カブトムシ

少年の夏休みと言えばカブトムシ。

 

私も子供の頃、よく早起きして、田舎に採りに行きました。

凜太郎にも、同じ体験をさせてやりたいのですが、都心に住んでいるとそういう環境になく、また私自身、子供をカブトムシ採りに連れていく時間がなく、屈辱的ではありましたが、6月頃に初めてカブトムシの幼虫を買いました。

ペットボトル位の大きさの筒形の容器に、マット(土)と幼虫が入っていました。

早くも7月中旬にはサナギになり、成虫となって産まれたのはメス。

急いで凜太郎とペットショップに走り、大きな飼育ケースとマットを買い、移してやりました。

エサは、私が子供の頃はスイカを与えたものですが、今は、カブトムシがおなかを壊す、と売られている専用のゼリーを購入。冷蔵庫に入れたら間違って食べてしまいそうなきれいな色をしています。

 

メスだけではかわいそう、と言いだしたので、8月に入ってから一度子供たちを連れてカブトムシを探しにバスを乗り継いで数軒回りましたが、見つからず。貴重な休みを半日つぶして、炎天下の中遠出したのに。

子供よりも落胆している父親を、「おとうさん、元気出して」と励ます子供たち。

あまりの暑さに3人でアイスクリームを食べながら、最後の望みを託して、親しい友人に電話をして事情を説明すると、数日後、なんと凜太郎の為にカブトムシ(オス1匹とメス2匹)とコクワガタ(オス)とカナブンを捕まえてきてくれました。

凜太郎、大喜び。

お父さんも大喜び。 その友人を尊敬のまなざしで見てしまいました。

 

お父さんらしいことをあまりしてあげられていない、都会の父親。忙しいのはありがたいですが、もっと人間らしい父親の背中をみせてやりたいと思う、この夏の父でした。

草むしり

昨日は、大会が済んでからのひさびさの休日。

といっても、大量の事務作業や子供の稽古があったりして、終日のんびりとはなかなかいきません。

しかし、一日中家にいるのですから、こんな日は短パンにTシャツで過ごしていると、夏休みに入った下の娘がそれをいち早く見つけ、

「おとうさんお休みなの?」

とわくわく顔で近づいてきます。

「じゃあ今日は草むしりをしよう!」

と、日焼け止めを塗り、虫除けスプレーをかけ、麦わら帽子をかぶり、長靴履いていざ出陣!

小庭に生えた青草を、二人でせっせせっせと抜いていきます。

前の家から連れてきた枝垂れ紅葉の枝は今を盛りと生い茂り、凜太郎が小学校から持って帰ってきた朝顔は早くも青い種をつけました。

初夏に植えた千なり瓢箪は、隣のお宅に不法侵入。
ひっぱり戻してネットに絡めてやります。

バッタの子供たちが、ポップコーンのように飛び回っているのを捕まえて、ちょうど帰ってきた凜太郎が持ってきた虫かごに入れてやると、飼いたい、と。
バッタにもおとうさんとおかあさんがいることを話すと、

「じゃあ一晩だけ」と、草を入れてやります。

にわか雨。

夢のような1日。

またこの夏で、子供たちもひとまわり大きくなることでしょう。

大会無事終了2

(つづき)
また、今回、3人の涌宝会会員が「教授嘱託披露」と銘打って、舞台を勤めました。
前述の岡田真理様と、舞囃子『船弁慶』の渡邊陽介様・舞囃子『安宅』の森下光様。
懇親会の中で、特別に授与式を執り行い、家元の代読を私が勤め、お三方に教授嘱託免状をめでたく授与しました。
今後とも、宝生流の普及の為に、様々な形でご協力・ご尽力をしていただきたいと思います。
また、後に続く方が出てくれることを切望致します。
辰巳満次郎師により三本締めで景気よく締めていただき、会員の皆様、気持ちよく帰途についていただいたことと思います。
また、開会の会主挨拶ではしどろもどろでうまくお伝えすることができませんでしたが、地元名古屋の能楽師の皆さんには、弱年より育てていただいた感謝の気持ちを常に持ち続けておりますので、このような大会を本当は毎年催したいのですが、また次回、必ず数年後に催したいと思います。
来年は、7月21日(月・祝)東京・神楽坂の矢来能楽堂にて、舞囃子・素謡・仕舞などの大会を催します。
会員の皆さんは、もちろん今から万難を排してご予定いただき、来年何を発表したいか、今から楽しみにお考えになって下さい。
お客様もぜひまたご来場いただきたいと思います。

大会無事終了

一昨日の7月13日(土)、「司宝会・涌宝会合同大会」が無事終了しました。
前日の申し合わせ(リハーサル)でほとんどの皆さんが厄を落として、本番は驚くほど上手でした。
大概、申し合わせで少し上手くいかない方が、本番で上手くいくものなのです。
終了後の懇親会では、司宝会会主の佐藤耕司師の挨拶に始まり、引き続き、涌宝会会主の私による、脳みその構造が疑われそうな挨拶の後、宝生和英家元の御発声の乾杯のお言葉でそれも浄化されて、和気あいあいと皆さん会話が弾みました。
途中、能を舞われた司宝会の芳賀カズ子様と涌宝会の岡田真理様のスピーチをいただきました。
お二人とも能を舞うのは今回で2回目。素晴らしい出来栄えでした。
また機会があれば舞ってみたいとのお言葉、そうでしょうね。面と装束をつけて「主役」を勤め、約20人の能楽師各役が自分一人の為に一曲を作ってくれる最高の贅沢。
再来年は我が涌宝会も、10周年を迎え、当流本拠地の水道橋・宝生能楽堂にて「涌宝会10周年記念大会」を催す予定ですから、我こそは能を、と手を挙げて下さる方が出てくれることをこれから待ち望んでおります。
(つづく)

