舞台磨き①
いよいよ暮れも押し詰まってきました。
我が家も大掃除で大忙し。なーんて、例年は、申し訳ないとは思いつつ、妻に任せっきりで、私は仕事にかまけてほとんど何にもしません。妻に心から感謝。
しかし、今年の暮れは、奇しくも声帯ポリープ切除後のリハビリ期間なので、安静第一とはいえ、声を出し過ぎたり、あまり力み過ぎるようなことをしなければ良いので、心を入れ替えてしっかり掃除しています。
中でも、今回の静養中にやろうと決めていたのは、3階にある能舞台の板磨き。現在、築54年の家(7年前に購入)ですので、舞台も同じく54歳。昨今手に入らない貴重な桧(ひのき)の1枚板ですが、惜しいことに、ニスか塗料のようなものが塗ってあり、黒光りして色は良いのですが、どんなに磨いても、稽古をすると足袋が汚れてしまいます。この家を建てた方(故人)が、おそらく、早く良い色を見たいと思われた末の処理だと思います。
うちに稽古にいらっしゃるお弟子さん方は、足袋が汚れるとは一切仰いません。皆さん、さすが素晴らしいお気遣いですが、私や凜太郎は身をもって、汚れることを実感しております。
ということで、今回、紙やすりによる手磨きで、板の表面を隈なく磨こう(削ろう)と思います。
これが、現在の舞台。舞の稽古で能く通る部分が、足袋でこすれて白く削れています。この白い部分が、本当の舞台の色。全体がこの色になることを目指して、やすりをかけていきます。
(続く)