酉の市

 昨日11月8日は酉の市。
近所の巣鴨・大鳥神社に、昨年の熊手をおさめて、家内安全を祈念して新しい熊手をいただいてきました。
酉の市1
酉の市2
酉の市に行くと、年の瀬が近づいてきた気がします。
二の酉は20日です。

別れと再会

スマホと別れて、ケイタイに再会しました。
2年弱の短い付き合いでしたが、なにかと振り回されて。
一緒にいる時は楽しかったけれど、「私と仕事、どちらが大事なの」と折にふれて問い詰められました。
「君無しでは生きていけない」と思ったこともありますが、やはり私は仕事を選んでしまいました。
君は「私を利用しただけなの」と責めましたが、振り返るとその通りだったかもしれません。
2年間の契約なので、料金は払い続け、責任は取ります。
まぁ、そんなことで、気持ちの整理をするため、ブログの更新も遠のいていました(言い訳)。

雨のばか

せっかく仕事無かったのに。
せっかくカメラ充電したのに。
せっかく新しいトレーニングウェア用意したのに。
せっかく唐揚げとおにぎり用意したのに(妻が)。
幼稚園最後の運動会明日に延期。
明日は仕事。
雨のばか。

杣月会(そまづきかい)

昨日10月6日(土)、土屋周子師主宰の「杣月会(そまづきかい)」(於 東京 蔵前 神谷舞台)の助演(地謡)をしました。
5周年を迎えますます盛会。
周子先生の番外仕舞『融』に始まり、会員さんの素謡・仕舞の発表。
皆さん謡の声が大きく、周子先生が普段から手を抜かずに、大きい声で指導していることが感じられました。
周子先生は、宝生流の盛んな佐渡出身で、東京藝大入学とともに上京して修業し、女流能楽師として頑張っていて、私の後輩にあたります。
性別を超えた強い謡に定評があり、我が涌宝会会員の中でも周子ファンは多いので、涌宝会の発表会でも度々ご助演願っています。
終了後の和気あいあいの懇親会で、会員さんの笑顔につつまれ、私も活力を頂きました。
よし、明日から僕もまた頑張ろう!

伊勢参り(猿田彦神社)

(つづき)
外宮・内宮参拝、おはらい町散策の後は、そのまま徒歩で猿田彦神社へ。
猿田彦神社1
猿田彦神社2
特に敷地が大きい神社ではありませんが、社殿は立派。
宝生流の祖神とされていて、乱能(らんのう。来る12月26日宝生能楽堂にて開催予定)の際におまつりします。
境内には、芸能の神様・天鈿女命(あめのうずめのみこと)もおまつりしているので、芸能人がよく参拝するそうです。
また、猿田彦神社は「おみちびき」の神様として有名だそうで、事始めに際して全国から参拝者が来るとのこと。
来年から開催の「和久荘太郎演能会」の盛会を祈って、特別祈祷していただきました。
猿田彦神社から最寄りの五十鈴川駅まで歩き始めましたが、着物だったせいもありますが、いつまで経っても着きません。昼飯時もとうに過ぎているし、運良く通りかかったタクシーに乗り、先の宇治山田駅まで。
昔の人は江戸からの道のりをよく歩いたものだと、感心しますね。
空腹に耐えかねて、宇治山田駅手前で下ろしてもらい、惹かれるように入った「グリル片山」
伊勢の地で、ご両親の代から40年も続く名店で、清楚な若奥様のサービスが素晴らしく、お料理も最高。
タクシーの運転手さんに、「あそこは高いからあちらのうどん屋にしろ」と言われても、押して来て良かった!
ランチにしては値は張りましたが、旅行の醍醐味。また必ず参りますよ。
きっとファンが多いだろうなあ。
この後、能『阿漕』縁の地「阿漕が浦」(津市)を訪ねる予定でしたが、時間切れで断念。
来る11月18日(日)の名古屋宝生会定式能で、仕舞『阿漕』を、また、来年9月の五雲会にて能『阿漕』を勤めますので、何はなくとも手を合わせて来ようと考えていましたが、案外名古屋から近いことがわかりましたので、またの機会を作ります。
独りよがりの旅行記、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

