お灸

今週土曜日は、五雲会(宝生能楽堂)にて能『善知鳥』のシテを舞います。

 

お役が近づいてくると、稽古も本腰が入ってきて、体調管理に一層気を配るようになります。

包丁を持つことや、洗い物などは避けるようになります(元々滅多にやってないのでは、と家族の声が・・・)。

駅などでは、普段はエレベーターやエスカレーターは使わず階段を駆け上がるのが慣いですが、お役が近づくと、上りはいつも通りですが慎重に、そして下りに関しては階段はまず使わず、やむなく階段の場合は、手すりに手を添えて下ります。駆け込み乗車など、もってのほか。

 

お酒をやめる、というのはよく聞きますが、私はやめません(普段からそんなに飲みませんのでね)。

 

とにかく、神経質なくらい、怪我や風邪には注意します。これも、2度の声帯ポリープ摘出手術での経験から、もともと用心深い性質にますます拍車がかかりました。

 

 

舞台が近くなくとも、日常欠かさないのは、寝る前の入念なストレッチとお灸。

昔ながらのもぐさをひねって直接肌に置くタイプではなく、台座が付いた比較的安全なもの。15分間ほどかけて30箇所くらいにお灸をすえます。煙が目に染みることも!

 

1000個入ったものを1ヶ月半程で使い切ってしまいます。

 

お灸の間には、手塚治虫先生の作品を読むと決めています。理由は・・・、特にありません。

「塵も積もれば〜」で、『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』は全巻読破。今は『火の鳥』に夢中です。

 

寝る前15分間のリラックスタイムです。


バケツ稲

昨日の雨で溢れそうです・・・。

田植えした日と比べると少し成長しました。


鹿の子百合じゃないよ

庭の満開のカノコユリ(鹿の子百合)。いや、多分カノコユリではありません。

 

昨年、カノコユリの球根を買って、大事に愛でて育てたのですが、立派な白い蕾が出来てきて、

「あれ、カノコユリって赤いのでは?」と思いつつ、

「これから赤くなるのかな」

とワクワク待っていたら、いつまで経っても赤くならずに、素敵な白い百合が咲きました。

 

おかしいな、と思いつつ図鑑を見たら、これ、多分「テッポウユリ」じゃん!

 

花屋さん間違って送ってくれたのかも。でもいいや、これも可憐で愛おしいから。


かくて時過ぎ・・

15歳(高校一年生)の私。

掃除していたら30年前のパスポートが出てきて、開いたら、あまりの変わりように本人もビックリ。子供たちに見せたら、娘(小6)は開口一番「お父さんカッコイイ!!」と。息子(中2)は、「(今と)全然違うじゃん!!」と。妻と娘はこの写真をみて、口を揃えて現在の息子に似ている、と。

 

かなりツッパった生意気な顔つきですね。まだ能の稽古(謡・仕舞・大鼓・笛・小鼓)を始めて数ヶ月。並行して子供の頃からやっていた日本舞踊(花柳流)・剣道・居合道(無双直伝英信流)などなども続けていました。

名古屋市の姉妹友好都市であるシドニー市(豪州)にて、名古屋市立名東高校能楽研究部がホームステイを含めた能の発表の機会を得たために、高校入学直後にパスポートを取得したのです。私は、仕舞『嵐山』を舞い、舞囃子『経政』の大鼓も打ちました。

 

その為に、名古屋にお稽古場があった辰巳孝師(辰巳満次郎師の父君)に名東高校能楽研究部として総合的にお稽古を見て頂き、これを一つのきっかけとして色々なことがあり(いずれお話しする時が来るでしょう)、やがて能の道一本に進むことを決意します。

まあ、今振り返っても、とにかく誰に対しても生意気な野郎でした。良く言えば、生きる気力に満ち溢れていました。

 

ちなみに、着ているのはスーツではなく、名東高校の制服です。ネクタイは結んでいるのではなく、金具でシャツの襟に挟んであるだけ。今の名東高校の制服はちゃんと結ぶ方式のようです。当時名東高校は名古屋市立の新設校で、「普通科」だけだけでなく「英語科(現在は国際英語科)」があり、英語教育に力を入れた一風変わった学校でした。各クラスに留学生がいて、校風も大変自由で、破天荒、破茶滅茶な私を押さえつける先生も少なく(数少ない私を押さえつけてくれる先生に対しては容赦なくハネ返していました。ゴメンなさい!)、かえって先生方も私に同調してノリノリになってくれて、私は本当に伸び伸びと学校生活を送ることができました。

 


かくて時は過ぎ・・・・・・・


 

そして、これが30年後の成れの果て。満45歳。今年46歳になります。艱難辛苦が顔に刻まれています(?)。初志貫徹で、一応能楽師の端くれで舞台に立たせていただいています。その代わり、能以外のことには疎く、恥かくことばかりですが・・・。常識的・人格者のお弟子さん達や良い家族、良い師匠に恵まれて、生かされていることを実感・達観するこのコロナ禍です。

