『生田敦盛』の子方(12月16日土曜日 五雲会)
来月12月16日土曜日、宝生能楽堂に於いて開催の五雲会にて、能『生田敦盛』の子方を、凜太郎が勤めます。
シテは、小倉 健太郎師。5年前に、『花筐』の子方で一度お相手させて頂いて以来。子供好きな方で、いたく可愛がって頂きました。
シテは平敦盛の幽霊で子方は敦盛の遺児。敦盛は、史実では16歳で戦死したことになっているので、死後生まれたとして、親子の年齢差16歳。当時はあり得る話ですが、これは能作者の創作でしょう。
法然上人に仕える人に伴われ、亡き父に逢いたい一心で、毎日賀茂明神に参詣します。「父に逢いたければ、直ぐに生田の森へ行け」との霊夢を見て、その通りにすると、亡き父・敦盛の幽霊と対面する、というストーリー。子方は、僧体(出家姿)です。
今年最後の五雲会。ぜひお越しください。
12月五雲会は、12時開演、『小鍛冶』『生田敦盛』『蝉丸』『船弁慶』他狂言2番。番組の詳細はこちら。
入場料は5,000円(学生2,500円)
お問い合わせ及びチケットのお求めは、こちらまで。
ホットシャワー5
これ、A&D社の「ホットシャワー5」。吸入器です。
大変優れた商品で、在宅の日は、これで1日に3回吸入しています。
実は、通常の吸入器の機能では、蒸気の粒子が大きくて(10ミクロン〜40ミクロン)、声帯まで届きません。この吸入器は、蒸気が5ミクロンまで小さくなり、声帯までしっかり潤すことが出来る、とのことで、3年前の声帯ポリープ切除手術の前から、主治医から「アマゾンで買いなさい」と勧められて、それ以来愛用しています。
当時、「能楽師は普段のケアが足りない人が多い」と言われてしまいました。このようなケアは、洋楽の方など、声を出すプロフェッショナルは当然のことだそうです。
風邪の予防や、花粉症、鼻詰まりなどにも最適。それ用に、付け替えられるノズルが3つ(吸入用マスク、口用、鼻用)付属しています。
手入れも、慣れればそう面倒ではありません。
決して、A&D社のまわし者ではありません。一家に一台、お勧め致します。
名古屋宝生会定式能(平成30年1月28日日曜日 名古屋能楽堂)
平成30年1月28日日曜日、名古屋能楽堂において、「第62期第1回 名古屋宝生会定式能」が開催されます。(上記チラシ画像をクリックすると拡大表示されます)
12時半から能楽師による解説(今回は私、和久荘太郎が勤めます)。
13時開演、以下の通り。
◆能『加茂』シテ 内藤飛能
ツレ 當山淳司、天女 衣斐愛、ワキ 高安勝久、笛 大野誠、小鼓 船戸明弘、大鼓 河村総一郎、太鼓 鬼頭義命、後見 竹内澄子、玉井博祜、地謡 辰巳満次郎、水上優、佐藤耕司、辰巳大二郎、片桐真、能勢渉、鈴木久仁七、清水達郎
◆狂言『舟ふな』シテ 井上松次郎、アド 井上蒼大
◆仕舞『田村クセ』竹内澄子
◆仕舞『須磨源氏』玉井博祜
地謡 當山孝道、辰巳満次郎、和久荘太郎、辰巳大二郎
◆能『盛久』シテ 衣斐正宜
ワキ 飯冨雅介、ワキツレ 橋本宰、椙元正樹、橋本叡、アイ 今枝郁雄、笛 藤田六郎兵衛、小鼓 後藤嘉津幸、大鼓 河村眞之介、後見 辰巳満次郎、辰巳大二郎、地謡 當山孝道、水上優、内藤飛能、當山淳司、平田正文、竹内孝成、石森智幸、真野久
【入場料】全席自由席 一般5,000円、学生2,000円。年間会員券(4枚綴り)18,000円。
お問い合わせ及びチケットご購入は、こちらまで。または、℡052-882-5600(名古屋宝生会事務局)まで。
飛鳥舞台稽古
本日は、久々の自宅(飛鳥舞台)にてのお弟子さんの稽古日。
舞台出演や長期出張が続いた為、月の後半に無理矢理寄せたのです。いつも私の都合に合わせて頂き、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
朝9時20分から、夜21時40分までびっしり。途中、昼御飯休憩60分と、晩御飯40分の2回休憩を取りますが、それ以外は休み無くぶっ通し。疲れないかと聞かれますが、それほど疲れません。むしろ、少し間が空いてしまう方が、気が抜ける為か、どっと疲れます。
朝は、6時半起きで、朝食前に先ず息子の稽古をします。お役が控えていない時期は、基礎の謡と仕舞の稽古。今は、12月16日(土)に、五雲会にての能『生田敦盛』の子方が控えていますので、それを中心に稽古。
朝食を済ませて、子供たちが登校した後に自分の稽古。但し、お弟子さんの稽古日はすぐお弟子さんがこの後お越しになるので軽く済ませ、稽古日以外にしっかり時間を取ります。
それでは、今から始めます!
