おかげさまで(第3回和久荘太郎演能空間)

昨日9月20日、第3回和久荘太郎演能空間を、皆さまのお蔭で盛会裏に催すことが出来ました。

ご来場者数400名弱。第1・2回よりは少なくなりましたが、愛知県のみならず、北は北海道から西は神戸まで、各地から多数ご来場頂き心より嬉しく思います。

アンケートを拝見すると、リピーターも着実に増え、今後も楽しみにして下さっている旨、ご声援をたくさん頂戴し、ますますやる気が出ました。

解説・イヤフォンガイドを、能楽評論家の金子直樹氏にお願いしておりましたが、残念ながら体調不良の為、朝日大学准教授の米田真理氏に急遽お願いし、予定通り解説とイヤフォンガイドを実施して頂きました。また金子氏とは違った意味での女性らしい柔らかな解説。イヤフォンガイドも好評でした。

異流競演の舞囃子2番(『阿漕』シテ 味方玄、地謡 片山九郎右衛門他・『善知鳥』シテ 辰巳満次郎、地謡 武田孝史他)は、私自身が拝見を大変楽しみにしており、自分のことを忘れて、思わず見入ってしまいました。
一言で表すとそれぞれ「スタイリッシュ」と「骨太」。両方ともそれぞれの魅力があります。 しかし、どちらも能としての気合はいわずもがな十分。自分の会で自分自身が見たいと思うものを企画して拝見し、大変勉強になりました。

狂言『棒縛』(野村又三郎・野口隆行・奥津健太郎)は、会の趣旨に合わせて、『鵜飼』の小謡を織り交ぜて頂きました(『阿漕』『善知鳥』『鵜飼』を「三卑賤・さんひせん」と言います)。しゃれていますね。

能『融』は、何と申しますか、完全に皆さんの胸を借りた形で、全く無駄な緊張をせずに、悠々とした気持ちで勤めることが出来ました。

私の高校時代の恩師から、「舞台上の大半があなたよりも先輩で、皆さんに期待されて可愛がって頂いているように感じた」、という嬉しいご感想を早速頂戴しましたが、「期待されて」いるかは別として、名手の胸をお借りして、自然に動かされるように舞台を勤めることが出来たことは間違いありません。やはり能は総合芸術ですね。

さて、次回は「第4回」。当日配布したプログラムには、「第3回を区切りと致します」と書きましたが、止めるわけではありません。少し考えがありますので、これについてはいずれ発表致します。

誠に有難うございました!