 

私よりも若年の皆さんへ。「30年はアッという間」でしたよ。


涌宝会発表会 今後の展望

本当ならば、昨日と今日は、宝生能楽堂にて「涌宝会15周年記念大会」という、私のお弟子さんの晴れ舞台のはずでしたが、残念ながらこの新型コロナ禍の為、5月初旬に中止としました。

 

延期にせず、中止にしたのは、今回能1番に一調・独調約10番、舞囃子約20番、などなどを2日間にわたって上演し、申し合せ(リハーサル)を含めると都合3日間能役者を拘束する大きな催しのため、恰もパズルのように出演時間を考慮して大勢の能役者とお弟子さんを配役してあり、同規模で3日間の催しを本年中に開催することは、既に舞台自体も空いていないことと、能役者を確保することが難しいことは自明でした。

また、「来年の同時期に延期」という選択肢も当然あるかと思いますが、それは私の考えでは「延期」とは言えません。同内容でこれからまた1年間お弟子さんのモチベーションの維持は、お互いきついものがあります。

それに今回は15周年の記念大会。「15周年」は二度と無いのです。

 

開催可否の判断も、本当にギリギリまで待とうと考えており、既にお弟子さん全員宛には、開催日に緊急事態宣言期間が重ならなければ何としても開催する旨は周知してありました。もし当日欠番(お弟子さんがお休み)の場合は、能・舞囃子・一調・独調に関しては全て私が代役をして、映像のDVDをプレゼントする旨もお伝えしてありました。

それらに対しての反対意見はほとんどなく(というよりも、一度決めたことや言い出したことは絶対に曲げない私の性格を皆さんよくご存知なので、私に言ってもムダ、ということかもしれません‥)、大変協力的でしたが、内心ヤキモキされたことでしょう。

 

今日はよく晴れて発表会開催には良い日でしたが、やはり中止にして良かったようです。

 

これまでは、東京(宝生能楽堂)と名古屋(名古屋能楽堂)を毎年交互に開催してきましたが、今後は、毎年両地で開催致します。次は、2月28日(日)名古屋能楽堂。まだコロナ禍は収まっていない可能性が高いので、万が一のことがあると再び物心様々損害が大きいので、ご助演いただくシテ方の能楽師はお若い方数名で最小限に留めて、現時点では「独調会」にての開催を考えております。そうなると、お弟子さんは能・舞囃子・仕舞などの発表は無く、全員が独調(または一調)という、お囃子との一対一の発表となり、これもまた一興。

実は、この度のコロナ禍が始まる半年前から偶々企画していたことですが、そうすれば楽屋にての三密を避けることができます。

 

以上のことは未定ですが、現時点での展望です。


田植え

今日は一日休みにしてあったので、田植え(バケツ植え)をしました。

 

桐生のお弟子さんから先日頂いた苗。すぐには植えられなかったので、仮に庭植えして命脈を保ってもらっておいて、バケツ、土、肥料などが揃い、天気と私の休みが合致した今日を狙って田植え。

麦わら帽子に長靴、腰には蚊取り線香。

 

土いじり大好き。


形見分け

長い巣ごもり生活で、家族4人ともいつも家にいて、3食全て自宅で、となると妻も大変なので(申し訳ないけど相変わらず私は作っていません)、せめて昼食だけは、と、息子(中2)や娘(小6)が作ってくれるようになりました。成長を感じます。

ここ1ヶ月半くらい、料理から片付けまで、2人とも本当によくやってくれたので、先日、私が歯医者の定期検診から帰った時にお小遣い(1,000円ずつ)を2人にやりました。お父さんからお小遣いをもらうことが余程珍しかったのか、いたく喜んでくれました。

 

その翌日、妻が子供たちから、ある相談を受けたそうです。

「お父さん、もしかして死ぬんじゃないか」と。

 

聞けば、「歯医者から帰ってきたら、いきなり2人にお小遣いをたくさんくれたから。」と。

歯医者で何か重篤な病気が見つかったのでは、と勘ぐったようです。形見分け⁈それ、冗談?本気?(皮肉?)