気の入れ方
昨日、「満次郎の会」が済み、気持ちがやっと一段落しました。11月に入ってから、役(装束を着て勤める能の中の一役)や、大事な地謡や催しがずっと続いていましたので、気が張っていました。
「満次郎の会」では、能『景清』の従者、新作能『マクベス』の地謡、長い仕舞3番の地謡、と盛りだくさん。主宰の満次郎師はもちろんそれどころの大変さではありませんが、当然私とは器が違いますね。私は、私の身体を使った出来る限りの最善を尽くします。お客様に白昼夢をご覧頂く為に。
本日は、長野県小布施町にて、佐野 登師の尽力の催し、「第4回おぶせ能」に出勤の為、長野新幹線車内です。こちらは、能『土蜘』の地謡3番手と仕舞3番の副地頭。地謡が大事。
昨日で一段落、と自分に言い聞かせて気を一度ゆるめましたが、会場に向かうに連れて、このようにまた自分に言い聞かせるように、改めて気を入れていくのが常です。
冷静に客観視すると、なんだかいつも暑苦しい吐露ですみません。聞いてるだけで苦しくなるかもしれませんが、そういう性質なので、お許しください。
武田神社の紅葉
昨日は、甲府のお弟子さんの稽古日。
稽古場の武田神社も、紅葉が見頃です。
野外の能舞台「甲陽武能殿」。この舞台でいつも仕舞の稽古をしているのです。素晴らしい環境。
甲陽武能殿の裏手。
舞台の上から垣間見る富士山。
先日、ついにツイッターを始めました。
そして、翌日やめました。
一応何でもやってみないと何も言えないと思い、アカウントを作って3回ほど投稿してみましたが、誰も全く何の反応もありません。
虚空に向かって独り呟くようなこのむなしい感覚。始めたばかりなのでもちろん当然なのですが、人からの反応を待って度々チェックしてしまう自分の浅ましさと、もし反応があったとしても、律儀に返信を小まめにしたりして、結局息苦しくなってやめてしまうだろう、ということが予想され、直ちに脱会しました。
フェイスブックのとき同様です。あの時学習したはず。
あれも、交流は楽しいし、多少仕事の宣伝にもなるのかもしれませんが、私には合いませんでした。スマホばかり弄って、日常生活の物事の集中力が欠如するし、良くないのは、「集中力が欠如しても平気」な悪癖が、当時付いてしまったことです。集中力は、毎日の生き方で作り上げていくものだと思いますが、すぐ私は楽な方に流れるから。
出来るだけネット環境を遠ざけようとしているのに、次から次へと楽しいものが登場しますね。
でも、このブログだけは、どうも皆さんの励ましに支えられているようです。サボると、面と向かって仰って頂く方が有難いことに沢山いらっしゃいます。くだらないことしか書いてないのに。
恐れ入谷の鬼子母神。
名東高校能楽研究部員から
先日の誕生日に、名東高校能楽研究部員のみんなから、手作りのクッキーを頂きました。よくご覧ください。様々な種類の能の面(おもて)をかたどっています。能面でないお面も挟み込んであったりして中々ウィットに富んだ作品。
道成寺の釣鐘と蛇体も!
