第13回 ユネスコ記念能 能『海人』

ユネスコ記念能

チラシpdf

 

本日よりちょうど1か月後の9月30日(金)、能楽協会主催の「第13回 ユネスコ記念能」昼の部(14時開演)にて、能『海人』を勤めさせていただきます(上記チラシpdfをご覧ください)。

「立合能(たちあいのう)」と言って、世阿弥時代からある、各流(各座)の競演。
『海人(海士)』曲中の有名な舞い処・仕舞『玉之段(玉ノ段)』を、観世・金春・金剛・喜多各流にて競演し、留めに宝生流で玉之段を含む能『海人』一番を上演します。

このような機会を与えて頂いたこと、誠に光栄に存じ、お役を頂いた1年前から、気が入っておりました。

いよいよ1か月前。本腰が入ります。

長男の凜太郎にも子方(藤原房前役)のお役を頂き、親子ともに精進いたします。
(この度の親子でのお役を頂戴したことで、能『海人』の舞台である、讃岐国・志度寺にお参りに行ってまいりました。詳しくはまた後日当ブログにて)

昼の部S席はほぼ完売のようです。他の席はまだ若干余裕があるようですので、お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。


メガネ男子

荘凜太郎
メガネ男子二人。

あまりプライベートは出さないできたのですが、たまには・・・。

 

小学4年生にしてメガネくんになってしまいました。授業中だけ使うとのこと。

私自身は、高校1年からでした。もちろん、勉強のし過ぎ(いえいえ、ファミコンのやり過ぎ)。
当時、少しショックだったのを覚えています。

凜太郎は、台風の中喜々として眼鏡を作りに行きました。
それほどいやではないようです。

きっと、父親が普段眼鏡をかけているから、憧れていたのでしょう(?)。

来月は、親子で能『海人』を勤めます。

 


能楽堂リレー公演 能『葵上』

「能楽堂リレー公演2016」

の第4夜、9月16日(金)19時開演 宝生能楽堂にて、

能『葵上』のツレを勤めます(シテ 辰巳満次郎)。 

以下のプロモーションビデオをご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=yc01Yn8REiQ&app=desktop

また、以下の毎日新聞掲載記事もご覧ください。
http://mainichi.jp/articles/20160820/ddm/014/040/017000c


能『歌占』舞台写真

去る平成28年6月19日名古屋宝生会定式能にて、能『歌占』を親子で勤めました。

 

歌占1
子方・幸菊丸 和久凜太郎

歌占2
生き別れた父親の行方を、占い師(シテ・渡会家次 和久荘太郎)に判じてもらう。まさかこれが父だとも知らず・・。

歌占3
親子邂逅の後、ツレの所望により地獄の曲舞を舞い、トランス状態のシテ。

歌占4
直面(ひためん。面を掛けないこと)

 

通常、『歌占』は宝生流では「若男」(または「今若」)という面を掛けるのですが、今回、熟考し、師匠とも相談の上、直面を選択させて頂きました。

伝書にも「直面ニテモ」とあり、過去に直面の例は数々有るのですが、いずれも年配の場合がほとんどのようです。

私は、若輩の上、『歌占』は初演ですので、「直面とは生意気」と受け取る方も恐らく少なからずいらっしゃることと思いますが、この曲のドラマトゥルギーを考えたときに、これは逆だろうと。若い役者だからこそ、面を掛けない方が効果が有ると思いました。

急死して地獄を見た後に生き返ったために、若いのに総白髪という、怪しい出で立ちでの、物売りのような登場シーンや、後半の、トランス状態で舞う地獄の曲舞、更に、神の責め苦に遭うシーンなどは、面を掛けていた方が効果が有り、また私などは面に助けられるところ(相貌が未熟の為)だと思いますが、中盤に、親子だと判明して、子を抱きしめるようなシーンでは、どうしても面が浮き、まるで幽霊の父親と対面しているように見えるのです(ちょうど『生田敦盛』の如く)。

ましてや、今回は本当の親子で勤めさせていただくという、おそらく一生に一度のチャンス。
ご批判を承知で、直面にさせて頂きました。

 

ただ後日・・・。親子が顔が似ているので、登場した途端、

 「(親子だと)バレバレじゃん。」

とある方からツッコミが入りました・・・。それではドラマになりませんわ。


NHK-FM 能楽鑑賞『歌占』 (平成28年9月11日)

来月、911()午前6時~655分、NHKFM「能楽鑑賞」にて、宝生流素謡(すうたい)『歌占(うたうら)』が放送されます。

 

『歌占』

シテ・佐野 由於
子方・和久凜太郎
ツレ・小倉 健太郎
地謡・和久 荘太郎 佐野玄宜 木谷哲也

 

ラジオ放送や素謡の場合、子方も大人が勤めるの通常なのですが、今回は、実際の子供の凜太郎が子方を勤めます。
昨日、渋谷のNHKにて無事収録が済んだところです。

放送当日は早朝のことですので、もしご都合宜しければ、予約録音などでお聴き頂けましたら幸いです。


「舞台のお知らせ」更新!