伊勢参り(内宮)

(つづき)
内宮参拝。
日本人の総氏神様である天照大神(あまてらすおおみかみ)をおまつりしている。
五十鈴川
宇治橋から見下ろす五十鈴川。なんて清らかだろう。
きっと参拝が済むと、僕の心も澄み切っていることだろう、と妄想。
五十鈴川
五十鈴川の御手洗場。古来より、この済んだ川水で手を洗い口を漱いだとのこと。
よし我も、と股立ち上げて清めていたら、袴と羽織の裾を濡らしてしまった。
五十鈴川の別名「御裳濯川(みもすそがわ)」の由来通り!と開き直る。
内宮・正宮
いよいよこの階段を上ると天照大神のおわします正宮。感激。
やはり聖域は撮影禁止。
御稲御倉
御稲御倉(みしねのみくら)。神様のお食事用のお米を保存。
外幣殿
外幣殿(げへいでん)。神様に捧げられた宝物を保存。
荒祭宮
荒祭宮(あらまつりのみや)。天照大神の荒御魂(あらみたま)をおまつり。
瀧祭神
瀧祭神(たきまつりのかみ)。
五十鈴川の守り神だが奇しくも、先日勤めた『龍田』のシテ「龍田姫」と同一体の神様。
舞台の無事を感謝。
この後、おはらい町にて精進落とし。
「赤福」で出来たての赤福餅と番茶をいただきました。
見るもの香るものすべておいしそうだが、羽織袴で食べ歩きもどうかと思い、ひたすらガマン。
案の定、おかげ横丁にて招き猫を物色していたら、お弟子さん夫妻と遭遇!
おかげ横丁にて
(さらにつづく)

伊勢参り(外宮)

9月23日の伊勢神宮参集殿の能楽奉納後、皆さんを駅まで見送って独り連泊し、次の日は伊勢参りをしました。
前日は舞台に専念して、御垣内参拝も出来なかったため、改めて外宮・内宮を独り参拝。前日の雨とは打って変わって好天。早朝のため、人もまばらで、心が整っていく感じがしました。
まずは外宮(げくう)から。
外宮・正宮
外宮の正宮。
この鳥居の先は、聖域のため撮影禁止。
内宮におわします天照大神(あまてらすおおみかみ)の食を司る、豊受大神(とようけのおおみかみ)が鎮座。
二拍手を打つと、偶然にも白い御幌(みほろ)が風に吹かれてフワーッと上がり、まるで神様が歓迎して下さったかのよう。
西行法師の
「何事の おはしますかは知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」
という、伊勢参宮の折に神前にて詠んだ歌そのもの。涙があふれてきました。
この歌は、能『巴』の前シテが木曽義仲の神前で謡います。
もっとも、当時は僧侶姿では正宮には近づけなかったようで、僧尼拝所という鳥居の外で詠んだとの事。
外宮・多賀宮
多賀宮(たかのみや)。豊受大神の荒御魂(あらみたま)をおまつり。
(写真の二人は関係ありません)
外宮・土宮
土宮(つちのみや)。古くからこの地を守ってきた自主神。
外宮・風宮
風宮(かぜのみや)。鎌倉時代、神風を2度吹かせて元寇を退けた神様。
外宮・森
外宮・参道で森林浴。
この後、内宮へ移動。(つづく)

伊勢神宮奉納

先日9月23日(日)、伊勢神宮内宮・参集殿にて、我が涌宝会として、能楽の奉納の催しに参加し、舞囃子6番・仕舞8番・連吟1番を奉納しました。私自身は、それらの地謡と、小鼓の独調2番をお相手させていただきました。
<舞囃子>
『高砂』 湯浅景介
『玉葛』 吉村咲子
『竹生島』 森下光
『胡蝶』 金子志摩子
『松虫』 神谷恭子
『春日龍神』 松本杏
<仕舞>
『嵐山』 並河真有子
『小袖曽我』 木下知佳・内藤帆南
『三輪キリ』 木下めい
『鶴亀』 浜口孝司
『西王母』 武田美佳
『猩々』 松浦茂樹
『岩船』 酒井千絵子
『杜若キリ』 山内恵理子
<連吟>
『羽衣キリ』 涌宝会有志
皆、普段の舞台とは違う雰囲気で、伊勢神宮の神気を感じながら気持ちよく奉納できたようです。
伊勢内宮・参集殿
伊勢神宮・内宮・参集殿
伊勢・名東生
奉納前、楽屋にて名東高校能楽研究部の面々と。
伊勢直会後
終演後、直会を済ませ、帰りのバスに乗り込む直前。涌宝会から出演の皆さん。

