたから、身体が覚えているようです。
ややこしいシテ謡も一応は既に覚えていますので、「恋の小歌」「弓の段」など、部分的に稽古し、徐々に全体像を作りあげていきます。
いったいいつまで
年明け以来、当ブログの投稿が毎日のように続いています。
皆さん、きっと、
「いつまで続くんだろう」
とか、
「どうせまた飽きて2、3ヶ月間音沙汰無くなるだろう」
などとお思いでしょう。私もそう思います。
色々な意味で、乞うご期待!
名古屋宝生会定式能(平成29年3月19日 名古屋能楽堂)
昨日、本年第1回の名古屋宝生会定式能が終了致しました。
次回の「第2回名古屋宝生会定式能」は、下記チラシの通り、3月19日(日)開催です(下記チラシをクリックすると拡大表示されます)。
舞囃子2番、狂言、仕舞2番、能、という構成。
玄人(能楽師)の舞囃子を舞台で観る機会は、意外と珍しいものです。
能は、辰巳満次郎さんの『是界 白頭』。「白頭」という、小書(特殊演出)が付いて、格調高くなります。
シテの是界坊は、中国の天狗の首領。悪行を働きかける相手は、日本の天狗の首領・太郎坊(ツレ)。
今回、この太郎坊役のツレを、辰巳満次郎さんのご子息・和磨さんが勤めます。
私は、全ての地謡を勤めます。
お問い合わせ・チケットのお申し込みは、こちらまで。
平成29年甲府涌宝会謡初
昨日、武田神社内の野外能舞台・甲陽武能殿楽屋にて、恒例の甲府涌宝会謡初を執り行いました。
素謡『鶴亀』。シテ、ワキ、ワキツレ共に、新会員の3名が担当。
続いて、連吟『紅葉狩』。全員で、上﨟達(実は鬼)の酒宴のシーンを謡い、
引き続き、付祝言『猩々』にて、めでたく謡い納めました。
終演後は、これも恒例の、ワイナリー・サドヤにて懇親会。新会員さんもうち解けて、楽しい時間を過ごしました。
月刊『江戸楽』記事掲載
月刊『江戸楽』2月号(1月20日発売)に、
「特集・伝統芸能 〜次代を担う若手たち〜」
と題して取材を受けた記事を、私だけで4ページに亘って掲載して頂きました。
歌舞伎役者の中村歌昇さん・種之助さん兄弟、落語家の林家つる子さん、講談師の神田蘭さんに並んで、能楽師の「若手」として、白羽の矢を立てて頂き、誠に光栄です。
おそらく、この5名の中では、私が最年長の42歳。「若手」の一員とするのは違和感を覚える方もいらっしゃることと思います(写真も、こうして比較して見るとやはり一番‥)。
一般社会では、40代と言えば「中堅」でしょうが、能楽界は、まだまだ長老の大先輩が大勢いらっしゃいますから、まだまだ若手。50過ぎてやっと中堅に差し掛かるのでしょう。
取材の折、初めに「私は、若手ではありません」と冗談混じりに申したことは、うまくカットして頂いたようです。不遜な意味ではなく、斯界を担っていくにあたって、現在の自身の意気込みとしてのことです。
能の家柄でない一般家庭から、なぜこの世界に飛び込んだか、どのように能と出会ったか、修行時代のこと、芸に対する考え方などが、未公開の情報も含めて記事になっています。
インタビュアーの方の温厚な人柄に惹かれて、ついつい余計なことまでしゃべって(しゃべらされて)しまいました。
一般書店でお求め頂けますが、以下のホームページをご参照下さい。
ブログ紹介(竪琴同好会 こもれびの響)
先日の当ブログにて、名東高校能楽研究部が全国大会に出場決定したご報告の投稿をご覧になり、
という、永田みゆきさん主宰のブログにて、リンクを貼って頂きました。上記をクリックしてご覧下さい。
永田さんは、私の高校時代の後輩。昔から芯が強いしっかりした方で、しかし優しさと品性を備えた才媛です。
昨年、彼女が書いた幼児文学を2冊頂き、読みましたが、独特の子供目線でのお話に引き込まれ、薄汚れてしまっている大人目線の私の心を揺さぶりました。
そんな方だから、彼女が奏でる竪琴の音色も、きっと何か心に染み渡るものがあることでしょう。
いつか聴いてみたいものです。
能『吉野静』①(3月4日土曜日 国立能楽堂 若手能)
来る平成29年3月4日(土)13時より、国立能楽堂主催の「若手能」にて、能『吉野静』のシテを勤めます。
【番組】
能『吉野静』
シテ 和久荘太郎、ワキ 御厨誠吾、アイ 中村修一、内藤連、笛 栗林祐輔、小鼓 森貴史、大鼓 大倉慶乃助、後見 今井泰行、山内崇生、地謡 辰巳満次郎、野月聡、大友順、小倉健太郎、東川尚史、當山淳司、辰巳大二郎、金森良充
他、狂言『文蔵』高野和憲、能『須磨源氏』(観世流)松山隆之
詳細は、上記チラシをご参照下さい。
実は、この若手能をきっかけにある雑誌の取材を受けました。また後日お知らせ致します。
名古屋宝生会定式能(平成29年1月22日 名古屋能楽堂)
次の日曜日(1月22日)、名古屋能楽堂にて「名古屋宝生会定式能」が催されます。
(上部チラシをクリックすると拡大します)
【番組】
1月22日(日)
第61期第1回 名古屋宝生会定式能 名古屋能楽堂
◆12時半 解説
◆13時 能開始
◆能『金札』
シテ 衣斐正宜、ワキ 高安勝久、ワキツレ 橋本宰、椙元正樹、アイ 鹿島俊裕、笛 藤田六郎兵衛、小鼓 船戸昭弘、大鼓 河村裕一郎、太鼓 加藤洋輝、後見 玉井博祜、辰巳大二郎、土屋周子、武田伊左、地謡 辰巳満次郎、佐藤耕司、和久荘太郎、内藤飛能、平田正文、竹内淳一、竹内孝成、石森智幸
◆狂言『酢薑』佐藤友彦、今枝郁雄
◆仕舞『笹之段』和久荘太郎、地謡 衣斐正宜、内藤飛能、辰巳大二郎
◆仕舞『頼政』辰巳満次郎、地謡 衣斐正宜、和久荘太郎、内藤飛能
◆能『祇王』シテ 衣斐愛、ツレ 武田伊左、ワキ 飯冨雅介、アイ 井上松次郎、笛 鹿取希世、小鼓 後藤孝一郎、大鼓 河村総一郎、後見 和久荘太郎、内藤飛能、地謡 影山三池子、竹内澄子、玉井博祜、芳賀カズ子、犬塚惠、藤田光子、松浦祥子
【料金】全席自由 一般5,000円、学生2,000円、年間会員券(4枚綴り)18,000円
私は、仕舞『笹之段』を舞います。
その他、能『金札』の副地頭、仕舞『頼政』の地謡、能『祇王』の後見を勤めます。
お問合せ・チケットのお申し込みは、こちらまで。
能『花月』舞台写真(平成29年1月15日 久良岐能舞台)
先日(平成29年1月15日)の、久良岐能舞台における、能『花月』の舞台写真(撮影・松浦文生氏)です。
至近距離からの撮影により、独特の構図で、私自身の「こう表現したい」という形を捉えて頂いていると感じます。
少年・花月の登場。
清水寺門前の者(アイ狂言)との「恋の小歌」
花を踏み散らす不粋な鶯を射ようと‥
清水寺の縁起を謡い舞う。
鞨鼓の舞
簓(ささら)の舞