3月4日(日)名古屋宝生会ワークショップ
今度の日曜日の3月4日午前10時から1時間半、名古屋能楽堂地下稽古室にて、3月18日(日)に催される、名古屋宝生会定式能をより面白く見るための、ワークショップ(事前講座)を開催します。
当日の番組、『玉葛(たまかづら)』『国栖(くず)』に沿って、曲にまつわる話や背景を、出演の若手能楽師が中心に、演者の側から見た曲の解釈も交えてお話しします。
このワークショップも、名古屋宝生会としては3年目。試行錯誤しながら、普及を心がけて、地元出身の能楽師を中心に続けてきました。
人前でお話しするのは、我々はあまり得意ではありませんが、下手ながらに、演者自身がそれぞれ思うところをお話しして、少しずつ固定のファンや、新規でお越し下さるお客様が増えてきました。
特別企画として、昨年までは、装束着けを様々お見せしてきましたが、やはりこれは楽屋内のことで特別なこと、惜しまれつつも、少し秘すことにしまして、今年からは、新しい企画を試みております。
内容は、当日をお楽しみにお越し下さい。
参加料は1,000円ですが、名古屋宝生会定式能年間会員券をお持ちの方は、ワークショップ無料参加券が付属していますので、お持ち下さい。
ご予約などは必要なく、直接名古屋能楽堂地下稽古室(名古屋能楽堂正面入口ではなく、名古屋城により近い側の楽屋口を入り、エレベーター又は階段で降りた地下1階)にお越し下さい。
皆さんのご来場を心よりお待ちしております。
息吹の会
3月7日に被災地復興支援能の『息吹の会』が観世能楽堂にて催されます。
昼夜2公演で、各流派の宗家や名手が揃い、豪華な番組。
また、被災地出身の能楽師や、彼の地に稽古に通っていた能楽師が名を連ねています。
この催しの収益を元に、被災地をまわり、順次無料公演を催していくとのこと。
被災地に稽古に行っていた若手(私と同世代)能楽師数名が、流派を超えて、被災地を元気づける為に能楽師として何ができるか、と、大震災以来頻繁に集まり、話し合いを重ねて、このような素晴らしい催しが実現するに至ったことに、大変な感動を覚えて敬服します。
また、その意志に多くの能楽師が賛同して、無償で出演し、観世流宗家の観世清和師は、観世能楽堂をも提供して下さると言うことも聞き、感動の嵐です。
私自身は被災地とは直接の関係はありませんが、もしお声がかかることがあれば、喜んでお手伝いしたいと思います。
能楽界もまだまだ捨てたものではありません。
私も頑張ります。
侍女が手より・・・
「子供と一緒に親も成長していく」
という言葉は至言ですね。
凜太郎(5歳)の『西王母』の子方、本日済みましたが、無事ではありませんでした。念の入れた稽古を積んできましたが、私の分身ではないので思い通りになるものではないことが私自身もわかりました。
凜太郎も、初めての大きな失敗で、父の厳しい言葉、皆さんの温かいお言葉が身に染みたことでしょう。
悔しさを糧にまた頑張ってほしいと思います。
また、私も精神の鍛錬をしてまいります。
次回は、3月11日(日)月並能にて、『鞍馬天狗・白頭』(シテ高橋章)の花見稚児です。
ヤマンバギャル
次の日曜日の2月12日、月並能(宝生能楽堂)にて、『山姥』(シテ・小林与志郎)のツレを勤めます。
「百万山姥(ひゃくまやまんば)」という芸人(遊女)の役で、唐織(からおり)という窮屈な装束をまとい、一時間半近く座りっばなし。
つい先日は息子が長時間の役(『善知鳥』の子方)を勤めたばかり。
「絶対に動くな」という父の言い付けをほぼ守ったので、私も行儀良く座らなくては面目が立ちません。
「人に教える」というのは、自分も律することなのですね。プレッシャーです。
職業病の腰痛は、暮れの『乱』の前に、名医の鍼治療のおかげでほぼ完治。
今日はメンテナンスの鍼を打ってもらい、明日の申し合わせ(リハーサル)に向けて、体調を整えました。
ひさしぶりの休日、ついでに床屋さんにも行き、スッキリしてパワーがみなぎってきました!
全力で座ります!
凜太郎2
凜太郎1
お久しぶりです。
いつ見ても足利の初詣の写真、そろそろお怒りの声が聞こえてきます。
暦の上では春となり、寒い中でも少し気がワクワクしてきます。
昨日、立春能(女流能楽師の催し)にて、息子・凜太郎(5歳)が『善知鳥(うとう)』の子方を勤めました。
やることは大してありませんが、一所に1時間以上片膝を立てて座っていなければならない、大変辛抱のいる役。
「辛くなったら後の楽しいことを思い出せ」
とよくよく言い聞かせて、何とか無事勤めました。
「後の楽しいこと」とは、ご褒美のレッドキング(ウルトラ怪獣)の人形。
『善知鳥』という、悲壮極まりない曲の最中に、彼の頭の中はレッドキングでいっぱいだったという訳です。
まだ5歳。物でつるのも一つの方法です。楽しみが無ければ、こんな難行苦行誰もやりません。
舞台を乗り越えて行く楽しみも、実は父は所々に設定してありますが、本当の面白さはあとで自分で見つけてもらいます。
<続く>