カバンの中身 1


パーマンバッヂをかたどったタブレットケース(フリスク入れ)。
以前、親戚の子供達とうちの一家で、川崎市の「藤子不二雄ミュージアム」に行った時の、自分のおみやげ。
帰りのバスの中、我慢出来ずに開封して、早速フリスクを移し替えていたら、5歳の息子に、
「お父さん、みんな見てるよ、恥ずかしいからやめてよ!」
と諌められた、思い出の逸品。
父の権威失墜。


七寳会の誕生とその歩み(辰巳美也子著)

「七寳會の誕生とその歩み」という著作を、辰巳満次郎師の叔母君・辰巳美也子さんが上梓されました。
美也子さんは、故辰巳孝師の妹君。
私自身高校生の時に、この道に進む為、東京芸大を受験するにあたって、孝先生の内弟子のように先生の鞄持ちで、京都・大阪・名古屋・神戸・東京などのお稽古場をついて回った時期があり、受験間際には、先生の大阪・寝屋川のお宅で3日間ほど泊まり込みでお稽古していただきました。
その折に、美也子さんには子供のように大変可愛がっていただき、3人で炬燵を囲んで、ご出身の金沢の郷土料理を振る舞っていただいたことは、いくら忘れっぽい私でも、きっと一生忘れることは無いでしょう。
現在でも、美也子さんには変わらずお目をかけていただき、何の後ろ盾も無い私としては、高校生のような子供の頃から温かく見守って下さる方がいるというだけで、とても心強く思います。
そんな美也子さんが纏められた、大阪唯一の宝生流の定期能団体「七宝会」の歴史。ご本人もお書きになっていますが、辰巳家の歴史に触れずしては書くことのできない、大変興味深い内容。
満次郎師の曾祖父君にあたる、辰巳孝太郎師のエピソードから始まり、連綿と続く辰巳家の華々しい、名人・上手や、著名人との交流。
その華々しさの裏の、孝一郎・孝と続く、パイオニアとしての苦労。
それらを、我々世代が身をもって知ることの出来ない関東大震災や、第二次世界大戦の悲惨な状況と絡めて、しかしどこか明るく生きていく雰囲気があり、懐かしいと感じる方もいらっしゃることでしょう。
辰巳家をご存知無い方、戦争を知らない方でも、飽きずに読破できる一冊です。
我が涌宝会会員には既にお薦めして、沢山の方にご購入いただき、好評を博しています。
ご興味のある方は、こちらまでお問い合わせ下さい。


父の日

先日6月17日(日)の父の日は、幼稚園の父親参観日でしたが、私は名古屋宝生会定式能で『是界』のシテを勤めていた為、残念ながら欠席し、男親ばかりの中、激しい親子体操も妻が代わりに頑張ってくれました(今年に限らず、今後毎年重なるのです)。
『是界』を無事勤め、深夜に帰宅すると、机に手紙が置いてありました。

そうたろうさんへ おしごとがんばってください だいすき なごやたのしみですね だいすき どうじょうじのかねつくってください だがしやさんいこうね つるかめがんばるね 凜太郎より
泣かせてくれました。
しかし、「そうたろうさんへ」って…。
「なごやたのしみですね」は、来月、名古屋の母、妹夫婦の元へ、凜太郎と初めて二人きりで新幹線に乗って遊びに行くのです。
初めての二人きりの旅行とあって、父の方が緊張しています。
「どうじょうじのかねつくってください」というのは、数年前私が『道成寺』を披演した時に、私の『道成寺』のビデオを見て、凜太郎(当時2歳)が乱拍子から急之舞、また鐘入り(釣り鐘に飛び込む)までをよく真似していたので、親バカな父が、段ボールで凜太郎用の鐘を作って、家の天井から吊して、落として飛び込む遊びをしていたのを覚えているようです。
また作ってやるか。前よりも大きな鐘を。
「こんどだがしやさんいこうね」は、おなじみの、自分の要求を手紙に巧みに書き込む高級テクニック。
父親心をくすぐります。
「つるかめがんばるね」は、再来月8月2日、MOA美術館薪能にて、『鶴亀』(シテ 小倉敏克)の「亀」役を水上達君(鶴)と勤めることを言っています。
このまま、いつまでこんな子供でいてくれるのでしょうか。
今になって自分の父の気持ちが少しわかったような気がします。


和久荘太郎演能会チラシ



和久荘太郎演能会チラシが完成しました!
まだ、出演をお願いしている能楽師と、ほんの一部の方にしか配布していません。
だって、来年の9月22日(日)のことですから。
先日の、『是界』を勤めた名古屋宝生会定式能においては、先行して配布させていただきましたが、誤解を招くおそれがあるので、広く配布するのは本年9月を過ぎてから、と考えております。
先んじてもらっていただける、という方は、お名前・ご住所・部数をこちらまでお知らせいただけましたら、郵送いたしますので、ご遠慮なくお申し付け下さいませ(^_^)/


