何ができるか

ある舞台出演の為、札幌にきています。

飛行機はあまり好きではありません。年に1回乗るか乗らないかという頻度ですが、毎回空港の搭乗システムが少しずつ進化していくのについていけず、不安で仕方がありませんので、かなり早く空港入りします(若い頃、一度飛行機に乗り遅れて大失態を犯した経験があり、それもトラウマになっています‥)。

海外公演のときは仕方ありませんが、国内ならば出来る限り飛行機を使わず、新幹線や電車で参ります。きっと変わり者と言われていると思いますが、自宅(東京)から広島・福岡・仙台行くらいは、まず新幹線を選ぶほど電車が好きで、長時間乗っていても全く苦になりません。

 

東京・名古屋間の往復は、年間のJR東海への支払いが100万円を優に超えるほどとなります。

さて、連日報道されているように、先日、東海道新幹線車内で大変いたましく、許しがたい事件が起きてしまいました。

あの日のあの時間、私は京都にての舞台の帰りで、事件とは逆の登りの新幹線に乗り合わせており、横浜駅の手前で急停車しました。車内アナウンスでは状況説明は無く、何が起きたかは翌日のニュースで知ることとなりました。

女性の盾となって立ち向かった、勇気ある被害者には心よりお悔やみ申し上げますが、果たして、自分だったら何ができたのだろうか、と自問自答の日々です。

事件は「下りの」「12号車」で起きた、ということも、心に引っかかる要因で、私は下りの新幹線は、好んで12号車に乗ることに決めているのです。

今後は、公益性や利便性など(そして会社の利益も)を多少犠牲にしてでも、何らかの対策は必要、という流れになっていくことを期待します。やはり、何事も「もしも」という考えを前提に動くべきですね。我々乗客も、それを受け入れる体制・心構えが必要ということだと思います。


久良岐能舞台の紫陽花

梅雨に入り、久良岐能舞台の紫陽花が見頃です。


涌宝会大会 盛会にて

去る6月1日(金)2日(土)の涌宝会大会、おかげさまで無事開催することが出来ました。大勢のお客様にご来場頂き、心より感謝申し上げます。

出演社中の人数とそれほど変わらない、40名を超える能楽師(シテ方・ワキ方・狂言方・囃子方)に支えられ、社中皆熱演することが出来ました。

「お弟子さんは、私の作品」。

私自身、舞台上で客観的に自分の「作品」をながめて、大変勉強になりました。能は技術ばかりではなく、特に人間性が表れます。我々職業人としての能楽師が特に自戒しなければならないことですが、技術偏重や慢心になれば、それが舞台に出てしまい、鼻につくものです。私のお弟子さんには、1人もそのような方が見当たりません。これは、私も大変誇りにして良いことだと思っております。

 

さすがに、大会翌日は私も仕事を入れずに休みにしましたが、会の事務処理や着物・道具類の片付けに追われ、少し疲れを感じました。

そして翌々日の月曜日はなんと飛鳥舞台の稽古!皆さん休まずにお越しになり、大会の感想をお聞かせいただき、また新しい曲を稽古し始めました。飽くなき探究心とやる気に敬服いたします。

 

そして私は、大会が済んだかと思えば、続いて、本年9月30日(日)名古屋能楽堂にて開催の「第5回 和久荘太郎 演能空間」のチラシ・チケット・ポスター制作や販売手段の最終準備に取り掛かっております。

チラシは、今月下旬に完成予定。当ホームページに「演能空間専用ページ」を開設してチラシPDFデータをダウンロードできるようにし、ネット販売も開始いたします。

過去にアンケートをご記入いただいた方や、ご来場頂いた方には、チラシを優先的にご郵送する手はずを整えております。

どうぞご期待ください!