休んで稽古

本日は、山梨県甲府の、山梨文化学園謡曲講座と、武田神社にてのお弟子さんの稽古日ですが、台風の影響による電車の運休や遅れにより、休みとさせていただきました。

 

普段ならば無理やりにでも参りますが、実は明日・明後日と大事な舞台が控えており、万が一帰りに影響があるといけないので、大事をとりました。

 

明日は、GINZA SIX内の観世能楽堂にて、「亀井広忠の会」。五流宗家揃い踏みで、宝生流は舞囃子『安宅・延年ノ舞』。私は地謡です。

明後日は、同じ会場で、「佳名会・佳広会」という、亀井 忠雄・広忠両師のご社中発表会。夥しい数の舞囃子が、宗家・名手揃いで上演されます。そんな中で、私は舞囃子3番(『百万』『箙』『融』)を舞わせて頂き、他に地謡を8番ほど謡います。

 

甲府の皆さんには申し訳ありませんが、今日はそれらの自分の稽古の時間に充てさせていただこうと思います。


やっと北区

今朝、8日ぶりに、東京都北区の自宅に帰宅しました。

さすがに、国内の出張でこんなに長いのは初めてで、海外旅行並みの荷物を3つのキャリーバッグに詰めて、常宿の名古屋のホテルに送り、用が済んだ荷物から少しずつ送り返す方式。自分では一切洗濯しません。ホテルの部屋に干す場所も無いし、そんな時間も無いので。

 

大学生の稽古、大学生の発表会の監督、素人会の申合せ、薪能、素人会、高校の合宿、桜山の稽古、という風に、今回うまく繋げることができました。

薪能(岩村城址能)では、仕舞『砧』も舞ったので、通常の紋付・袴の他に、舞用の紋付・袴も必要で、より荷物が増えました。

 

しかし、なにも仕事ばかりしていたわけではありません。合間を利用して、恩師に会いに行ったり、母・妹、古い友人、はたまた新聞記者の方などとお食事を共にしたりなど、大変有意義に過ごせた8日間でした。

毎年恒例の名東高校の合宿の日のみは、ホテルに荷物を預け、合宿所に部員や顧問と共に宿泊。大浴場では男子生徒と裸の付き合いもします。夜は花火大会と枕投げ(⁈)

 

今朝の始発の新幹線で帰京し、そのままかかりつけの病院へ。声帯ポリープ手術後の経過観察です。大変良好で安心。どんどん、もっともっと声を出しなさいと言われました。

 

そして、ただ今京急線にて横浜方面へ。月3回の久良岐能舞台講座の稽古です。

来週末には、少し休みが取れて、娘とディズニーシーへ!それまで、熱中症に気をつけて元気に頑張りたいと思います。


名古屋学生能楽連盟 8月例会

今日は、名古屋能楽堂にて、「名古屋学生能楽連盟 8月例会」という、中部地区の大学の能楽サークルが、流派を問わず一堂に会して日頃の稽古の成果を発表する催しがありました。

今年の4月から、私も愛知教育大学能楽部の指導のお手伝いをしているので、監督に参りました。

宝生流は、愛知教育大学・愛知県立大学・南山大学の3校が仕舞・連吟を発表。皆、日頃真剣に稽古に打ち込んでいることが舞台から感じられました。

連吟は、宝生流にしか存在しない稀曲『草薙』を選択して、宝生流らしいごつごつとした謡を披露。学校の垣根を超えた発表により、より連帯感を感じたことでしょう。

仕舞も若さ溢れる舞と地謡で、好感が持てました。将来の成長が楽しみです。

次回は、来年2月9日(土)に催し、舞囃子も数番出る模様。またしっかり稽古していきましょう!


NHK-FM能楽堂『烏帽子折』の録音2

今回の『烏帽子折』の録音、大変奇遇なことで、実は、来年(2019年)9月23日(月祝)「第6回 和久荘太郎 演能空間」(於・宝生能楽堂)にて、能『烏帽子折』を凜太郎の子方にて私がシテで勤めることが決まっており、そのこともあって、家元が凜太郎に今回のお役をご指名いただいたのです。

しかも、地謡は武田孝史・朝倉俊樹・山内崇生の三師にて依頼済み。今回の録音とほぼ同じメンバーです。この録音があったから、来年『烏帽子折』を勤めるのではなく、私の『烏帽子折』計画及び依頼のほうが先、という奇遇。これを好機と、またはりきって参りたいと思います。

ですから、皆様には、来月(9月9日)にラジオの音で聴いて頂いた素謡『烏帽子折』を、来年の演能空間の舞台上にて立体化した能『烏帽子折』をご覧いただく、という、2段階のご鑑賞をしていただくのが一興かと存じます。

演能空間の『烏帽子折』の間狂言(盗賊の棟梁)は、先頃、東京オリンピック・パラリンピック開会式・閉会式の演出統括責任者に選ばれた野村萬斎師。間狂言とは別に本狂言(曲目未定)も萬斎師にお願いしておりますのでご期待ください!


NHK-FM能楽堂『烏帽子折』の録音1

本日、渋谷のNHK放送センターにて、来月放送予定の『烏帽子折』(素謡)の録音でした。

 


【放送予定】

平成30年9月9日(日)午前6時~6時55分(NHK-FM)

素謡『烏帽子折』

シテ 武田孝史

ツレ 朝倉俊樹

ワキ 山内崇生

ワキツレ 和久荘太郎

若武者 佐野玄宜

子方 和久凜太郎


 

通常、素謡やNHK-FMの録音では、子方役も大人が勤めますが、今回は凜太郎(12歳)にお役をいただき、毎日稽古に励みました。

凜太郎がNHK-FMでお役をいただくのは、3回目。

1回目は、6歳で『唐船』の日本子役。小学校に入りたてで、まだ幼児のようなときでしたので、私自身が大変不安に思っていましたが、シテの金井雄資師の優しく的確なご指導もあり、なんとか無事勤めることができました。

2回目は、10歳で『歌占』。ちょうどその録音の直前に、実際の能の舞台で『歌占』の子方を2回(小倉伸二郎師と私相手)勤めましたので、これは心配なく勤めることができました。

NHK-FMの録音では、間違いが許されないので、我々本職でも謡本を見て臨みますが、前回2回とも、凜太郎は無本で臨みました。これは当然のことで、子供の稽古は謡本(能の台本)は見せずに、全て口伝(口移し)で稽古します。

ただ、今回は、『烏帽子折』の子方の謡は膨大な分量であること、また、子方とはいえ、心身と思考もだいぶ成長してきましたので、日常の稽古も徐々に謡本を見せて稽古するようになってきた、ちょうどよいタイミングであったこともあり、我々同様に謡本を使って録音に臨みました。

(続く)