はじめてのおつかい
4日間名古屋に滞在しました。
〈1日目〉
指導している部活動・能楽研究部(名古屋市立名東高校)の夏合宿。
合宿所泊。
〈2日目〉
合宿終了。
ホテル泊。
〈3日目〉
衣斐正宜後援会能申し合わせ及び、岩村城趾薪能。
ホテル泊。
〈4日目〉
衣斐正宜後援会能。
帰宅。
只今やっと帰路ですが、久しぶりに長い出張だった為、子供たち(6歳♂と4歳♀)は、2日目の朝から、
「お父さんは?」
と頻繁に泣きそうに聞くようになったようです。
だから出発の時に、
「しばらく会えないよ」
って言い残したのに。その時は実感が湧かないのですね。
しかし、お父さんは普段こんなに人気者だったかしら?と妻。
今が人気絶頂期でしょうか…。
ところで、今朝、子供たちに
『はじめてのおつかい』
をさせたそうです。
日曜日だから通学・通勤の乱暴な自転車も少ないし、早朝の為交通量もそれ程多くないとの判断で。
兄妹2人で手をつないで、無事牛乳を買ってきたそうです。
お店では、牛乳の場所がわからなかったようですが、店員さんに聞くことができて、お財布からお金を出してお釣りをもらい、威風堂々と凱旋したとのこと。
幹線道路の明治通りを歩くことを想像するとかなりハラハラしますが、なんとか無事で良かった!
しかしうちの妻も、肚が据わってるなあ。
浴衣会
恒例の浴衣会(名古屋・岡崎会員)を催しました。
5月の東京(矢来能楽堂)の大会に参加出来なかった方々の為に、稽古会形式で。
『羽衣』の連吟に始まり、仕舞多数。
今回から仕舞の地謡も謡ってもらうことにしました。
みな程よい緊張感を味わいました。
終了後はちょっと高級な仕出し弁当で懇親会。
お酒は無しで、緑茶で乾杯!
年齢を越えて、大いに盛り上がりました。
また来月の伊勢神宮奉納に向けて、夏バテなんか忘れて、元気よく行きましょう!
新作能の意義 2
(つづき)
私は別に新作能推進派ではありませんが、このような経験を若い内にさせていただけることは、滅多にない大変幸せなことです。
普段、能一曲を作り上げるのに、独りで稽古、稽古、のみでいくと、どうしても「技術」を職人的に突き詰めることばかり考えて、視野が狭くなるのは否めません。
過去に拝見した先達の舞台を思い返したり、文献に触れたりして視野を広げる努力はしますが、なぜ此処の型はこう動くのか、どうしてこう謡うのか、というところまでは、あまり考えが及びません。
しかし、今回の経験によって少し目が開かされ、古典の既存の能の作られていく過程や、年月により無駄が削ぎ落とされていく過程、また、作者の意図や役柄の立場・全体のバランスなどに、改めて考えをめぐらすことができそうです。
以前は、他流派の新作能をただの「話題集め」くらいに考えておりましたが、満次郎師演出の『マクベス』『六条』そして今回の『散尊』などの、きちんとした「能の演出」に則った新作能に参加するにしたがって、その意義を感じるようになってきました。
お客様には楽しみにしていただきたいと思いますが、私自身も当日が楽しみです!
新作能の意義 1
8月21日(火)国立能楽堂にての、新作能『散尊(サムソン)』の稽古が、順調に進んでいます。
当ブログ(5月20日)でもお知らせした通り、シテのサムソンは辰巳満次郎師、通常の能ではワキに相当する役柄のミルトンを金井雄資師、ツレのデリラを私が勤めます。
先日の下申し合わせでは、長々のセリフをスラスラと謡いこなした金井師はさすが。直面(能面をかけない)の盲目という、類例の無い役柄を既に雰囲気たっぷりに作り上げています。
はたまた満次郎師は、ただでさえ常人では考えられないほどの多忙の中、シテとツレの謡と型を、大変面白く作り上げました。
下申し合わせ終了後の、作者や演出家の新しい注文に対しても、的確な面白い演出のアイディアがポンポン飛び出てくる満次郎師の頭の中は、いったいどうなっているのでしょうか。
ところで、私ことデリラは、通常の能の稽古の通り、出来上がった型付(台本・演出書)に従って、作者・演出家の意図を汲み取って演じるのみですが、既存の古典の能と明らかに違うのは、過去に誰一人としてこの役を演じていないということです(当たり前ですが)。
大袈裟に、誤解を恐れずに言うと、何しろ私が世界で初めてこの能のデリラという役を演じるのですから、「手本が無い」という不安はありますが、型付に制約された中で、演技を自由にふくらますことができる面白さがあるように感じます。
(つづく)
8月14日ライブハウスにて
来る8月14日(火)17時半、六本木のライブハウス「スイートベイジル」にて、以下の催しに出演します。
『能楽Lab「能楽・日本むかしがたり」―羽衣―』
【出演】
舞:佐野登
謡:和久荘太郎
笛:一噌幸弘
小鼓:森澤勇司
語り:田村亮
子ども~おとなまで 伝統の先っぽを体感するSummer Live!!
読み聞かせエンターテイメント、日本むかしばなしを能楽の世界からご招待。日本再発見の極上ライブ登場!!
いつもは大人の空間のスイートベイジルが、夏休み特別企画で子どもも参加できるライブを実施!
真夏の夜を和風ライブでお過ごしください。
「羽衣」の物語を能と語りと音楽のコラボレーションでお届けします。
まるわかりではない、わかりやすさ、
親切すぎない、親切さ、
知らなかった「能」の印象が変わるかも?
日本の伝統の世界への入口、能楽Labのニューラインナップ、これを機会にぜひ、体感してください。
チャージ料金
大人:4,000円
子ども:2,000円(3歳~中学生)
ドアオープン:16:30
スタート:17:30
地下鉄日比谷線・大江戸線「六本木駅」下車3番出口を出て右方向に進み、アマンドの角を右折。芋洗坂を約50m下った右手。
私も、このようなコラボはほぼ初めての体験で、どのようなものになるか、楽しみにしております。
大人ひとりでも、お子様同伴でも楽しめる内容になりそうです。
ぜひお運びください!
※チケットご希望の方はこちらまで。