ニンニク注射

「ニンニク注射」ご存じですか?
昔清原和博さんがここぞという試合前に使用して有名になった、という記憶があります。
やっと涼しくなりそうな気配です。あまりの暑さに皆忘れていますが、この夏の初めは、冷夏かと思うくらい涼しくて、このまま行けば良いなと思ったものですが、そうはいきませんでした。
やはり、体調を崩される方が多いようですね。私のお弟子さんでも、夏風邪を召される方が大変多く、誠に心配しております。
かく言う私も、どうも体調がすぐれなくて、食事や睡眠は変わらないのに痩せてしまって、疲れるようになったというか、これはもしや年齢的な体の変わり目かしら、とショックを受けていました。
先日の能『龍田』を勤める前日、このままではいけないと急に思い立って、いつかは、とかねてより考えていた例のニンニク注射を受けるべく、近所の内科へ!
ランクが500円から3,000円まで6種類ほどあり、明日が本番だから、明朝即効性のある3,000円のをお願いするつもり、と伝えたら、今日はサービスで、と1,200円でワンランク上の1,500のものを注射してくれるとのこと。
「注射」と言っても、実際にはベッドに横たわり、点滴。
「ニンニク」というので、本番前に身体がニンニク臭くなったらどうしよう、と勘違いしていましたが、薬液が身体を巡る際に、点滴されている本人のみ、ニンニクに似た臭い(正体はビタミン)が鼻を突くのがその名の由来らしく、ニンニクは一切入っていないとのこと。
点滴が始まると、本当にニンニクに似た臭いがしてきました!薬液が減っていくにつれて、徐々に頭がすっきりしてくる感覚があります。20分ほどで終了。かなり元気になりました。
さて、次の日朝起きたら、喉が風邪の気配。しかし、朝一番でプレミアムのニンニク注射を受けたら、気持ちも身体も力が漲ってきて、無事『龍田』を勤めることができました。
「龍田姫が実はニンニク注射を受けてきた」と聞くと、イメージを壊してしまいそうで告白に迷いましたが、夏バテでお困りの方は、一考の価値あり。
思い込みの「ブラシーボ(偽薬)効果」も多少あるかもしれませんが、人間時には思い込みも大事。
「プレミアムのニンニク注射」を打ったんだから元気いっぱい!と頑張れるなら良いじゃありませんか。
念の為看護士さんに、依存性は無いか聞きましたら、薬剤に依存性は無いが、精神的な依存性は人によってあるかも、と。
まあ、万事皆そうですね。
アスリートや我々舞台人も、ジンクスから逃れて、本番で最大の能力を発揮できることが難しいから、色々頼りたくなるのです。
ほどほどに、と自分に言い聞かせました。

テレビの力

流行ってますね、「杉ちゃん」。
ご存じ、
「ワイルドだろ~」
の人ですね。
私は、例の如くつい最近知りました。
ずいぶん前から、近しい先輩がモノマネしていましたが、何のことか(若しくは何が面白いのか)さっぱりわかりませんでした。
どこで覚えたのか、下の娘(4歳)が独り、パズルなどしながら、
「ワイルドだろ~」
と時々呟きます。
テレビの力はすごいですね。
遂に、野村萬斎さんのことを幼少から子供番組(NHK教育)で見ていて、狂言を通じて能に興味を持った、というお弟子さんが出てきました。
何でも良いのです。結果的にお能の面白さがわかってもらえれば。
萬斎さん、ありがとうございます。