おめでとう

ピッカピカのランドセルを背負った1年生、制服に着られている新中高生も、桜の花に負けない春の風物詩の一つでしょう。

新1年生、おめでとう!きっと忘れがたい門出になることでしょう。不安なんか春風と一緒に吹き飛ばしちゃえ!

私も、この4月から母校の東京芸術大学・音楽学部・邦楽科の助手として、週2日の勤務が始まり、助手1年生として先輩助手に教えを請いながら、張り切っています。

会社勤めの経験など、もちろんありませんので、慣れぬネクタイや事務作業にてんやわんや。きっと、失笑を買っていることでしょう。

能しかして来なかった私に、はたして勤まるのだろうかと不安もありますが、今まで使っていなかった脳みその一部が再生してきました(気のせい)ので、自分を騙しつつ頑張ります!

急にネクタイ締めて早朝に出て行くようになった父親に困惑気味の息子と娘に、妻は「お父さんは学校の先生(みたいなもの)になったんだよ」とダマしています。

仕事の詳細は、ここでは公表できませんが、学生にレッスン(芸大では稽古のことをこう呼ぶ)はしません。あくまでも、教授のお手伝いや、邦楽科全体の運営の事務作業。

邦楽科には、能楽のほかに長唄・長唄三味線・邦楽囃子・日本舞踊・箏曲(生田・山田)・雅楽などがあります。
敬服するのは、各教授のバランス感覚に優れた人間性。
皆さん、言ってみれば芸人(伝統芸能家)が本職で、その世界で名を成している方々です。
芸人にありがちなエゴや驕慢が見えず、公のことを常に考えていらっしやいます。返せば、そういう人だからこそ芸大の教授になれるのでしょう。

いやともかく、ランドセルならぬ、ピッカピカのおでこを引っさげて、上野の山の満開の桜のトンネルをくぐり抜けて、来週もまた新たな仕事に挑んでまいります!