サイン・コサイン・タンジェント

人生で、初めてサインを頼まれました。

 

いえ、クレジットカードとか、宅急便受け取るときの、あれじゃありません。

例の、有名人がサインペンでサラサラと色紙や、差し出されたTシャツに書く「あれ」です。

不意をつかれたので、嗚呼、日頃から練習しておけば良かった、と悔やまれます。かのジャイアンも、いざというときの為に、日頃からサインの練習をしていました。

 

確かに、能楽師は芸能人であり、私は「東京芸能人国民健康保険組合」なるものにも所属しているのですが、サインを求めて頂いたのは初めて。

よくある、絵やハートなどと組合わせたような、何が書いてあるんだかわからない、チョットカッコいいものをサラサラ書いてしまおうかと思いましたが、4枚求められましたので、1枚目は適当に書けても、二度と同じものは書けないから、4枚とも全く違う仕上がりになってしまうだろうと瞬時に判断し、私なりの丁寧な文字で、フルネームを直球勝負で縦に真っ直ぐ書きました。

あて名も書いてほしいとのこと、よくありがちな「◯◯さん江」の「江」というのはなんだかこっぱずかしいので、きちんと「◯◯様」と硬派に。

 

あのタレントなんかが書く、ミミズがのさばったようなそれらしいサインは、皆さん自分で一生懸命、あーでもないこーでもないと考案するのですかね?なんだか、それもチョット恥ずかしいような‥。しかも、どの時期に?ちょっと売れ始めて、そろそろサイン頼まれるかなぁ、という時期に、色紙を山ほど購入して、ジャイアンのように密かに練習するのでしょうか。そして、誰もサインを求めてくれなかったら‥。

 

多分、そういうのを専門に考える方がいらっしゃるのでしょう。いや、そう信じたい。(私のも考えてほしい‼︎)

 

しかし、次回からはちゃんと書けるように用意しておかなければ。その次回はいつ来るのかわかりませんが。

いやまてよ、もし他の人(能楽師)が、同じように悩んでいたら、「そんな暇があったら(本業の)稽古しろ」と言ってしまうかも。

 

やはり、私は硬派の直球勝負サインでいこうと思います。


松島 遊覧船

前回の投稿にて、名東高校能楽研究部の、みやぎ総文祭出場をご報告しました。

その本番の前々日に、総合リハーサルがあった為、都合3日間、宮城県多賀城市に高校生と顧問の先生方と共に滞在しました。

中日の2日目は、やはり朝から全員が稽古に励んでいましたが、舞囃子『船弁慶』の、既に高校生として出来る範囲のことを更に乗り越え、あとはベストコンディションで、心を落ち着けて本番を迎えることが最上と判断し、午後は皆の緊張を解きほぐす為に、松島の遊覧船観光を提案しました。

 

みんな、緊張のほぐれた良い顔!

翌日の本番は、最大の力を出し切ることが出来ました。

 

ところでこの写真、私の例の、得意の自撮り棒にての作品。この自撮り棒の欠点は、撮影者の顔が一番大きく撮れてしまうこと。(実際、一番大きいのですがね)

 

いやしかし、だんだん私の子供世代になってきました‥。


みやぎ総文2017(名東高校能楽研究部)

本日、宮城県多賀城市の多賀城市文化センターにて、みやぎ総文2017(第41回全国高等学校総合文化祭)の日本音楽部門に、名東高校能楽研究部が出場しました。

 

今年1月の愛知県大会にて舞囃子『鞍馬天狗』を披露し、上位2校の内に選ばれ、今回の全国大会の出場権を得ました。

今回は、舞囃子『船弁慶』。平知盛の幽霊が、長刀を持って義経一行の舟に襲いかかる能『船弁慶』のクライマックス。シテ・子方・笛・小鼓・大鼓・太鼓・地謡の全ての役を、高校生のみ、計14人で演じました。

 

本番、素晴らしい出来。たった数ヶ月で、高校生にここまで出来るものなのか、と、部員一人一人の、物事の吸収の早さと表現力、高校生らしい一致団結した力に、心から感動して、不覚にも涙しました。

彼等にとって、素晴らしい人生の思い出の1ページとして、心に刻まれることでしょう。

 

いいなあ、「若さ」って!