御礼参り

今日は、大阪能楽会館にて、若手の催し。宝生流は、舞囃子『絃上(けんじょう)』シテ辰巳大二郎。私は地頭を勤めました。
申し合わせの為に昨夜から大阪入りしていましたので、昼間の空き時間を使って、住吉大社に参拝してまいりました。
住吉大社と言えば、能『高砂』の後半、神主友成が高砂の浦を出帆して住ノ江に着くと(有名な「高砂や、この浦船に帆を上げて」のところ)、住吉明神が若い男体の姿で現れ、颯爽と神舞を舞う、あのゆかりの地ですね。

大鳥居をくぐった正面の太鼓橋。大変なカーブです。

第一本宮の右奥に、「五所御前」という、写真のように、一本の杉の木を神木として、玉垣で囲った小さな宮があります。
この敷石に、よく探さなければ見つかりませんが、「五」「大」「力」の3文字のいずれかが書かれていて、その3つを全て見つけて身につけると、心願成就するというのです。
昨年のちょうど今頃、住吉大社に参拝し、この五大力を身につけたら、なんと翌月に心願成就の兆しが!現在住まいしております舞台付きの家の話が舞い込んできたのです。
そして、とんとん拍子に話が進み、3ヵ月後には住み始めました。
これらは、実はさる御方のお取り計らいや、家の持ち主の方の人柄に依ったものだったのですが、これらの人の縁そのものにも、人智を超えたものを感じました。
元来、そういうことはあまり信じないタチでしたが、人に感謝しつつ、そのようなご縁に恵まれたことを、何かこう、大きくて目に見えない存在に感謝する、それが神様なのかなとも思います。
今回は、その御礼参り。
『心願成就したら、身近などこの石でも良いので3つ拾い、「五」「大」「力」を墨書して、倍返しして下さい』
という作法に倣い、自宅の庭の敷石を拾い、墨書してお返ししました。
なんだか、幸せを次の人に繋げていくような作業に思えて、心が温かくなりました。
今日の僕は「いい人」になったような気がします。気のせいですね。