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子供の日。我が家の兜です。源義経所蔵のを模したもので、なかなかよく出来ています。
能『八島』の後シテ、源義経の霊が合戦の様を表す場面で、
「潮に映るは。兜の星の影」
という文句があります。
兜の「星」とは、この写真でもはっきりと分かりますが、頭頂部を中心にたくさん埋め込んである、鋲のこと。
「影」は古語では、現在とは逆の意味の「光」のことなので、海面に兜の星の光がキラキラと反射している映像が見えてきます。勝修羅物らしい、爽やかな表現だと思います。
能(当流)では、右手に太刀、左手で扇の骨を持ち、額の前に持ってきて、下(おそらく海面)を見込みながら「影」で左足拍子を一つ強く踏みます。
ちなみに、兜のてっぺんには、「八幡座(はちまんざ)」という、穴が空いています。軍神である八幡様が鎮座まします場所。
「八幡様」は、義経の祖先、源(八幡太郎)義家を軍神として崇めた呼び名。京都石清水八幡宮にて元服したことに由来します。
武士は、この八幡座に神が宿るとして、絶対にこの穴に指を入れなかったそうです。
私は、出し入れの際に持ちやすそうなので思わず入れたくなりますが、ぐっとこらえます。
うちの子供達も、わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい(古い)と思います。