目の手術①

今日は、掛川にての催し(私は能『黒塚 白頭』の地謡)の為、名古屋からの新幹線車中です。

 

先日、あるお弟子さんから「目の手術をしたんですか?」と言われて、全く意味が分からず思考停止してしまいました。

ここである記憶が蘇ってきました。

 

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中学2年生のお盆、早朝4時の真っ暗闇のなか、魚釣りの為に釣竿を肩にして、ミミズの入った缶を左手に持ったまま片手運転でドロップハンドルの自転車にまたがって友達と待ち合わせの池に向かう途中、ある喫茶店(同じクラスの女の子のお宅)の駐車場をすり抜けたとき、目の高さに張った鎖に気付かずに突っ込み、大転倒して、ミミズの缶を道路にブチまけ、身体は受け身をとったので怪我は無く、しかし、なぜか涙が止めどなく流れ出る。おかしいなあと思いつつ、ミミズを拾い集めて、気を取り直して道を急ぎました。

池に着き、友人に笑顔で「オハヨー」。その瞬間、みんなが「ギャー!!」と絶叫。私の目から、涙ではなく、血が流れ出ていたのです。

幸い、待っていたかのように池の近くに眼科が有り(これも同じクラスの女の子のお宅)、みんなが眼科の先生を叩き起こしてくれて(大迷惑)診てもらうことができました。

視力が少し低下して、傷が残ったくらいで済みましたが、今考えると、本当に両親には心配を掛けたなあ、と(私の中学生から高校生の折の所業、これくらいまだまだ序の口です)。子供を持ってこそ、親の気持ちが親身にわかるのです。折しもお盆。感謝。

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で(いきなり現実)、「手術したのか」とお弟子さんに聞かれて、昔を瞬時に思い出して、私の右目の傷のことを言われたのかと思いましたが、「いえ、今日は先生メガネを掛けてないから」と。

ああ、レーシック手術のことか!「いえいえ、やっていません。今日はコンタクトレンズです。」

そう、最近あまりの暑さで汗を拭く回数が多く、その度にメガネを掛け外しするのが煩わしく、また鼻パットが当たるところが少し炎症を起こしたりするので、コンタクトレンズにしてみているのです。

自分では全く意識していませんが、私は「メガネを掛けた人」、と認識されているのですね。

(続く)