ニンニク注射

「ニンニク注射」ご存じですか?
昔清原和博さんがここぞという試合前に使用して有名になった、という記憶があります。
やっと涼しくなりそうな気配です。あまりの暑さに皆忘れていますが、この夏の初めは、冷夏かと思うくらい涼しくて、このまま行けば良いなと思ったものですが、そうはいきませんでした。
やはり、体調を崩される方が多いようですね。私のお弟子さんでも、夏風邪を召される方が大変多く、誠に心配しております。
かく言う私も、どうも体調がすぐれなくて、食事や睡眠は変わらないのに痩せてしまって、疲れるようになったというか、これはもしや年齢的な体の変わり目かしら、とショックを受けていました。
先日の能『龍田』を勤める前日、このままではいけないと急に思い立って、いつかは、とかねてより考えていた例のニンニク注射を受けるべく、近所の内科へ!
ランクが500円から3,000円まで6種類ほどあり、明日が本番だから、明朝即効性のある3,000円のをお願いするつもり、と伝えたら、今日はサービスで、と1,200円でワンランク上の1,500のものを注射してくれるとのこと。
「注射」と言っても、実際にはベッドに横たわり、点滴。
「ニンニク」というので、本番前に身体がニンニク臭くなったらどうしよう、と勘違いしていましたが、薬液が身体を巡る際に、点滴されている本人のみ、ニンニクに似た臭い(正体はビタミン)が鼻を突くのがその名の由来らしく、ニンニクは一切入っていないとのこと。
点滴が始まると、本当にニンニクに似た臭いがしてきました!薬液が減っていくにつれて、徐々に頭がすっきりしてくる感覚があります。20分ほどで終了。かなり元気になりました。
さて、次の日朝起きたら、喉が風邪の気配。しかし、朝一番でプレミアムのニンニク注射を受けたら、気持ちも身体も力が漲ってきて、無事『龍田』を勤めることができました。
「龍田姫が実はニンニク注射を受けてきた」と聞くと、イメージを壊してしまいそうで告白に迷いましたが、夏バテでお困りの方は、一考の価値あり。
思い込みの「ブラシーボ(偽薬)効果」も多少あるかもしれませんが、人間時には思い込みも大事。
「プレミアムのニンニク注射」を打ったんだから元気いっぱい!と頑張れるなら良いじゃありませんか。
念の為看護士さんに、依存性は無いか聞きましたら、薬剤に依存性は無いが、精神的な依存性は人によってあるかも、と。
まあ、万事皆そうですね。
アスリートや我々舞台人も、ジンクスから逃れて、本番で最大の能力を発揮できることが難しいから、色々頼りたくなるのです。
ほどほどに、と自分に言い聞かせました。

テレビの力

流行ってますね、「杉ちゃん」。
ご存じ、
「ワイルドだろ~」
の人ですね。
私は、例の如くつい最近知りました。
ずいぶん前から、近しい先輩がモノマネしていましたが、何のことか(若しくは何が面白いのか)さっぱりわかりませんでした。
どこで覚えたのか、下の娘(4歳)が独り、パズルなどしながら、
「ワイルドだろ~」
と時々呟きます。
テレビの力はすごいですね。
遂に、野村萬斎さんのことを幼少から子供番組(NHK教育)で見ていて、狂言を通じて能に興味を持った、というお弟子さんが出てきました。
何でも良いのです。結果的にお能の面白さがわかってもらえれば。
萬斎さん、ありがとうございます。

はじめてのおつかい

4日間名古屋に滞在しました。
〈1日目〉
指導している部活動・能楽研究部(名古屋市立名東高校)の夏合宿。
合宿所泊。
〈2日目〉
合宿終了。
ホテル泊。
〈3日目〉
衣斐正宜後援会能申し合わせ及び、岩村城趾薪能。
ホテル泊。
〈4日目〉
衣斐正宜後援会能。
帰宅。
只今やっと帰路ですが、久しぶりに長い出張だった為、子供たち(6歳♂と4歳♀)は、2日目の朝から、
「お父さんは?」
と頻繁に泣きそうに聞くようになったようです。
だから出発の時に、
「しばらく会えないよ」
って言い残したのに。その時は実感が湧かないのですね。
しかし、お父さんは普段こんなに人気者だったかしら?と妻。
今が人気絶頂期でしょうか…。
ところで、今朝、子供たちに
『はじめてのおつかい』
をさせたそうです。
日曜日だから通学・通勤の乱暴な自転車も少ないし、早朝の為交通量もそれ程多くないとの判断で。
兄妹2人で手をつないで、無事牛乳を買ってきたそうです。
お店では、牛乳の場所がわからなかったようですが、店員さんに聞くことができて、お財布からお金を出してお釣りをもらい、威風堂々と凱旋したとのこと。
幹線道路の明治通りを歩くことを想像するとかなりハラハラしますが、なんとか無事で良かった!
しかしうちの妻も、肚が据わってるなあ。

