11月30日(土)満次郎の会

来る11月30日(土)、宝生能楽堂にて、「第5回満次郎の会」が催されます。

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今回は、5周年を記念しておめでたい番組構成。

昼の部(13時開演)は、『翁付高砂(おきなつきたかさご)』。
『翁』とは、「能にして能にあらず」と言われる、儀式的な曲。
大昔は、神官が勤めていたものを、寺社に所属する猿楽(能)の座(流派)の長老が勤めるようになり、観阿弥・世阿弥の頃から大夫(家元)が勤めるものとなりましたが、明治以降は家元以外の弟子家も勤めるようになりました。

江戸時代、能が徳川幕府の式楽だった頃、能の一日の番組立ては、『翁』から始まり、引き続き『高砂』『弓八幡』『養老』などの神様の能(脇能)のシテを、翁を勤めた役者が装束を着替えて勤めました。

会主の辰巳満次郎氏が、その『翁』のシテと『高砂』のシテを、本来の『翁付』という演奏形態で勤めます。

私は、その『翁』の「千歳(せんざい)」という、翁が舞う前の露払いの役を勤めます。
この千歳は、若い役者が勤めることが多く、私は過去3回勤めており、今回4回目で14年ぶり(当時25歳)。満次郎氏のお相手をさせて頂くのは初めてです。

現在満39歳で、この役独特の清々しさが出せるかわかりませんが、心は、高校生のまま。はりきってまいります。

この役、神事として執り行いますので、演能前3日間の斎戒沐浴と、別火をして、身を清めます(翁役は7日間)。
肉食(四足)と飲酒、女色を避け、当日は他の人との交わりをも避け、食事は、他人と煮炊きの火を別にします。

当日楽屋では、鏡の間に「翁飾り」(二段の八足台に、舞台で使用する面箱・烏帽子・扇や、三宝の上にお神酒・洗米・荒塩を供える)をして、「翁飾りの式」(出番前に役者全員が、お神酒・洗米・荒塩をいただき、後見が火打石を切って身を清める)を執り行います。

地謡や後見も、普段の紋付き袴ではなく、本来の素襖上下(すおうかみしも)と侍烏帽子(さむらいえぼし)を着け舞台は厳粛さを増します。

一見の価値、大いにありです。
しかも役者は「超」の付く名手揃い(三番叟 野村萬斎、笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯)。

夜の部は、『七人猩々』(他、一調・仕舞・狂言など)。

昼夜ともチケットは、残り少ないようです。
詳細・お問い合わせ・お申し込みは、上記「満次郎の会」ホームページまでどうぞ。