『鷹姫』2回目
昨日は、新作能『鷹姫』2回目の立ち稽古。
主宰の山井綱雄師(金春流)をはじめとして、桜間金記師(金春流)、観世喜正師(観世流)、宝生和英師、ほか、コロス(岩役)の面々が揃い、一通り通し稽古。
新作能ですから、通常の能とは違って、入念な稽古が必要。ああでもない、こうでもないと相談しながら作りあげています。演出家の木村龍之介氏がいらっしゃるので、客観的に全体を見て的確な指示のもと動いていきます。
新作能に限らず、通常の能も演出家がいた方が良いのでは、と思うときが多々あります。個々の客観性に頼るのは限界があります。また、能楽師同士では、必ず上下関係が舞台上にも出てしまい、上の方が物申すと他は思うことがあっても黙るしかない、という忖度が働くことが多いのです。
ですから、能楽師ではない演出家が客観性をもって申し合わせ(リハーサル)を見て、観客の立場で忌憚ない物言いをしてもらう。これができると、もっと良い舞台をお客様にご提供できるのでは、と日頃考えています(考えているだけで、これを言うとおそらくかなりの反発が予想されるので・・・)。
我々コロスは、同吟の箇所は金春流で謡うため私は難儀します。金春流・喜多流・宝生流・ワキ方宝生流・狂言方大蔵流の面々8人の混成ですから・・・。
今日は、兵庫県芦屋市の、文化庁学校巡回公演の為、日帰り新幹線車中。つい数日前も、東京⇄新神戸を日帰りしました(TTR能プロジェクト)。ご縁があります。
ひと息
今日は、金春流太鼓方・大川典良師のご社中発表会「東耀会」(矢来能楽堂)にて、舞囃子『巻絹』を舞い、地頭3番を謡ってきました。
一昨日の能『清経』(夜能)、昨日の舞囃子『八島』(TTRプロジェクト)、本日の舞囃子『巻絹』と続いていましたので、帰宅してやっとひと息つけて、緊張がとけた感じです。
舞台の機会があることは役者として本当にありがたいことです。
次の舞台出演(装束を着けて勤めるもの)は、10月15日(金)国立能楽堂にての能『春栄(しゅんえい)』のツレです。最近はシテを勤めるよりも、ツレを勤めるときの方が神経を使って疲労するのです・・・。
明日は桐生のお弟子さんの稽古。カーシェアで車を借りて行ってきます!
『清経』ありがとうございました
昨日、「夜能」にての能『清経』、おかげさまで無事済みました。
声優の細谷佳正さんによる『清経』の朗読を聴きながら装束を着けられて、よく知っているストーリーながら心打たれて涙しました。
お客様にとっても、能を観るにあたって、より共感ができたのではないかと思います。
終演後、すぐに着物に着替えて、プレミアシートご購入の方向けのメッセージ動画の撮影、そして、10月9日より始まる昨日の夜能の有料動画配信のみで見られる特典映像の、細谷佳正さん、宝生和英さん、和久荘太郎の3人での打ち上げトークを録画しました。
話は尽きず、23時過ぎまで掛かりました。昨日の夜能をご覧になれなかった方はもちろんのこと、昨日ご来場いただいた方もぜひ動画配信をご視聴いただければと思います!
