蘭寿とむさん・市川右近さん

宝塚・花組のトップスター、蘭寿とむさんが退団するということで、大変残念に思います。

素晴らしいダンスの才能と努力。これぞ「至芸」。「らんとむ」さんがトップになる前から、一筋です。と言っても、ある方に、昨年初めて宝塚に連れていってもらって以来で、まだ5回しか見ていないのですが。

今日がその5回目。「愛と革命の詩 ―アンドレア・シェニエ―」と、「Mr. Swing!」というダンス。
ダンスの花組の評判通り、素晴らしい!客席は、皆さんノリノリの手拍子でしたが、私は息を呑んで見とれて、手拍子は出来ませんでした。
特にらんとむさん。私は、申し訳ないけれど、らんとむさんにしか目がいきませんでした。

 

先日は、ある先輩にお誘いいただき、明治座に『花形歌舞伎』を観に行き、歌舞伎十八番の「毛抜」と新歌舞伎の間に、市川右近さんの『連獅子』があり、堪能しました。
右近さんの踊り、やはり素晴らしい。歌舞伎役者独特の品(しな)は一切付けない、舞踊家らしい、清々しい踊りでした。能にも通じる芯の強さがあります。

『連獅子』は、能では『石橋(しゃっきょう)』の、宝生流独自の小書(こがき・特殊演出)で、これを基に幕末に歌舞伎にうつされたものですが、能に比肩するほどの面白さ。

稽古が物を言っています。そして、人柄まで表れています。宝塚然り、歌舞伎然り。

今日も良いものを吸収して帰ってきました。


11月30日(土)満次郎の会

来る11月30日(土)、宝生能楽堂にて、「第5回満次郎の会」が催されます。

http://manjiro-nohgaku.com/manjironokai/

今回は、5周年を記念しておめでたい番組構成。

昼の部(13時開演)は、『翁付高砂(おきなつきたかさご)』。
『翁』とは、「能にして能にあらず」と言われる、儀式的な曲。
大昔は、神官が勤めていたものを、寺社に所属する猿楽(能)の座(流派)の長老が勤めるようになり、観阿弥・世阿弥の頃から大夫(家元)が勤めるものとなりましたが、明治以降は家元以外の弟子家も勤めるようになりました。

江戸時代、能が徳川幕府の式楽だった頃、能の一日の番組立ては、『翁』から始まり、引き続き『高砂』『弓八幡』『養老』などの神様の能(脇能)のシテを、翁を勤めた役者が装束を着替えて勤めました。

会主の辰巳満次郎氏が、その『翁』のシテと『高砂』のシテを、本来の『翁付』という演奏形態で勤めます。

私は、その『翁』の「千歳(せんざい)」という、翁が舞う前の露払いの役を勤めます。
この千歳は、若い役者が勤めることが多く、私は過去3回勤めており、今回4回目で14年ぶり(当時25歳)。満次郎氏のお相手をさせて頂くのは初めてです。

現在満39歳で、この役独特の清々しさが出せるかわかりませんが、心は、高校生のまま。はりきってまいります。

この役、神事として執り行いますので、演能前3日間の斎戒沐浴と、別火をして、身を清めます(翁役は7日間)。
肉食(四足)と飲酒、女色を避け、当日は他の人との交わりをも避け、食事は、他人と煮炊きの火を別にします。

当日楽屋では、鏡の間に「翁飾り」(二段の八足台に、舞台で使用する面箱・烏帽子・扇や、三宝の上にお神酒・洗米・荒塩を供える)をして、「翁飾りの式」(出番前に役者全員が、お神酒・洗米・荒塩をいただき、後見が火打石を切って身を清める)を執り行います。

地謡や後見も、普段の紋付き袴ではなく、本来の素襖上下(すおうかみしも)と侍烏帽子(さむらいえぼし)を着け舞台は厳粛さを増します。

一見の価値、大いにありです。
しかも役者は「超」の付く名手揃い(三番叟 野村萬斎、笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯)。