当ホームページ内、「舞台のお知らせ」を更新しました。

いくつか、新しいものが入りました。

来年のお役も、続々と決まってきておりますので、また改めてお知らせいたします。


武蔵野大学能楽資料センター 公開講座(平成28年7月25日)

去る7月25日(月)、武蔵野大学能楽資料センター主催の公開講座、

『能・狂言とゆかりの寺』(全4回)

  「泉涌寺-またまた勃発!仏舎利盗難事件」

にて、三浦裕子氏(武蔵野大学文学部教授・能楽資料センター長)のご依頼により、生駒哲郎氏(武蔵野大学教養教育リサーチセンター研究員・東大史料編纂所・図書部史料情報管理チーム)との対談(実際は、司会役の三浦氏にも入って頂いての鼎談)をさせて頂きました。

能『舎利』をテーマに、仏教学者と能役者の立場から、仏舎利(釈迦の遺骨)に関して思うところを述べました。

なぜ私のような若造に白羽の矢が立ったかというと、本年5月に『舎利』のシテ(足疾鬼役。豊田市能楽堂「さつき能」にて)、12月14日にツレ(韋駄天役。囃子科協議会にて)、と、年に2回も能『舎利』に関わるという、珍しいことが三浦氏の目に留まったから。

 

公開講座20160725①
普段人前では、座りなれないので椅子は苦手です。

公開講座20160725⑤
約330名聴講のお客様。檀上は、左から三浦裕子氏、私、生駒哲郎氏。

公開講座20160725④
韋駄天(ツレ)の持つ、打杖(うちづえ)について。

公開講座20160725③
宝生宗家蔵・舎利珠。この中のどこに牙舎利(げしゃり。釈迦の歯の遺骨)を入れるのか、と生駒氏に質問。

公開講座20160725②
能『舎利』の一節を謡う。

 

私にとっては、身に余る機会を頂き、大変勉強になりました。

人前で話をすることが得意そうに見られるのか、年々このような機会を与えられることが増えているのですが、実は大の苦手。大変な誤解、買い被りです。
正直申して、出来れば逃げたいのですが、これも能楽と宝生流の普及、また、私自身の勉強の為、と自身の心を奮い立たせて挑んでいる次第です。

以下に、本年の武蔵野大学能楽資料センター公開講座の予定を。


平成28年度 武蔵野大学 能楽資料センター公開講座

『能・狂言 ゆかりの寺』

 ◆7/11(月) 延 暦 寺 ― 戦う僧侶・悪鬼退散

   殿田 謙吉 ワキ方宝生流能楽師

   三浦 裕子 本学文学部教授・能楽資料センター長

◆7/25(月) 泉 涌 寺 ― またまた勃発!仏舎利盗難事件

   和久 荘太郎 シテ方宝生流能楽師

   生駒 哲郎  本学教養教育リサーチセンター研究員・東京大学史料編纂所 図書部史料情報管理チーム

◆9/27(火) 西本願寺 ― 生きる歴史的能舞台

   片山 九郎右衛門 シテ方観世流能楽師・公益社団法人京都観世会会長

   金子  健    文化庁文化財部伝統文化課芸能部門文化財調査官・能楽資料センター研究員

◆10/31(月)清 水 寺 ― 祈る心・籠る人びと

   野村  萬 狂言方和泉流能楽師・日本芸術院会員

   池田 英悟 本学講師・能楽資料センター研究員

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時間:午後2時40分~4時10分  開場:午後1時40分

会場:武蔵野キャンパス6号館 雪頂講堂  東京都西東京市新町1-1―20

聴講無料・予約不要

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私以外の能楽師・狂言師は、いずれも超一流の方々。
さすが三浦裕子氏。良い企画の講座です。

私は、恥ずかしい限りでしたが、何とか無事(?)勤めました。