湯井麻里子さん

「森の会」に行ってきました。
東京芸大の生田流箏曲卒業生による演奏会で、第53回。歴史がありますね。
私の芸大時代の同級生・湯井麻里子さんからのご案内をいただき、この日を楽しみにしていました。
他にもよく知っている面々が…。湯井さん以外の同級生や、助手仲間、元助手仲間、芸大の現役学生などなど。
あまりこのブログでは書きませんが、私、昨年から東京芸大の助手で週2日勤務しており、良い仲間に支えられて、2年目に入りました。
分野は違えど、同級生や、普段何気なく会話している人が、本業の舞台演奏で底力を見せると、私も芸人として大変良い刺激になります。
湯井さんとは、性別を越えて芸論を交わすこともしょっちゅう。
湯井麻里子さんのホームページはこちら
実力派です。応援して下さい!


ニシス

「ニシス」という言葉を、今日生まれて初めて耳にしました。
帰宅途中、地下鉄から地上に上がる階段で、前を歩く女の子が、携帯電話片手に「今 ニシスー」と。
私宅の最寄り駅が「西巣鴨駅」なのです。
がっぺんむかつきました(by 江頭2時50分)。
いや、私が時代から取り残されているだけかもしれません。
昔から略称というのはあったようですね。
能『安宅』や『黒塚』に登場する「同山(どうやま・同行山伏)」というのも、いつから誰が言い始めたのか(楽屋用語ではありますが)。
考えたら、「ケータイ(携帯電話)」だっておかしなものです。
「携帯灰皿」だって、
「携帯トイレ」だって
「ケータイ」と呼んで良いのではないでしょうか。
ところで、今は生活必需品の一つに成り上がった、
「スマホ」は、
「スマートフォン」
の略称のはずですが、なぜ
「スマフォ」または、
「スマフ」
でないのでしょうか。
人名の場合は、略称がかっこいいと愛称になって良いですね。
古くは
「阪妻(阪東妻三郎)」
「勝新(勝新太郎)」
最近だと
「キムタク」
「辰満(?)」
これが、
「わくそう」または「わくそ」
では格好がつきません。
くやしいです!


明日名古屋能楽堂・能三昧

明日6月9日(土)は、名古屋能楽堂にて3つの催しに関わっております。
○若鯱研究発表会(10時~12時過ぎ)
○若鯱能(13時~17時)
○名古屋宝生会ワークショップ(18時~19時半)
無駄が無いですね。
若鯱研究会は、玄人の卵として名古屋養成会に所属する若い子達の発表の機会。
宝生流は、舞囃子『放下僧』江渕陽三・『田村』小林陸、仕舞『鞍馬天狗』佐藤健太朗の出演。
私は東川尚史・内藤飛能と共に地謡を勤めます。
入場無料ですから、ぜひお越し下さい。
若鯱能は、若手玄人の異流合同の催し(入場料 一般2,000円、中学生以上の学生1,000円、小学生500円)。
宝生流は、能『野守』(衣斐愛)。若鯱研究会に引き続き、私も地謡(地頭)を勤めます。
他に喜多流能『経政』、金剛流能『桜川』、和泉流狂言『寝音曲』。
そして、名古屋宝生会ワークショップは、今月6月17日(日)名古屋宝生会定式能(能『杜若』宝生和英・『是界』和久荘太郎)鑑賞に役立つ事前講座。
『杜若』の解説を内藤飛能、『是界』の解説を私がいたします。
そして、今回は久しぶりに、装束着けの体験をしていただきます!
詳細はご来場になってのお楽しみに。
こちらは、入場料1,000円です(年間チケットをご持参の方は無料)。
朝から全部参加する旨表明なさっている方も幾人かいらっしゃいます。
ご都合のよろしい時間だけでも、ぜひお運び下さいませ!


大会終了

先日5月26日(土)涌宝会大会、つつがなく終了しました。
辰巳満次郎師をはじめとしたシテ方の先生、囃子方の先生の心のこもったご助演により、会員一同気分良く舞台を終えたようです。
神楽坂の「別邸 鳥茶屋」にての懇親会では、先生方にもご同席いただき、会員も普段お近づきになれない能楽師と和気あいあい。
会主の私からご挨拶させていただき、辰巳満次郎先生の心のこもったお言葉と、景気の良い乾杯のご発声を頂戴しました。
裃にて、喜寿記念披露の素謡を勤めた金重さんのご挨拶、また、初舞台を踏まれた新会員6名の感想を聞き、今回も、皆さんよく稽古を積まれたなと感心しました。
歴史は浅い会ですが、当会も7年を迎え、徐々に会としてのまとまりが出来てきました。
私も、皆さんと共に成長して参りますので、これからも共に稽古に励みましょう。
来年は、7月13日(土)名古屋能楽堂にて、地元職分の佐藤耕司師の司宝会と合同にて催します。