志賀明神参詣

(続き)

2月末の京都囃子方同明会出演の折に、前日の申合せ終了後、得意のカーシェアリングを利用して大伴神社(志賀明神)に参詣してまいりました。

京都から険難な山道を超えて滋賀県側に降りて、「まさかこんなところに」というような場所に彼の神社はありました。助手席に後輩の田崎甫さんに同乗してもらったのでなんとか行けたようなもの。もし私一人だったら、途中で引き返していたことでしょう(前回の投稿の私が入り込んだ写真は、甫さんに撮影してもらいました)。

 

大伴神社の鳥居。

 

例にもれず、謡曲史跡保存会による立て札。

社殿は、残念ながら手入れが全く行き届いていない状態の為、撮影は憚られました。『志賀』の能を勤めさせていただくことの御礼を述べて拝んでまいりました。

このように、「神様」系や「幽霊」系の能を勤めるときは、できる限りゆかりの神社仏閣やお墓にご挨拶に伺うようにしております。

 

そして、翌日の京都囃子方同明会能当日、ホテルから京都観世会館へ向かうべく、武田孝史氏・澤田宏司氏・田崎甫氏と地下鉄駅へ向かって歩いていると、なんと祇園祭の有名な山車の一つ、「黒主山」の収蔵庫が!

今は高級マンションの中に大事に収められています。

 

今年は、つくづく大伴黒主さんにご縁がある、と実感します。実は、今年6月16日(日)名古屋宝生会定式能にて、能『草紙洗』を舞います(詳細は後日当ブログにてご覧ください)。私自身は小野小町役ですが、相手役のワキは大伴黒主。史実ではないのに、お名前の「黒」という文字からの連想か、『志賀』では清新な神様ですが、『草紙洗』では悪役に仕立てられてしまっています。

現在は、『志賀』と『草紙洗』を並行して稽古している状況。複雑な気持ちですが、申合せ(リハーサル)は明後日木曜日。そろそろ『志賀』に集中して稽古して、神様力を高めたいと思います。