浴衣会


恒例の浴衣会(名古屋・岡崎会員)を催しました。
5月の東京(矢来能楽堂)の大会に参加出来なかった方々の為に、稽古会形式で。
『羽衣』の連吟に始まり、仕舞多数。
今回から仕舞の地謡も謡ってもらうことにしました。
みな程よい緊張感を味わいました。
終了後はちょっと高級な仕出し弁当で懇親会。
お酒は無しで、緑茶で乾杯!
年齢を越えて、大いに盛り上がりました。
また来月の伊勢神宮奉納に向けて、夏バテなんか忘れて、元気よく行きましょう!

線香花火


今夜は、息子の3日早い誕生パーティー。
娘のハッピーバースデーの歌で、凜太郎は6本のローソクを吹き消して、妻の手料理で祝い、家族4人で(今日買った)ドラえもんのボードゲームに興じ、結びは庭で花火大会。
線香花火は、夏の終わりを感じさせますが、まだ夏は始まったばかり。
いつかこの日を懐かしむ時が来るのでしょう。
時間よ、少しだけ止まれ!

鼻モゲラ

この3日間、息子(凜太郎5歳)と2人きりで名古屋に参り、母と妹夫婦の家にお泊まりしました。
普段、能の稽古以外では、息子と十分に触れ合えない分、道中存分に甘やかしてやりました。
名古屋では、義理の弟(と言っても私より年上)が我が子のように大変可愛がってあちこち連れまわしてくれました。
妹は手製の料理を振る舞ってくれ、母はおばあちゃんぶりを発揮、姪(中3)は弟のように可愛がってくれて、みんなママがいない不安を消し去ってくれました。
それを良いことに、私は少しでも時間を有効に使おうと、名東高校の稽古に行ったり、岡崎の稽古にしたり。
なかなか私自身も、純粋に休暇を楽しむことが出来ない性分になっていることに気付き、複雑な心境です。
いっそのこと、携帯電話や手帳・謡本を置いて、海外にでも抜けなければ、ただの仕事人間になってしまうなあ。それを今のところ選択しているのは、私自身ですが…。
夜が心配でしたが、ホームシックや鼻モゲラ(造語。彼のクセで、寝付く時に人の鼻をこちょこちよいじり回す)も無く、妹達とすやすや寝られて、私はありがたく悠々と羽を伸ばして休めました。
来週、6歳になります。一回り大きくなって帰るのを、妻は心待ちにしていることでしょう。
来る20日の誕生日当日は、私は国立能楽堂の納涼能で舞台(家元の能『忠信』のツレ)、その前2日間も仕事で帰りが遅い為、明後日の一足早い誕生パーティーでは、仕事を忘れて、心から成長を祝ってやろうと思います。

カバンの中身 2


ハンドクリーム。
こうして見ると、輸入物の珍しい商品に見えるかもしれませんが、コンビニで、手にすっぽり収まる大きさが気に入って買った物。
手は、舞台で意外と目が行くところなので、気を使います。
日焼け止めもそろそろ用意しなくては。
この調子で、エスカレートしてコンパクトや化粧ポーチなんか持ち出したら、陰でおっしゃらずに、勇気を持って私に忠告して下さい。
「コスメティック・ルネッサンスか」
と。