和風総本家

 テレビ東京 木曜日 午後9時の『和風総本家』、途中から観ました。

「ニッポンの再生職人」
職人たちの再生技術、素晴らしい!

碁盤の再生職人、手水鉢の再生職人、着物の再生職人。
どれにも言えるのが、妥協の無い心意気と、手間暇を全く惜しまない「もの」に対する愛情。

それらの再生技術が、思いのほか安い技術料であるのを聞くと、大丈夫かな、と思います。

仕事の価値ってなんだろう。お金儲けをしたくてそれらの職業に就くならば、もっと割りの良い仕事があるはずだし。または、もっと高いお金を取っても良いはずだし。

それらに共通するのは、依頼者(お客さま)の「笑顔」ではないかと。

私の職業も同じです。

ご心配おかけしました

先日の当ブログにて、貧血初体験を披露しましたが、予想外に皆様からご心配いただき、大変恐縮しております。
ご心配おかけして申し訳ありません。
話の種として、「これは書けるぞ」という軽い気持ちで披露してしまいました。
現在、何事もなく元気に過ごしております。
今後は体調管理に気をつけてまいります。
梅雨も明けたようです。本格的な暑さに負けないよう、皆さまもどうかお元気でお過ごしください。

初体験3

(つづき)

そんな状態がかれこれ20分くらい続いたでしょうか、やっと回復してきて、視界が開けて口がきけるようになり、これがおそらく「貧血」というやつだと理解しました。

そりゃ、これは朝礼で倒れるわ、と思いました。
座ってたってこんなにツラいんだから。

次の日、朝一で舞囃子『春日龍神』という激しい曲を舞わなきやいけないから、ちょっと心配しましたが、その後は元気いっぱい。妻には心配をかけました。

でも妻曰く、私と同じく、7月13日の名古屋での社中発表会での対応や、9月22日第1回和久荘太郎演能空間のこと(チケット払い戻しなど)を考えていたようで、普通ならばパニックになるであろうシチュエーションの中、能楽師の妻として、頼もしい限りですな(?)。

原因はわかりませんが、以前はこういうとき、私は「気合いが足りない」からだと解釈していましたが、アニマル浜口ではないのです。

厄年はまだ先ですが、大事な家族の為に、これからはちょっとだけ気をつけようと思います。

初体験2

(つづき)

先日ある催しの後、たまには、と妻と待ち合わせして食事をしていたら、椅子に座っているのに立ちくらみが!(これは「座りくらみ」というのでしょうか)

視界が狭まり、見ている風景・画面がオレンジ色の絵の具をぶちまけたような映像になってきて、意識もうろうとして、あくびが止まらなくなり、手の指がツってきました。

「これはマズいかも(料理はおいしかったのですが)」と思い、妻に「倒れたらあとはヨロシク」と言おうと思ったのですが、叫べど声は出でばこそ。

「こんな良い店で失禁したらどうしよう」

とか、

9月22日第1回和久荘太郎演能空間はどうしよう」

などと余計なことを考えながら、店員さんに

「お客様どうしました?!」

などと騒がれたらいやだな、と思っていました。

しかしさすが妻は、顔面蒼白の私の顔を見て全ての事情を察し、店員さんが騒ぎ立てないよう、我々の平静を装い私の回復を待ちました。

(つづく)

初体験

「痩せたね」
と、最近たくさんの方から言われます。そうなんです。痩せてしまったのです。
大体夏の初めに、毎年言われます。
いわゆる「夏痩せ」です。
汗かきだから、暑くなり始めると無駄に脂肪を燃焼してしまいます。
燃費が悪く、エネルギーを貯めておけないのです。砂漠のラクダが羨ましい限りです。
最近のアメリカの研究では、少し太っているくらいの方が長寿の傾向があるとのこと。
どうしたら太れるかと、試しに暴飲暴食をしても、全く太れません。
昨春の健康診断の結果は、全く問題なし。善玉コレステロールとやらが異常に多いらしく、「善玉」というその名の通り、多い分にはその方が良いとのこと。
これ以上言い過ぎると「イヤミだ」とか、「贅沢な悩みだ」などと言われますが、本人にとっては、真剣な悩み。
どこも身体は悪くないのに、なぜ?
と思っていたら、先日、生まれて初めての「貧血」体験をしました。
(つづく)

覗いてみたい…

KC4A0074.jpg
近所で見つけた「スナック・酒呑童子」。
ドアの向こうにはどんな世界が広がっているのでしょうか。
源頼光の気持ちになって、ちょっと覗いて見てみたい気もします。
マスターの名字は「大江」さんでしょうか。