今日は、神戸市の湊川神社にてのTTR主催の催しに向かっております。
能『清経』申合せ
今朝、能『清経』の申合せが済みました。
本番は、明後日の24日(金)夜の「夜能」。
気力、気合十分、体調も万全です。これを明後日まで維持しなければなりません。休めば良いというものでもないし、この年(46歳)になると、若いときのようにがむしゃらに稽古し過ぎても必ずしも良い結果にならないし。難しいところです。
東耀会
9月26日(日)矢来能楽堂にて、「東耀会」が開催されます。金春流太鼓方・大川典良師のご社中発表会。日頃の研鑽の成果を発表します。
私は、舞囃子『巻絹』を舞わせていただきます。
他、
『春日龍神』(シテ 辰巳大二郎)
『誓願寺』(シテ 髙橋憲正)
『邯鄲 盤渉』(シテ 澤田宏司)
以上の地頭を勤めます。
他に、宝生流は、居囃子『鉄輪」(シテ 髙橋憲正)
昨年、コロナ禍により延期になったもので、今回は緊急事態宣言下ですが、徹底した感染防止対策を施して開催されるようです。
最奥『姨捨』
今日は、「田崎隆三・甫 二人の会」が催され、盛会でした。
私は、能『姨捨(おばすて)』(シテ 田崎隆三)の地謡と、仕舞『熊坂』(シテ 宝生和英)の地謡で出演しました。
『姨捨』は「三老女」の一つ。『関寺小町』『桧垣』の2番は、宝生流では素謡はやりますが、能は「不相勤(あいつとめず)」といって、明治以来上演しないことになっています。よって、『姨捨』は宝生流にとって最奥(さいおう)の曲。誰もが舞える曲ではなく、10年に一度出るかどうか、というところですので、この機会に地謡に付けていただいた事は大変ありがたいことです。
次回はいつ上演されるでしょうか・・・。
お客様も、我々演者も、能は「一期一会」です。見逃した舞台は二度と戻ってきません。映像で見ることができたとしても、それは残念ながら本当の魅力を半分も伝えることはできません。
そのつもりで我々も、一番、一番を大事に勤めるべきなのです。
響声破笛丸料
これ、「響声破笛丸料(きょうせいはてきがんりょう)。漢方薬です。
ここのところ、声の調子がずうっと良くなくて思い悩んでいましたが、これを飲んだら急速に回復!
薬局のオヤジに勧められて。飲み方も教わり、少量のお湯に溶かして、うがいをしながら飲むと良いとのこと。
箱にうたってある通り、「しわがれ声」だったのが徐々に楽に発生できるようになってきました。現在の私の症状に合致したのでしょうね。
同じような症状で悩んでいる方にオススメです。
新作能『鷹姫』に出演します
11月5日(金)国立能楽堂にて「第16回山井綱雄之會」にて新作能『鷹姫』が上演され、私はコロス役で出演致します(詳細は上記チラシをクリックしてください)。
異流合同で、シテ方5流派勢揃いし、コロス役はシテ方4流派に加えてワキ方・狂言方も参加。コロス役は、「岩」の役ですが、「コロス」→「コーロス」→「コーラス」すなわち「地謡」の役割も兼ねていて、同吟(合唱のこと)が大部分を占めています。4流派+ワキ方+狂言方で、それぞれがそれぞれの謡を主張すると全く調和が取れませんので、今回は金春流に合わせることにしましたが、私の宝生流とは全く節扱いが違いますので、これから苦労して覚えることになります。
先日、初めての顔合わせと稽古がありましたが、なんだか楽しくなりました。普段とは全く違う顔ぶれで作り上げる舞台。新鮮で刺激的です。
しかし、山井綱雄さんのバイタリティには毎度のことながら感服させられます。
舞囃子『八島』を舞います(TTR能プロジェクト企画公演「和魂Ⅷ」)
9月25日(土)湊川神社神能殿にて開催の「TTR能プロジェクト企画公演和魂Ⅷ」にて、舞囃子『八島』を舞わせていただきます(詳細は上記チラシをクリックしてください)。
「観世流VS宝生流」流儀大解剖! と銘打って、流派の比較演奏を試みる意欲的な催し。
この会にお声がけいただくというのは、私の中では大変光栄なことですので、張り切ってまいりたいと思います。
能『山姥』を舞います(12月3日金曜日 渋谷能第二夜)
12月3日(金)「渋谷能」にて能『山姥』を舞わせていただきます。
19時開演、21時終演予定。詳細は上のチラシをクリックしてください。または、以下をクリックしてください。
このチラシデザインが、この『山姥』という曲をよく表しています。山=山姥。ただ恐ろしいだけの存在ではありません。民話的な要素があり、粗野に、荒々しく表現してはいけないと考えます。人が気付かないうちに、色々なお手伝いもしてくれるような不思議な存在。
どのように作り上げていくか、試行錯誤しています。
10月3日チケット販売開始。ぜひご来場ください。