MOA美術館薪能 1

8月2日(木)18時開演、MOA美術館薪能にて、凜太郎が能『鶴亀・曲入』(シテ・小倉敏克)の亀を勤めます。
時の皇帝(シテ。唐の玄宗皇帝と目される)の治める御代を寿いで、長寿の象徴である鶴と亀が舞を舞うと、皇帝も興に乗って、めでたい春を祝い舞を舞う、という極単純な曲で、ストーリーはほぼ存在せず、めでたさを表現することに終始します。
今回は「曲入(くせいり)」という小書(特殊演出)が付き、通常の『鶴亀』には無い長い詞章(クリ・サシ・クセ)が挿入され、シテはクセで舞を舞います。
このクセは、現行曲では無い『巴園(はえん)』という曲中のクセをそのまま挿入したもので、宝生流では「蘭曲(らんぎょく)」という重い扱いになっています。
このクセの終わりにかけて鶴と亀が登場します。
この鶴と亀役、宝生流では子方が破之舞(はのまい)を相舞(あいまい・シンクロ)にて勤めるのが現在の主流で、皇帝の荘重な舞の前座として、誠に可愛らしいものです。
相手役(鶴)は、水上達君。凜太郎より2歳年上で、普段も仲の良い2人です。
凜太郎は稽古で毎回会えるのが楽しみのようです。
(つづく)