わくさん

10年ほど前から、「わくさん」と呼ばれるようになってきました。
何をいまさら、当然じゃないの、とお思いになるかもしれません。
いえ、イントネーションの話です。
「たくさん(沢山)」と同じイントネーション。
私としては、「おくさん(奥さん)」と同じイントネーションだと思っているのに。
これは、『踊る大捜査線』の影響だと考えております。そう、ドラマ内の故・いかりや長介の役が、私と同じ名字の「和久」なのですね。
主演の「青島」役の織田裕二が、劇中「和久さん!」とよく叫んでいたのです。
と言っても、実は私はこのドラマを一度も見たことがありませんでしたので、なぜ皆イントネーションが変わり始めたのか、全く理解できませんでした。
最近では、初対面の方には9割方「たくさん」の方で呼ばれますので、もしかしたら本当は私が間違っていたのかしら、とも思い始めています。
いかりや長介が亡くなった後も、引き続き伊藤淳史が甥っ子役として「和久さん」で登場しているようですから、これは相当年数続きそうです。
フルネームだと、「和久荘太郎(杉良太郎と同じイントネーション)」という風に、音が下がっていくのに、名字に「さん」が着くと、なぜか音が上がっていくのです。
これは、後に続く文字数が少ない場合に起こるのではないかと考えております。
例えば、「谷啓(たにけい)」と「谷亮子(たにりょうこ)」。同じ「たに」という名字でも、前者は音が上がっていき、後者は下がっていきます。
このような研究結果が既にあるようでしたら、ぜひご教示願いたいと思います。
こんなくだらないことを考える暇があるということは、私もまだまだ暇人の領域を出られない凡庸です。