3月20日(日)名古屋宝生会定式能
大地震の被害の実態が日に日に見えてきて、目を覆いたくなる惨状です。
大事な方を喪った方、連絡がつかない方、悲しみはいかばかりか。これからのこと、全く想像もつかないでしょうが、なんとか生き抜いてほしいと思います。
決して他人ごとではない事が今回のことではっきりしました。
いつかこのような日が来ることは、誰もが心の奥で覚悟していたとは思います。その日がついに来たのですが、これが序章でないことを祈るばかりです。
緊急時ですから、歌舞音曲を控える考え方もありますが、我々役者としては、変わらず公演を続けることによって、皆さんを元気づける目的もあり、できるだけ能の公演を開催する方向で考えるべきだと思います。
来週日曜日20日の、名古屋能楽堂における「名古屋宝生会定式能」は、予定通り開催いたしますので、ご不安の中ではありますが、ぜひご来場いただきたく思います。
1月23日の当ブログでもご紹介したとおり、私は能『忠度(ただのり)』を勤めます。桜の樹の下での仮の一夜の夢を見ていただけたらと思います(13時開演、ほかに能『巻絹』(シテ衣斐正宜)、仕舞・狂言)。