『望月』子方
次の日曜日(10月28日)、別会能(宝生能楽堂)にて、息子の凜太郎が能『望月』(シテ 宝生和英宗家)の子方を勤めます。
仇討ちの曲で、『放下僧』と構成は似ていますが、位取り(格調)が全く違い、重習いの大事な曲。他流では、若いうちに勤めることもありますが、宝生流では、弟子家(家元以外の職分)が若いうちに勤めることはなかなか許されない大曲です。
子方は、シテと共に父の仇を討つ「花若」という名の少年役。ツレ(母)との同吟から始まり、鞨鼓を舞い、仇討ちもするという、盛りだくさんの役。ほぼ毎朝稽古していますが、子方の部分だけでもきちんと稽古すると1時間弱かかります。
凜太郎は現在小6で、この夏に背丈も雨後の筍のように伸び、いよいよ声変わりも本格化してきて、父としては頼もしく思いますが、子方としてはもう難しくなってきました。今年は、この『望月』でしばらくお役は無く休みとなり、勉強に専念させますが、来年はまだ3番の子方のお役を頂いております。しかも、『安宅・延年ノ舞』(春の別会能)、『鞍馬天狗・天狗揃』(秋の別会能)、『烏帽子折』(第6回 和久荘太郎 演能空間)と大役ばかり。今の様子だと、この頃は完全に声変わりしているかもしれません。
5日後の『望月』が済んで凜太郎の稽古が休みになったら、いつも稽古をせがむ娘をしっかり稽古してやろうと思っています。