ビューティフルレイン

本日7月1日(日)からフジテレビで始まった、「ビューティフルレイン」というドラマに見入ってしまいました。
普段テレビをほとんど見ない為、流行にはいつも取り残されている方ですが、たまにこうして何気なくつけたテレビで、良いドラマとの出会いがあり、泣いたり笑ったり、人生観が変わったりします。
豊川悦司演じる父親と、芦田愛菜ちゃん演じる娘(美雨。題名の由縁か)が織りなす親子愛。母親は8年前に亡くなっています。
初めはただの幸せ父娘の話かと思いきや、父親は若年性アルツハイマーと診断されます。
このまま後期症状に進むと、家族が誰か解らなくなり、遂には自分が誰かも解らなくなる、と宣告され、父親は医師にくってかかります。
「娘はまだ7歳だ、そんなことになったら誰が娘の面倒を見るんだ!」と。
理不尽な怒りですが、気持ちが分かります。
あまりこのブログには登場しませんが、私には、今月6歳になる息子の他に、4歳の娘がおります。
別に、息子を偏愛しているわけではなく、娘も同様に可愛がっていますが、能に深く関わらせているのは、息子ですし、我が娘は何しろ能には向いていない気がするので、ブログの登場回数も自ずと少なくなります。
よく思うのが、この子たちが、もしそれぞれ一人っ子だったら、溺愛し過ぎて、子供は息苦しいだろうなと。
特に、自分と娘がこの「ビューティフルレイン」のような状況に置かれたら、と考えると、物狂おしくなります。
記憶喪失物は、昔から数多くあり、万人泣かされてきましたが、ワンパターンと思うなかれ、「能」も同じです。
鉄板の題材は、先が読めてしまおうが、マンネリ化しようが、役者や演出が変われば、違う作品になるのです。
例えば『隅田川』は、話の展開がわかっていたって、何度でも泣けるのです(このように、曲の出来が素晴らしいから、役者が多少まずくても、曲に助けられるという曲が能にはいくつかあります)。
ともあれ、自分の身に起こる悲劇はいやだけど、ドラマ・演劇・能は無責任に人を泣かせてくれますね。人間の欲求で、「泣きたい」という欲求もあるのでしょう。
来週から欠かさず観なくっちゃ!
芦田愛菜ちゃんかわいい!

カバンの中身 1


パーマンバッヂをかたどったタブレットケース(フリスク入れ)。
以前、親戚の子供達とうちの一家で、川崎市の「藤子不二雄ミュージアム」に行った時の、自分のおみやげ。
帰りのバスの中、我慢出来ずに開封して、早速フリスクを移し替えていたら、5歳の息子に、
「お父さん、みんな見てるよ、恥ずかしいからやめてよ!」
と諌められた、思い出の逸品。
父の権威失墜。

父の日

先日6月17日(日)の父の日は、幼稚園の父親参観日でしたが、私は名古屋宝生会定式能で『是界』のシテを勤めていた為、残念ながら欠席し、男親ばかりの中、激しい親子体操も妻が代わりに頑張ってくれました(今年に限らず、今後毎年重なるのです)。
『是界』を無事勤め、深夜に帰宅すると、机に手紙が置いてありました。

そうたろうさんへ おしごとがんばってください だいすき なごやたのしみですね だいすき どうじょうじのかねつくってください だがしやさんいこうね つるかめがんばるね 凜太郎より
泣かせてくれました。
しかし、「そうたろうさんへ」って…。
「なごやたのしみですね」は、来月、名古屋の母、妹夫婦の元へ、凜太郎と初めて二人きりで新幹線に乗って遊びに行くのです。
初めての二人きりの旅行とあって、父の方が緊張しています。
「どうじょうじのかねつくってください」というのは、数年前私が『道成寺』を披演した時に、私の『道成寺』のビデオを見て、凜太郎(当時2歳)が乱拍子から急之舞、また鐘入り(釣り鐘に飛び込む)までをよく真似していたので、親バカな父が、段ボールで凜太郎用の鐘を作って、家の天井から吊して、落として飛び込む遊びをしていたのを覚えているようです。
また作ってやるか。前よりも大きな鐘を。
「こんどだがしやさんいこうね」は、おなじみの、自分の要求を手紙に巧みに書き込む高級テクニック。
父親心をくすぐります。
「つるかめがんばるね」は、再来月8月2日、MOA美術館薪能にて、『鶴亀』(シテ 小倉敏克)の「亀」役を水上達君(鶴)と勤めることを言っています。
このまま、いつまでこんな子供でいてくれるのでしょうか。
今になって自分の父の気持ちが少しわかったような気がします。