第2回演能空間 S席完売
来る9月21日(日)の第2回演能空間、S席チケットがお陰様で完売しました。
A席(正面ボックス席)も残り僅かです。
A席(脇正面)及び、自由席はまだ余裕がありますが、500円引きの「早たろう割」は、9月5日(金)までとなっていますので、出来るだけ早いお申し込みをお待ちしております。
広忠の会 能『井筒』(11月30日 日曜日 14時開演 矢来能楽堂)
11月30日(日)14時開演「第7回 広忠の会」(於・矢来能楽堂)にて、能『井筒』を勤めさせていただきます。
「広忠の会」は、ご存じ、葛野流大鼓方・亀井広忠師が主催する演能会。囃子方が個人演能会を主催することは大変珍しく、舞台・私生活共に全力投球の広忠師ならでは。「広忠師」などというのは照れくさく、彼とは高校終わりの東京藝術大学受験時からの旧友で、同い年(今年満40歳)。
彼は、葛野流大鼓方宗家で人間国宝の亀井忠雄師を父、歌舞伎囃子方先代家元・田中佐太郎師を母に持つ、伝統芸能のサラブレッド(弟君お二人は、現田中流家元・田中伝左衛門師と伝次郎師)。
かたや、私は全く能とは関係のない家に生まれ育った無頼人。そんな私がおこがましくも、彼のことをずうっとライバルと目して、この道に精進してきました。
高校生で初めて出会ったときには、既に彼は当然この道で名前・実力ともに認められて、稼ぎを持っていました。
しかし、そんな先を行く彼に追いつけ、追い越せという気持ちを持ち続け、彼の存在や言葉のお蔭で、芸の面、その他で引き立ててもらったと思っています。
そんな広忠師が、今回3回連続公演で、観世流・宝生流・喜多流の同世代若手3名に、大曲を舞う機会を与えてくれます。
1日目は、11月29日(土)梅若能楽学院会館にて、能『朝長』シテ 坂口貴信師(観世流)
2日目は、11月30日(日)矢来能楽堂にて、能『井筒』シテ 和久荘太郎(宝生流)
3日目は、12月2日(火)銕仙会能楽研修所にて、能『山姥』シテ 大島輝久(喜多流)
坂口・大島両師とも、流儀は違えど、これまた私がライバルと見ている2人(片想いかもしれませんが)。
日にちは違いますが、立会能(たちあいのう)と受け止め、負けるわけにはいきません(既に負けてるかもしれませんが)。
私の『井筒』もさることながら、『朝長』『山姥』も、通常では若手には許されない、「超」の付く大曲。広忠師も、プロデューサーとしてずいぶん思い切ってくれました。
『井筒』の能は、他流では案外若いうちに勤める機会があるようですが、宝生流では「奥伝物」として大変大事に扱われています。30代で勤めることはまずあり得ませんが、11月13日が誕生日の為、演能当日の11月30日には40代になっていることや、流儀以外からご依頼いただいたお舞台、ということもあり、家元と流儀長老のお計らいにより、今回特別にお許しを頂きました。世阿弥の名曲『井筒』、現時点での私を全て投入し、大事に勤めさせていただきます。
チケットは、9月9日(火)より発売開始。全席指定席(8,000円)で、ご予約時に先着順にてお席をお選びいただきます。
お問い合わせ、お申し込みは、和久荘太郎ホームページまたは、三響会(電話03-3542-2800 平日12時から17時)まで。
座席数が少ないため、早目のご連絡をお待ちしております。
NOH-AGE
今月(8月)31日の日曜日、渋谷の東急セルリアンタワー能楽堂にて、宝生流宗家・宝生和英師主宰の「和の会」が主催する、「NOH-AGE(ノウ・エイジ)」にて、仕舞『藤戸』とテーマトークを勤めます。
詳細は、上記チラシをご覧ください。
ご来場をお待ちしております。
新作能『覇王』
来る8月23日(土)17時半開演、岩村城藩主邸跡にて、恒例のいわむら城址薪能が開催されます。
今回、第30回ということで、地元の女城主・秋山修理夫人に因んだ新作能『覇王』を初上演いたします。
私は、この「修理夫人の幽霊」役(ツレ)を勤めます。
シテの織田信長役は、この『覇王』を監修・節付・演出を兼ねた、辰巳満次郎師。
森蘭丸役に、辰巳大二郎師。
能の一般的な分類に当てはめるとすると、『覇王』は、現在物(四番目物・雑能)でしょう。
この現在物に、修理夫人は、幽霊として、謎の病(修理夫人の怨念)に倒れた信長の寵臣・森蘭丸を見舞った信長の前に現れ、信長を金縛りにかけ、生前の恨みを述べます。能の常である、最終的な「成仏」を(表面的には)省いた、能の常道を逸した作品。怖いですね。これも新作能ならでは。
満次郎師曰く、能として演ずることにより、鎮魂をすることになります。
しかし念の為、明日早朝に、修理夫人を弔うお寺にお参りに行ってきます。
「勤めさせていただきます」とご報告に参ります。
上演を来週に控えて、各役熱が入ってきました。
ぜひご来場ください。
詳細は、上記チラシをご参照ください。
豊田市能楽堂中学生鑑賞教室・MOA美術館薪能
昨日、今日と2日間、愛知県の豊田市能楽堂にて、中学生の能楽鑑賞教室に出勤し、宝生流は4回、能『船弁慶』を上演しました。
名古屋出身の3名(衣斐愛・内藤飛能・私)と東京からの水上優師の若手4名で、1回ずつシテを勤めました。
このような機会は、我々若手の役者の勉強になるのはもちろんですが、子供達に能に触れる機会を持たせてくれる、毎年のこの催しは素晴らしいと思います。税収の多い豊田市ならではの事業でしょうが、全国のたくさんの自治体が、このように文化活動に力を入れてくださると良いですね。
少しでも若いうちに、まずは自国の文化を少しでも知って、将来外へ出た時に、外国人に胸を張って、日本にはこういう素晴らしいものがある、ということを伝えてほしいと思います。
明日は、MOA美術館薪能(熱海)。海を借景とした舞台の、夕暮れ時の美しさと言ったら!
能は『百萬(ひゃくまん)』(シテ 渡邊荀之助)と『岩船(いわふね)』(シテ 辰巳満次郎)。
凜太郎が、『百萬』の子方を勤めます。私は地謡。
昨年も、ここで『鶴亀』の亀役を勤めましたが、野外能ということもあり、父は心配、心配。