疲れません

昨日は、山形県の庄内能楽館と希望ホールにて、40周年記念の大きい催し。今朝一番で羽田空港に戻って京急を乗り継いで水道橋に向かい、明日に控えた夜能『藤戸』の申合せ。その後一時帰宅して紋付を乾したり、折りよく帰宅した娘と戯れたりして、ついでにリクガメとフトアゴヒゲトガゲにもエサをやって、再び京急にて今度は久良岐能舞台へ向かい、お弟子さんの稽古。そして今22時半、やっと帰途につきました。

 

連日こんな調子でも全く疲れを知りません。それは、夜遅い時間のお付き合いを控えてしっかりと寝ているから。「付き合いの悪いやつ」という風評が立っていると思いますが、私もそう思います。でも、これだけは信じて下さい。「本当はご一緒したい」のです。でも、「家族第一」の為に「健康第一」。4、5年前の本厄のあたりは体調不良の日々でしたが、最近やっと自分の身体との付き合い方が分かってきました。優先順位を変えるだけで、こんなに日々充実するとは。40歳になった私に教えてあげたい。

 

逆流性食道炎、無呼吸症候群のケがあるので、お酒は20時過ぎたら飲みません(飲むときは、20時まではいっぱい飲みますけどね)。特に炭酸は控えます。寝る前3時間は食べ物も口にしません。身体の左を下にして寝ます。

これらを守って睡眠計測アプリで測りつつ寝ると、多少短い睡眠時間であっても、長い時間深い眠りについていることがわかります。

 

皆さんそれぞれが様々な健康法をお持ちかと思います。お健やかに!


津島・天王川公園の藤

名古屋出張の合間に、津島祭りで有名な、天王川公園の藤を見に、例のカーシェアを使って強行軍を敢行しました。

残念ながらまだ三分咲き。「九尺藤」という名ですから、これが満開だと3メートルくらいの長さで風に揺れるそうです。

 

それでもきれい。

 

こちらは満開。「たおやか」、というよりも「たわわ」なぶどうのよう🍇

 

当然独りだったので、団体客の写真を撮ってあげた代わりに撮ってもらいました。

 

優雅な生活に見えますが、この後このまま名東高校能楽研究部と愛知教育大学能楽部の稽古。そして車を名古屋駅に返して、最終新幹線で帰宅!なかなかの強行軍でしょ。


『志賀』有難うございました

昨日、五雲会にて能『志賀』を、皆様のお陰でなんとか無事勤めました。ご多用中や遠路のご来場、誠に有難うございます。

 

当日お客様に、6月16日(日)名古屋宝生会定式能『草紙洗』シテと、6月29日(土)豊田市能楽堂『芦刈』シテ、8月17日(土)硯修会『熊野』ツレのパンフレットを挟み込みさせていただきましたが、「名古屋のチケットはここ(宝生能楽堂)で買えますか」と、数名の方から早速宝生会事務所にお問い合わせいただいたようで、大変嬉しく思います。チケットをご用意しておけば良かった、と悔やむばかりですが、パンフレットに記載の連絡先、または当ホームページ内「お問い合わせ」までご連絡頂けましたら、ご用意致しますので、ご遠慮なくお申し付けください。

 

またのご来場を心よりお待ちしております。


失せ物

今日は朝から、明後日五雲会『志賀』の申合せ。終了後、回転寿司で栄養補給して散髪に行き、先ず洗髪された後、いつもの如く謡を覚えながら散髪されようと、一度預けた鞄を出してもらいに行ったら、なんと謡本の入ったポーチが見当たりません!

狼狽して、頭はビショ濡れのまま、「ちょっと失礼!」と美容院を走り出て、さっき立ち寄った回転寿司屋さんに走って行き店長さんに聞くも見つからず、能楽堂に電話して内弟子さんに探してもらうも見つからず、妻に電話して自宅を探しても見つからず‥。

散髪を終えて、念の為歩いた道を戻り能楽堂を探しても、急ぎ帰宅して自分で探してもとうとう見つかりませんでした。

 

久しぶりに失せ物をしてしまいました。しかも、仕事の道具で、長年の様々な書き込みがある大事な謡本。なんと、その中に、明後日舞う『志賀』も入っているのです。

まあ、全部覚えているので大丈夫です(というのはあまりにカッコつけ過ぎか‥)。しかし、いつかは忘れていくものですから、我々は常に謡本を持ち歩いているので、その分失くすリスクも大きいのです。

幸い、書き込みの大事な部分(「型付(かたつけ)」と言って、舞の動きを書いた伝書のようなもの)は、必ず二箇所に書き付けているので、自宅の大きい謡本には残っているのですが、無くした持ち歩き用の小さい謡本は、大変愛着のある、初心を振り返ることが出来るようなもの。約30年前、高校1年生の時にこの道を志したときに、両親に負担をかけまいと朝刊の新聞配達をして貯めたお金で買ったもの。桐箱入りで180冊揃った和綴じの豪華な作りで、当時20万円位かと。

 

失くしたポーチには、近いうちに勤める曲が全部入っています。『草紙洗』『芦刈』『当麻』『熊野』などなど9冊。

フリース素材のオレンジ色の派手なポーチです。もしどこかで拾われたらご一報お願いします!御礼ははずみますよ!


