LOGAN
車を運転する際に、矢印信号がやや見にくい気がするので、先日、メガネを新調する為に、かかりつけの眼科に行き、視力検査を受けました。
私と同い年の男の先生が、
「和久さん、老眼少し出てますねー」
と、意地悪く言うので、
「そんなはずはない」
と私。実際、不自由したことが無いし、まだ43歳、老眼はまだ先のこと。すると先生は、「これ見えないでしょ」と、まるで米粒に書いたような字の大きさの本を、目の前10センチ辺りにかざすから、
「見えるわけないでしょ!」
と言うと、「見えるわけないですよ、老眼だから。」と先生。ご本人も、軽い老眼が出ているとのこと。
それからというもの、日に日に見えていないことを自覚し始めたら、気になって気になって仕方がないのです。やはり、明らかにメガネを外した方が良く見える。
これが「老い」というものなのか、と、やっと自覚しました。眼科の先生に完敗です。
しかし、肩凝りなんかもそうらしいですが、あの時自覚さえしなければ、このままいけたのでは、と思うのですが、やはり私が間違っているのでしょう。日頃、威張っている人も賢いと自負している人も皆、人間誰しも自分のことが一番わからないものです。
さーて、オシャレな老眼鏡作っちゃおうかな。
解説三昧
本日は、岐阜のサラマンカホールにて、解説(20分間)を勤めました。
昨日も、宝生能楽堂の夜能にて、解説(鼎談。25分間)を勤めました。
そして、明日も、名古屋宝生会定式能にて、解説(25分間)を勤めます。
3日連続で解説を勤めるなんて初めてのこと。誤解頂きたくないのですが、決して嬉しくはありません。だって、公衆の面前でお話をするのは苦手だから。お客さまには申し訳ありませんが。本当は、逃げ回りたいくらい。
解説の前日は、緊張して眠りが浅くなります。
やっぱり、舞って謡っているのが一番大好き。
「夜能」始動
明日1月26日(金)18時15分開演「夜能」が、宝生能楽堂にて開催されます(20時15分終演予定)。
私は、18時15分よりの鼎談解説と、能『放下僧』の地謡(3番手)にて出演致します。
18時15分
鼎談解説 司会 日置貴之(白百合女子大学准教授)
18時40分
雅楽〜二つの鼓〜『太食調 合歓塩』『高麗壱越調 貴徳急』中田太三、三浦元則
19時00分
能『放下僧』シテ 山内崇生、ツレ 辰巳 大二郎他
20時05分
仕舞『巻絹キリ』當山 淳司、『山姥キリ』大友 順
20時15分終演予定
【チケット料金】全席自由3,000円、学生2,000円
今年からの新しい催しで、年7回開催(内9月の1回は特別公演)。私は、11月30日(金)の夜能にて、能『殺生石』のシテを勤めます。
また、5月25日(金)の夜能にては、能『夜討曽我』の団三郎役にて出演。
平日の夜に、気軽に楽しんでいただきたい、能楽初心者向けの新企画。
ご来場をお待ちしております!
