ぶらり途中下車の旅②

本日は、月並能にて能『江口』の地謡。

 

(続き)

瀬田の唐橋。瀬田の長橋ともいわれ、『田村』に名前が出てきます。交通の要衝だった為、古代から戦国時代まで幾たびも戦場として名前が出てきます。有名なのは、壬申の乱、源範頼・義経が木曽義仲を討伐、承久の乱。

 

橋自体は、コンクリート作りですが、擬宝珠(ぎぼし)は相当古いもののようです。

 

瀬田の唐橋から眺める琵琶湖の夕景は、「瀬田の夕照(せきしょう)」と言い、近江八景の一つ。今はもう風情はありませんが、瀬田川は清々しく美しい。

 

遂に守山の宿へ!この後、彦根城で能『望月』を謡うのです。『望月』の場面設定は、正にこの守山の宿。中山道の最終宿で、始まりは板橋宿。拙宅のすぐ前を旧中山道が走っていますから、このまままっすぐ歩けば家に帰れる!(7日間くらい?)

 

能『望月』に触れた札。登場人物は、全て架空で、舞台となる甲屋(かぶとや)という宿も実在しなかったとのこと。

 

このようにして私は、出張の舞台出演のほんの合間を見つけては謡の史跡を巡る旅をするのです。田崎甫さんとはこれで3回目。石清水八幡宮(『女郎花』『放生川』)、大伴黒主神社(『志賀』『草紙洗』)にも行きました。何かとご縁があります(というよりも無理矢理付き合わせてるのかもしれないけどね)。

次はどこに行けるかな。


ぶらり途中下車の旅①

昨日は、宝生能楽堂にて月並能申合せ後、大阪にて能『望月』の申合せ、京都に移動し、本日は彦根城能舞台にて、能『望月』(シテ 辰巳満次郎)の副地頭と仕舞『井筒』(シテ 金森秀祥)の地頭。

 

開演までの時間を利用し、後輩の田崎 甫さんと共に、京都から彦根間を途中下車して、謡跡巡りをしてきました。

石山寺、東大門。『源氏供養』の舞台。

 

硅灰石(けいかいせき)。これによって「石山寺」という名に。

 

紫式部 源氏の間。紫式部が参籠して「源氏物語」を記した部屋。

(続く)


能『羽衣』を舞わせていただきます

 

本年(令和元年)12月22日(日)、横浜能楽堂主催の「眠くならずに楽しめる能の名曲」と題した普及公演にて、能『羽衣』を舞わせていただきます(詳細は、上記画像をクリック、または、関連ホームページをご覧下さい)。

明日の9月7日(土)一般販売開始。

横浜能楽堂館長のお話「本当は怖い羽衣」も興味深いですね。

今回、番組を能くご覧頂くと驚かれると思いますが、シテの私以外の出演者は全て(ワキ・囃子・地謡など)大先輩の名手ばかり。このようなメンバーで『羽衣』を舞わせて頂くことは有難いことです。

これで眠くなったらきっと私のせいでしょう。

ご来場を心よりお待ちしております。

チケットのご予約はお早めにお願い致します。


大好きだったけど‥

昨日は、名古屋(桜山舞台)のお弟子さんの稽古の後、最終新幹線で帰宅して、今朝は群馬県桐生(伝統芸能研修所)の稽古の為、りょうもう号(東武線特急)車中です。その後、横浜(久良岐能舞台)の稽古に向かいます。移動中は稽古・読書・瞑想三昧なので、全く苦になりません。

 

最近、大好きなものがだんだん口にできなくなってきました。

コーヒーが大好きなのに、飲むとどうも調子が悪い。りょうもう号や新幹線に乗り込むときは必ずコーヒーが旅の友だったのですが。

乳製品もダメ。コーヒー牛乳なんて、大好きなのにもってのほか。

ヨーグルトも大好きなのにダメ。

色々と実験を繰り返して、徐々にお腹をこわす原因が分かってきました。

そのうち、大好物の甲殻類やうなぎも食べられなくなっていくのでは、と心配になります。

これも老化現象のひとつでしょうかね。


正面席・脇正面席 完売のお知らせ(第6回 和久荘太郎 演能空間)