志賀明神参詣

(続き)

2月末の京都囃子方同明会出演の折に、前日の申合せ終了後、得意のカーシェアリングを利用して大伴神社(志賀明神)に参詣してまいりました。

京都から険難な山道を超えて滋賀県側に降りて、「まさかこんなところに」というような場所に彼の神社はありました。助手席に後輩の田崎甫さんに同乗してもらったのでなんとか行けたようなもの。もし私一人だったら、途中で引き返していたことでしょう(前回の投稿の私が入り込んだ写真は、甫さんに撮影してもらいました)。

 

大伴神社の鳥居。

 

例にもれず、謡曲史跡保存会による立て札。

社殿は、残念ながら手入れが全く行き届いていない状態の為、撮影は憚られました。『志賀』の能を勤めさせていただくことの御礼を述べて拝んでまいりました。

このように、「神様」系や「幽霊」系の能を勤めるときは、できる限りゆかりの神社仏閣やお墓にご挨拶に伺うようにしております。

 

そして、翌日の京都囃子方同明会能当日、ホテルから京都観世会館へ向かうべく、武田孝史氏・澤田宏司氏・田崎甫氏と地下鉄駅へ向かって歩いていると、なんと祇園祭の有名な山車の一つ、「黒主山」の収蔵庫が!

今は高級マンションの中に大事に収められています。

 

今年は、つくづく大伴黒主さんにご縁がある、と実感します。実は、今年6月16日(日)名古屋宝生会定式能にて、能『草紙洗』を舞います(詳細は後日当ブログにてご覧ください)。私自身は小野小町役ですが、相手役のワキは大伴黒主。史実ではないのに、お名前の「黒」という文字からの連想か、『志賀』では清新な神様ですが、『草紙洗』では悪役に仕立てられてしまっています。

現在は、『志賀』と『草紙洗』を並行して稽古している状況。複雑な気持ちですが、申合せ(リハーサル)は明後日木曜日。そろそろ『志賀』に集中して稽古して、神様力を高めたいと思います。


能『志賀』を舞います(4月20日土曜日・五雲会・宝生能楽堂)

来たる4月20日(土)五雲会(宝生能楽堂)にて、能『志賀』を舞います。

『志賀』は、宝生流のみならず、他流でも稀曲のようですので、ぜひご高覧頂きたいと思います。

『高砂』『弓八幡』『養老』などと同様の本脇能。この曲も本脇能の常道を外れず、前シテは尉(老人)で、若い男(ツレ)を伴って登場。後シテは、やはり例にもれず、若い男神の姿で登場し、激しい神舞を舞います。

シテは、六歌仙の一人である、大伴黒主(おおとものくろぬし)が、没後祀られて神格化された、志賀明神。桜満開の志賀山に、颯爽と現れます。

正午開演の最初が『志賀』です。他に、能『巴』今井 基、能『小塩』渡邊 茂人、狂言『文荷』。

番組の詳細は、こちらをご覧ください。

入場料は、一般5,000円、学生2,500円。チケットのお求めは、当ホームページ内【お問い合わせ】または、宝生会(03-3811-4843)まで。

『志賀』を舞うにあたって、先々月に、志賀山の「大伴神社」にお詣りしてまいりました。

(続く)


恒例の素謡会

去る3月31日(土)神谷舞台にて、恒例の「東京涌宝会素謡会」を催しました。上は、『七宝』『鶴亀』の様子。息子と娘にそれぞれシテ、ワキを謡わせ、参加者全員で『七宝』続けて『鶴亀』を無本にて謡いました。

涌宝会では、ベテラン、初心者を問わず、『鶴亀』は無本、と決めております。こうして回数を重ねるうちに、謡本に頼らずとも謡えるようになってくるものです。

 

これは、『草紙洗』の様子。最前列が立衆、2列目がシテ・子方・貫之・ワキです。

 

 

素謡のみ10番程の会。これを、昨年までは私一人で地頭をしていました(予算の都合上です)が、参加者が増え(て予算に少し余裕ができ)た為、今回、辰巳和磨師に半分の曲を謡って頂きました。少し休むことができて、本当に助かりました!

 

終演後は、屋形船を経営する向かいの寿司屋にて懇親会(反省会ではありません)。名古屋・米沢・塩尻・甲府・前橋などの遠方からもご参加頂き、各地交流ができたようで、良い会になりました。

 

年一回の大会とは別に、このような小さい会で細かいご指導もしてまいります。