第105期生 初舞台!
昨日は、月並能(宝生能楽堂)にて能『熊野』のツレをなんとか無事勤め、精神的な開放感を得たところで、本日は宝塚大劇場へ日帰りで行き、今帰りの新幹線です。
片道4時間半の小旅行ですが、なんのその。名東高校能楽研究部での私の教え子であった、七城 雅(ななしろ みやび)さんの初舞台、しかも、今日は彼女の口上の日!この日だけはなんとしても死守して、無事観に行くことができました。
日比谷の東京宝塚劇場は度々足を運んでいますが、本場の宝塚大劇場は初めて。やや迷いつつも辿り着き、入場すると、男性の姿はちらほら。そりゃあ、平日の昼間ですからね。
ロビーに掲示された、105期初舞台生の写真。赤い花が付いている3人が、本日の口上者で、七城 雅さんは一番右の二段目。(テニスの松岡修造さんのお嬢様もこの40名の中に)
七城 雅さんの口上、はきはきして、溌剌として、笑顔も爽やかで大変良かった!これから張り切っていく、強い意思が感じられました。ラインダンスでも大活躍。オペラグラスで彼女ばかり追いかけて、親ばか、というよりも冷静に考えたら変なオジサンっぷりを発揮してしまったかも。ダンスのキレも素晴らしかった!(もう七城さんしか目に入っていません)
月組に配属されたとのこと、今後は、日比谷の宝塚でも観られるでしょうから、また楽しみが増えました。
以上の報告を聞いて、私の夢中な姿勢にドン引きの方もいらっしゃるかもしれませんが、このように、「最初から観ているお客様」の存在が、どれだけありがたいか(押し付けがましく聞こえますが)は、私自身が一番分かっているのです。
私自身、能役者として十代から舞台に立っていますが、その時からずうっと私の舞台を見続けて、見守って頂いているお客様が少なからずいらっしゃいます。感想を毎回お伝え頂く方、お差し入れやお祝いまで頂いてしまう方、ときには厳しいご意見を耳に入れて下さる方、ただ遠くから見守って頂く方、来られなくともチケットだけは買って頂く方、などなど、いずれも、私にとっては心の支えとなっていて、お客様に育てて頂いてきたことを実感するのです。
だから、七城 雅さんには、そういうファンや心の支援者を今後も大事にして頂き、ぜひともスターにのし上がっていってほしいという思いから、私もファンの一人として、名を連ねていきたいと思います。そして、いずれは能の良さも世間に知らせていただければ‥!
長刀をちょっと持たせるだけで「花」が感じられた当時高校生のあどけない七城 雅さんが、世阿弥いわくの「時分の花」を咲かせて魅力ある役者になっていくのを楽しみに遠くから見守ります。