夜の部は、『七人猩々』(他、一調・仕舞・狂言など)。

昼夜ともチケットは、残り少ないようです。
詳細・お問い合わせ・お申し込みは、上記「満次郎の会」ホームページまでどうぞ。


誕生日ありがとうございます

39歳になりました。

Facebookやメールなどのツールで、皆さまからご祝辞をいただき、ありがとうございます。
いくつになっても、誕生日をお祝いいただくのは嬉しいものですね。

母からはすき焼き用松阪牛が届きました。いくつになっても息子は可愛いものですね(自分で言うなって)。

子供たちからは、手紙と「肩たたき券40回分」をもらいました。
肩はこりませんが、時々叩いてもらおうかな。

30代最後の1年もはりきってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


11月17日(日)名古屋宝生会定式能 『野宮』 『殺生石・白頭』

次の日曜日(11月17日)、名古屋能楽堂にて、13時開演で、本年最後の名古屋宝生会定式能が催されます。

能『野宮』
シテ 玉井博祜
ワキ 高安勝久
アイ 野口隆行
笛  竹市学
小鼓 後藤嘉津幸
大鼓 河村総一郎
地謡 倉本雅 他

 

狂言『太刀奪』
太郎冠者 松田高義
主    野村又三郎
使いの者 野口隆行

 

仕舞『龍田キリ』佐藤耕司、『船橋』内藤飛能
地謡 衣斐正宜他

 

能『殺生石・白頭』
シテ 宝生和英
ワキ 飯冨雅介
アイ 野村又三郎
笛  鹿取希世
小鼓 後藤孝一郎
大鼓 河村眞之介
太鼓 鬼頭義命
地謡 辰巳満次郎 他

(終了予定17時頃)

私は、能『野宮』の後見、仕舞の地謡、能『殺生石』の地謡でフル出演いたします。

 

【入場料】※当日券、販売いたします。
鑑賞券 5,000円
学生券 2,000円(中学生以上30歳以下の学生)

 

公演に先立ち、当日の午前中、10時半〜12時、名古屋能楽堂内会議室にて、鑑賞に役立つワークショップ(事前講座)を開催いたします。

若手能楽師による、能『殺生石』『野宮』の解説、また、今回特別に、石井流大鼓方・河村眞之介氏をお迎えして、いろいろお話を伺いたいとおもいます。
普段舞台でしか見ることのできない河村氏の、大鼓方としてのお考えや、ちょっとした日常なども聞けて、意外な側面を見せていただけるかもしれません。
どうぞご期待ください。

【参加費】
1,000円(年間会員券をご持参の方は無料)

本公演鑑賞のついでに、少し早目にお越しいただき、ワークショップに参加した後、能楽堂内レストラン「城」にて優雅にお食事の後、13時から能鑑賞、というのはいかがでしょうか。

本公演は、無料で演能の解説が聞けるイヤフォンガイドをお貸しいたします。初めての方でも、きっと楽しめることでしょう。

皆さまのご来場を心よりお待ちしております。


ポッキーの日

まるまる一か月、ご無沙汰しました。

この間、相変わらず元気に過ごし、ブログに書きたくて書きたくてしょうがないことがたくさんありましたが、なぜか身体はその気になりませんでした。
感覚や思いつきで生きていますので、説明できる理由はありません。 敢えて言えば、気持ちが舞台にしか向いていなかったということ。

ここのところ、次から次へとお役を頂戴して、本当に役者冥利に尽きます。 一つ終わればまたすぐ後にお役が控えていて、常に舞台のことを考え続けることができます。幸せなことです。 趣味のようなもので、それに向けた稽古の日々が楽しくて仕方がありません。
だから私はこれといって他に趣味がありません。

さて今日は、11月11日「1並び」の日。「ポッキー」の日でもあるそうです。なるほど。
2日後、私は、39歳になります。キムタクと同じ誕生日。彼は2歳年上。信じられません。

10年前他界した父も、同じ誕生日でした。ちょうど30年上で、生きていれば69歳。
お仏壇の掃除でもするか。

ご先祖に、神様に、皆さまに、感謝、感謝。