わくわく動物ランド⑥
和金達。最初は、45センチ水槽から始めて、60センチ、90センチと水槽を大きくしたら、それに合わせてどんどんみんな大きくなりました‥。
そして、数年かけて弱い子は淘汰されていき、最終的に現在の数で安定。
なんの飾り気も無い水槽に、高級魚でもない和金を入れていますが、ボーっと眺めていると、癒されるのです。
水換えは相変わらず大変ですがね。
附祝言について
本日は、ちょっと専門的な話題を。
謡会の最後は、めでたい文句で結ぶ習慣があります。
先日の甲府・武田神社の謡初にては、留めが『紅葉狩』という鬼の能だった為、附祝言(つけしゅうげん)として、『五雲』を謡いました。『五雲』は、昭和に出来た宝生流独自の祝言小謡。「流れ久しき栄えかな」とめでたく結びます。
但し、その日の番組に他流派の方がいらしたり、会場が他流派のお舞台などのときは、『五雲』は遠慮して、他の小謡を謡います。
附祝言には、『高砂』『猩々』『難波』などが能く謡われます。もちろん、『五雲』ではなく、これらを最初から附祝言として選択して良いのですが、その日の番組内と重複する曲は避けます。
ところで、番組の最後に上記の、『猩々』などの祝言の曲が配されている場合は、重ねて附祝言を謡うことはしません。すなわち、『猩々』が留めならば、その後に『高砂』(千秋楽)の附祝言を謡う、などということはしない、ということです。この点は、誤解されている方が多いようにお見受けします。
また、めでたい文句で結んでいる場合も同様に、祝言は付けません。
さて、ここで疑問が沸くのが、後半が仇討ちの物々しい曲『夜討曽我』。「引っ立てゆくこそめでたけれ」と、表面上はめでたい文句で結んでいますが、このような殺伐とした曲で謡会を結んでも良いのでしょうか。シテの曽我五郎が大立ち回りの末、敵に捕縛されて、幕へ猛スピードで連行される時の最後の文句。これは、謡の文章を熟読するとわかるのですが、大立ち回りが進行してくると、主客転倒して、敵の立場として「めでたけれ」と言っています。
そのような背景はありますが、それとは関係無く、「めでたい」文句で結んでいるので、『夜討曽我』が番組の留めに配されていれば、附祝言は謡わなくて良いのです。16代宝生九郎師の文章としても、そのように書かれています。
甲府謡初
一昨日1月19日(金)、山梨県甲府市・武田神社の甲陽武能殿楽屋にて、恒例の謡初を致しました。
常は、屋外能舞台で稽古していますが、冬季は凍えますので、楽屋にて。
先日の久良岐能舞台にての謡初同様、声帯ポリープ切除手術後、どの程度リハビリが進むか判断が難しかった為、私は地頭に入らず、皆さんだけで謡って頂きました。皆さんのご厚意に感謝。
写真は、連吟『鶴亀』の様子。涌宝会(ゆうほうかい。私の社中会)では、常に『鶴亀』は無本(謡本なし)で謡いましょう、ということにしています。
他に、連吟『枕慈童』『紅葉狩』。そして留めに、附祝言(つけしゅうげん)『五雲』。これだけは私も同吟しました。
終演後は会食。6月1日(金)2日(土)宝生能楽堂にて開催予定の「涌宝会大会」を視野に入れて、皆さんの発表する曲をご相談しつつ、楽しい食事会でした。
花朋会舞台稽古(岡崎)
昨日、『翁』の申合せにて地謡を謡いましたが、思ったよりもちゃんと謡えなくて戸惑いました。家で、1人で稽古していると良いのですが、同吟(斉唱)で人の調子(簡単に言うと「音高」)に合わせるのはまだ難しいようで、気を入れて声を出すとむせてしまいます。
本日は日帰りで、岡崎の花朋会舞台にて、手術後初めてのお弟子さんの稽古。自分の稽古のつもりで調整しながら指導していると、だいぶ声が出るようになってきました。
明日は、『翁』の本番(月並能。シテ 宝生宗家、千歳 佐野 登)。昨日よりももっと謡えそう。こうして、少しずつ本調子に戻します。
久良岐能舞台 謡初
昨日1月11日、久良岐能舞台・宝生流講座の初日にて、謡初を致しました。
写真は、素謡『鶴亀』。他に、素謡『橋弁慶』・『猩々』。
例年ですと、私が全曲地頭(地謡の統率者)を勤めるのですが、今回は、私が声帯ポリープ切除手術後、まだ謡のリハビリが進んでいないことが予想されたため、講座生の皆さんのお計らいにより、皆さんのみで謡って頂きました。
私は、唯一の観客として見所(けんしょ。観客席のこと)で拝聴。ハラハラすることもなく、飽きずに聞かせて頂きました。私が謡わなくても、十分に謡えることが分かり、大変嬉しくなりました。今後は、少しずつこのような試みをしていくのが良いと実感。今後の発展が楽しみです。
終演後は、和気藹々とお食事会。
現在、講座生は9名。月3回木曜日の17時からお稽古しています。遅い時間帯も可能。初心者も、ご経験者も大歓迎ですので、ご興味お持ちの方は、ぜひご見学にお越しください。
お問い合わせは、当ホームページ内お問い合わせ、または、久良岐能舞台(電話045-761-3854)まで。