後で聞いたら、本当にみんなで作ってくれたらしく、心から嬉しく思いました。
ウチの子供たちも大喜びで、美味しく頂きました。
と思ったら、一昨日の稽古で男子部員2人から、下の写真の物を頂きました。
なんと、東レのメガネ拭き。高級なんじゃないですか、もしかして。お金使わなくていいんだよ。
しかしさすが、メガネ男子仲間。よく分かってる。本当に拭きやすくて重宝しています。最近新しいメガネを発注したところなので、手入れが楽しみ。
みんなの「気持ち」が嬉しい。
かわいいです、高校生。
カーシェア2
(続き)
頻繁な出張先の名古屋では、東京のようには交通網が張り巡らされていないので、大変重宝します。常宿のホテルの近隣に、カーシェアの基地が沢山有り、名東高校へは車で行くことが増えました。もちろん、お金はかなり余分にかかりますが、時は金なり、移動の無駄も減り、炎天下や大雨のさなか、重い荷物を引いて歩き回ることが少なくなり、段々と若くなくなってきた身としては、本当に助かります。
こんなに便利なカーシェアですが、当然、借りた車は元の基地に返却せねばなりません。欲を言えば、「乗り捨て」が可能になればなおのこと良いなあと。レンタカーは、中々の料金が加算されますが乗り捨てが可能です。
と思っていたら、昨日の日経に、「セブンイレブン・ジャパンによる『自転車シェア』が始まる」旨の記事を読みました。カーシェアの自転車版で、セブイレブンを基地として貸し出し、しかもなんと、どこのセブイレブンに返しても良いとのこと。すばらしい!実は私、自転車も持っていないのです…(もちろん自転車乗れますがね)。セブイレブンならば、近所に3つはあります。やった!カーシェアと自転車シェアを組み合わせれば、私は水を得たうおの如し。行動範囲がかなり広がります。元来新し物好きの私、今か今かと「自転車シェア」を待っています。
「覚え物の時間が減ってしまう」、のポリシーはいずこへ…。
カーシェア1
車(自家用車)を持っていません。
子供が小さい時は、妻の為にも車が欲しいと思うことはしばしばありましたが、維持費の問題や、東京は駐車場代が高いこと、また、私自身が車をそう頻繁に乗るわけではないので勿体ない、そして、東京は交通網が発達しているので、車が必ずしも必要でない、などの理由で見送ってきました。
若い時から、「車を持たないのは、(能楽師として)身体を鍛える為だ」と言い張っていました。実は今でもこれが最大の車を所持しない理由です。また、運転してしまうと、稽古をする時間が減ってしまいます。私は、移動中が一番集中して謡を覚えることができるのです。むしろ、移動中以外は全く覚え物をしない(出来ない)、ということが習慣づいてしまいました。だから、稽古時間を減らしたくないので、新幹線や電車に人と連れ立って乗車することがあまり好きではありません。
運転自体は、家元(先先代及び先代)の内弟子時代、家元やそのご家族の運転で、都内はもちろん、かなりの長距離も頻繁に運転しましたので、不安はありません。家族旅行などで必要な時は、レンタカーを借りていました。
ところが最近、「カーシェア」が大変使い勝手が良くなってきたことがわかり、半年程前から頻繁に利用しています。月会費もそう高くありません。15分からの短時間の利用も可能、もちろん、レンタカーのように数日借りてしまうことも可能。自宅の近くに、カーシェアの基地がかなり沢山有り、予約いっぱいで借りられないということもまずありません。予約は、スマホで便利に。時間の変更やキャンセルも自由にできます。最近、ガラケー(この言葉、好きではありませんが)からスマホに戻したこともあり、大変便利。出張や旅行先でも、スマホを使って基地を検索して予約。気軽に借りられます。まるで、全国各地に自分の車を持っているような感覚。
(続く)