「第6和久荘太郎演能空間」(923日月祝)の、正面席と脇正面席は、お陰様で完売しました。

自由席(脇正面後方席 及び 学生席)も残りわずか(数席)です。

中正面席(指定席)のみ、まだ余裕があります。

当日券は、残席がある場合のみの販売となり、金額は 1,000円高くなりますので、事前のお買い求めをお勧め致します。

本番まであと20日。皆様のご来場を心よりお待ちしております。


大学の合宿

昨日と今日で、愛知教育大学能楽部と愛知県立大学能楽部の合同合宿を指導してきました。

2校合同合宿は初めての試み。来年2月8日(土)に名古屋能楽堂にて開催される、「名古屋学生能楽連盟 2月例会」にて、2校合同で能『羽衣』を上演するにあたっての泊まりがけの集中稽古。

まだまだ先の話ですが、みんな気が入っていて、囃子謡(囃子が入ったときに臨機応変に謡い方を変化させる高等技術)を大方マスターしました。若い力は素晴らしい!

名古屋市至近なのに、なんと山の頂上にある宿坊の合宿所。コンビニなど全く何も無いところですから、不便さを楽しむ心が養われたかも。

この合宿を機に、みんな能の実力も付けましたが、何と言っても人間同士の深い交流が出来たことが一番の収穫ではないでしょうか。

例年の高校生(名東高校)の合宿では、晩御飯の後は花火。大学生は、花火はもちろんのこと、その後に飲み会があるのがまた一味違う楽しみ。高校生たちに、「大人になると更に楽しいよ」と伝えてあげたい。

名東高校能楽研究部から、既に2名の優秀な子が愛知県立大学能楽部に入部しています。過去には、愛知教育大学能楽部にも1名入部し、現在私の社中として稽古を続けてくれています。

良い流れが出来てきました。長い目で見て、これからの名古屋の能楽界に大きな力になってくれることを切望します。みなさま、温かく見守って頂けたらと思います。


ベルト

だいぶ涼しくなりましたね。昨日は名東高校稽古、今日は岡崎稽古。明日からは、愛知教育大学と愛知県立大学の合同合宿。

 

先日、若い男性美容師さんにシャンプーしてもらってるときに(仰向けです)、

「ベルト替えたんですね」

と言われて、

(ベルト!客商売とはいえ、よくそんなところまで見て覚えてるねえ。)

と思い、

「靴の色に合わせて替えてるんです。」

靴は普段黒が多いのですが、その日は珍しく茶色だったので、ベルトも茶色にしていました。

しかし、なんとなく会話に変な空気が流れた気がしたこの日が序章。

 

また後日、女性のお弟子さんにも、

「ベルト替えたんですね。」

とまた同じことを言われて、

(ホント、みんなよく見てるなあ!)

と。しかし、ベルトなんて、ファッションアイテムとしてそんなに重要なものかしらん、もっと褒めるところがあるんじゃないの?、と思いつつ、

「靴に合わせたんです。」と同じ答え。

 

それからというもの、数人の方に「ベルト替えたんですね」と言われて、さすがにだんだん気味が悪くなってきました。

 

そして、ある日、愛知教育大学の男子学生さんにも、

「先生、ベルト変えたんですね。」

と言われて、ついに、シャツをめくって、

「今日はいつも通り(黒)なんだけど。」

と言ったら、

 

「いえいえ、時計のベルトです。」と。

 

なーんだ、アップルウォッチのことか!確かに、最近汗ばむので、皮のベルトからシリコン素材のピンクのベルト(元々時計に付属していたもの)に替えたのでした。

 

どおりで、美容師さんも黙っちゃったワケだ。