MOA美術館薪能 2
(つづき)
達君のお父さんは水上優(ゆたか)さんで、同じく私より2歳年上。私は子方はやっておりませんので、10代後半の宗家の内弟子時代からの20年来のお付き合いで、同じ釜の飯を食った仲間として、仲良くさせていただいています。
その息子2人がまた同じ年かさで、これから一生共に切磋琢磨していく、という、この伝承の面白さが能の魅力のひとつでもあります。
私には家柄はありませんが、自分が先達から受け継いだものを間違わずに後世に伝承していく一端を担い始めたことに、責任を感じます。
ところで、私は子方をやっておりませんが、実は約20年前に、同じMOA美術館薪能にて、同じ亀役を勤めております。
鶴は同い年の小林晋也さん。
子方の場合は直面(ひためん・能面をかけない)に鶴と亀それぞれの冠を戴きますが、当時2人とも10代後半で大人の体型ですので、鶴は小面(こおもて・初々しい女性の面)、亀は邯鄲男(かんたんおとこ・『邯鄲』専用の若い男の面)をかけて勤めました。
この時のシテは、先代宝生流宗家・宝生英照師(故辰巳孝師の病気療養による代演)。
今回の鶴亀は、私は地謡で出演。ハラハラドキドキイライラ。
もう一番は『黒塚・白頭(はくとう)』(シテ・辰巳満次郎)。
これも文句なしの一番になることでしょう。
詳細は、MOA美術館ホームページ。
雨天の場合、MOA美術館内能楽堂に。演能中に雨の場合は中止。
凜太郎にてるてる坊主を作らせます。