 

確かに、私からお小遣いをあげたことはほとんど無かったかもしれません。そんなに珍しいことだったのか・・・。たまには手ずからあげなきゃね。


オンライン稽古③

スマホは、長時間オンライン稽古をしていると直ぐにバッテリーが熱を持ってきます。最初はスマホのみでやっていたのですが、このままでは寿命が短くなると確信し、パソコンの使用に変更しました。しかし当節、子供達も学校や塾のオンライン授業があるために、我が家に2台あるノートパソコンだけでは賄えず、iPad proをオンライン稽古用に購入し、ますます快適。

iPad pro、iPhone、パソコン全てに対応する有線マイクも購入し(まだ届いていませんが)、お相手に出来るだけ良い音をお届けする様々な工夫を考えて実践しております。

 

な~んて、また悪い(良い?)癖が出て、色々と凝りだしてしまいましたが、そろそろ、オンラインではない、通常の稽古ができそうな予感。まあ、必ず来るであろう次の緊急事態宣言期間には直ぐにオンライン稽古で対応する、という準備ができたことは大きな収穫。

あるお弟子さんに「オンライン稽古ができることによって、また様々な可能性が広がるのでは」と言われ納得。確かに、体調不良で稽古をお休みになった方には、後日オンライン稽古での代替も可能だし、例えばご遠方(外国でも!)のお弟子さんにも稽古を止めずに続けていただくことができるようになるかもしれません。実際、しばらくお休みだった米沢(山形県)のお弟子さんもオンライン稽古をお始めになったし、今年アメリカに移住する学生さんにもこのまま続けてもらえるかもしれません。

 

私は、転んでもただでは起きません。


オンライン稽古②

LINEならば、最近はスマホを持つ方ならば老若男女問わず使っているようですので、最初はLINEのビデオ通話から始めました。

「お約束の時間前に謡本を前に置いて、スマホを立てかけて向き合っているだけで大丈夫ですから」とお伝えして、先ずは15分間ほど稽古(謡のオウム返し)の使用に堪えるか実験。それで可能ならば、他日を約して実際にオンライン稽古開始。

 

拙宅は、1階の居間にWi-Fiルーターがあり、離れた3階の舞台はやや電波が弱かったので、Wi-Fi電波の中継器をビックカメラ(もちろんオンライン)で購入して2階の息子の部屋に設置。電波は完璧です。

 

お相手によっては、LINEではなく、zoomやSkypeはたまたFace TimeやGoogle meetを最初から希望されて、それらに対応するうちに私自身が勉強になりました。そしてそれらを応用して、今はやりの「オンライン飲み会」を友人たちと開催したり、仕事上の打合せをしたりしてスキルアップ。

 

LINEは気軽に始めるにはとても良いツールですが、どうも最近このような状況下で人気なのか、繋がりが悪い時間帯があると感じ、趨勢のLINEからzoomへ移行のお願いを皆さんにしています。

zoomは画質も音質も良く、使用も慣れてきました。少し注意が必要で、zoomは、大きい音(声)を出すと、マイクが自然と集音のレベルを落とすようで、その対策を調べて、私自身のスマホやパソコンに設定。すると、お相手に快適に聴こえるようになったようです。お声が大きいお相手にもその設定をお願いすることで、こちらも聴きやすくなります(「オンラインレッスン」で検索すると有益な情報が出てきます)。


オンライン稽古①

ご存知の通り、能楽界(能・狂言)もご多分に漏れず、全ての流派が舞台活動を自粛しており、私自身も3月から今に至るまで、悉く舞台出演が無くなってしまいました。この先も8月頃までの舞台出演の多くが既に中止・延期の連絡を受けており、全く先が見えない状態でしたが、本日の緊急事態宣言全面解除の報により、今後少し変わってくるのではと期待しています。

自粛開けで最初の舞台が、6月20日(土)五雲会の能『善知鳥』のシテ。入場制限をして慎重に開催するとのこと、張り切ってまいります!

 

ところでこの期間、お弟子さんの稽古もままならず、名古屋・岡崎・甲府・横浜、そして名古屋の学生3校(愛知教育大学・愛知県立大学・名東高校)も全て4月からは中止。自宅である東京の飛鳥舞台の稽古に来られるお弟子さんも日に日に減少。唯一稽古に伺い続けたのは桐生の稽古場。カーシェアリングで車を借りて、感染に気を付けて高速道路を往復。普段は月1回しか伺えないのですが、この時とばかり、月2回伺い続けました(ご迷惑だったかも?)

 

このようななか、お弟子さんから「オンライン稽古」のお勧めがあり、当初は思いもよりませんでしたが、学生さんを実験台に始めてみると、意外に皆さん好評。

「顔を見ながらだと、しっかり稽古をしてもらっている感じがする」とか、

「通常の稽古同様、緊張する」

などという感想をいただき、4月の末頃からお弟子さんお一人ずつ実験をして、当面これで稽古となり得るか(また、お月謝を頂戴するに値するか)体験していただき、ほとんどの方がオンライン稽古に移行していただくことができました。

 

さすがに仕舞の稽古は難しく、謡のみに特化。「緊急事態宣言期間」イコール「謡の強化期間」としてご納得いただいています。実際、皆さんこの機会に更なる上達を感じます。

 

3校の学生さんだけで30人弱稽古しますので、なかなか骨が折れます。学生さんは、もちろん仕舞は個人稽古ですが、謡はどうしても団体稽古になってしまうので、この個人稽古ができる機会に、普段伝えられない基礎をしっかり作ってあげたいと思います。