弔意

昨年の暮れは、沢山の大事な方が亡くなり、喪に服すつもりでブログの投稿を控えました。

お名前は敢えて挙げませんが、能楽界で今後も斯界を牽引していただきたい方が、多数亡くなりました。

このような時に、ネット上で「巨星落つ」などと世間に吹聴・喧伝する方がありますが、これは本当の意味で、死を悼んでいないと感じます。
静かに見送り、黙って半旗を掲げたいと思います。

 

また、年が明けた今だからお話しできるのですが、能楽界に限らず、私の身近な方が亡くなりました。
15年以上担当してもらった美容師で、私より5歳も若く、妻と同じ年齢だった為に、かなりの衝撃を受けました。
数か月前から休みがちで心配していましたが、タイミング良く出勤して担当してくれたある時に、女性特有の病気で放射線治療を受けていることを、私にはそっと告白してくれました。

11月の末、私が「広忠の会」の『井筒』の申合せを終えて、本番を一週間後に控えた時に、彼女の美容師仲間から直接訃報を受けました。

私自身、何を聞いても心を強く持とうと思っていたはずが、それ以来体調が、経験したことのない最悪の状態となり、ほとほとまいりました。

今考えると、高熱やだるさから、インフルエンザだったのかもしれませんが、或いはこれが所謂厄年特有の、身体の変わり目だったのかもしれません。

『井筒』をそんな状態の中舞ったことが、成果として良かったのか悪かったのか分かりませんが、何とか無事勤めました。

顔にも、原因不明のかぶれが出現して、抵抗力が弱まっているのを感じましたが、やっと最近快復して、元通り元気になりました。

ここ1か月半ほど、周りに弱音を吐き続けましたので、現在ご心配には及ばないことをお知らせしたく、こんな悲しい話題を書くことをお許しください。

ベイマックス

昨日の朝は、七草がゆを家族で頂き、一家の一年の健康を祈りました。

子供達は次の日から小学校と幼稚園なので、休みの最後に遊んでやろう(もらおう?)と、縄跳びの相手をしました(してもらいました)。
ついこの前、出来なかったことがいつの間にか出来るようになり、日々の成長を実感しました。

そして、午後、久しぶりに映画に連れていってやりました。ウォルト・ディズニーの「ベイマックス」。
行き帰りは寒風でしたが、心が温かくなりました。子供達も、このまま優しく育ってほしいと思います。

いい映画でした。どんな所がって、それは、書いているうちに泣いちゃうから言えません。
ぜひご覧ください。お勧めいたします。

五人囃子(横浜・三渓園にて)

本日、横浜市の三渓園内、「鶴翔閣」にて、「鶴翔閣にて過ごすお正月」と題して、「五人囃子」の催しに出演しました。

 

鶴翔閣
これが「鶴翔閣」外観。茅葺屋根の素晴らしい建物です。

 

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鶴翔閣内の開場(開演前)。全3回・1回約40分の公演で、大勢のお客様にお越しいただきました。

 

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楽屋にて(大川典良・大倉栄太郎・栗林祐輔・森貴史の囃子方諸師)。

 

栄太郎氏
大倉師(右)と私。お正月ということで、裃姿。

 

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公演の合間にちょっと抜け出して三渓園内を散歩。晴天に恵まれ、初春の心地よい一日でした。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

本年も張り切ってまいります!何卒宜しくお願い申し上げます。

乱・和合(鏡の間)

乱・和合鏡の間

先日の、9月27日(土)時の花『乱・和合』にての、鏡の間の様子です。

早目に装束を着けて、姿見の前で精神統一。2人で心を通わせています。

撮影者はなんと辰巳満次郎師!
監督として大変お世話になりました。

凜太郎作・道成寺鐘

7月16日の当ブログで紹介しました、凜太郎作の道成寺の鐘、段ボール製の骨組みのみでしたが、やっと完成しました。

 

鐘1

けっこう本格的ですね。こうして写真で見ると、かなり大きく見えますが、実は、

 

 

 

鐘2

こんな感じ。床几(鬘桶)と比べると、かなり小さいことがわかります。

 多少父も手伝いましたが、私はできるだけ指導に回って、ほとんど凜太郎が作りました。

本物の鐘作りさながら、糸針でダーツを取ってパンパンに張っていきました。

将来、この道に入ることがあったら、内弟子修行でこんなこともやるんだよ、と話しながら、夏休みのひと時を過ごしました。

豊田市能楽堂中学生鑑賞教室・MOA美術館薪能

昨日、今日と2日間、愛知県の豊田市能楽堂にて、中学生の能楽鑑賞教室に出勤し、宝生流は4回、能『船弁慶』を上演しました。

名古屋出身の3名(衣斐愛・内藤飛能・私)と東京からの水上優師の若手4名で、1回ずつシテを勤めました。
このような機会は、我々若手の役者の勉強になるのはもちろんですが、子供達に能に触れる機会を持たせてくれる、毎年のこの催しは素晴らしいと思います。税収の多い豊田市ならではの事業でしょうが、全国のたくさんの自治体が、このように文化活動に力を入れてくださると良いですね。

少しでも若いうちに、まずは自国の文化を少しでも知って、将来外へ出た時に、外国人に胸を張って、日本にはこういう素晴らしいものがある、ということを伝えてほしいと思います。

 

 

明日は、MOA美術館薪能(熱海)。海を借景とした舞台の、夕暮れ時の美しさと言ったら!

能は『百萬(ひゃくまん)』(シテ 渡邊荀之助)と『岩船(いわふね)』(シテ 辰巳満次郎)。

凜太郎が、『百萬』の子方を勤めます。私は地謡。
昨年も、ここで『鶴亀』の亀役を勤めましたが、野外能ということもあり、父は心配、心配。

鐘・・・?

鐘(凜太郎作)

昨夜、長期の出張から帰宅したら、リビングにこんなものが。

これはもしかして・・・、鐘?(『道成寺』の)

私が『道成寺』を披いたのが、凜太郎2歳の時(現在7歳)。当時、写真のように段ボールを使って、凜太郎が十分入れるくらいの鐘を作り、綱をつけて天井から吊るして、凜太郎と「道成寺ごっこ」をしていたのです。それを覚えていたのか。

今後の作品の動静を見守りたいと思います。

東京涌宝会謡初(2月1日)

26年東京謡初め1

先日、2月1日(土)の東京涌宝会謡初の集合写真。横浜市の久良岐能舞台にて。趣があってとても良い舞台です。

 

 

26年東京謡初め2

素謡『橋弁慶』。本年9月21日(日)第2回和久荘太郎演能空間に備えて、凜太郎に牛若丸を勤めさせました。

 

終了後、上大岡駅至近、懐石「花里」にて懇親会。

お人柄の良いお弟子さんに恵まれて、私は幸せです。

名古屋涌宝会謡初(1月19日)

26年名古屋謡初め

皆さん良い笑顔。

少し前になりますが、1月19日に行われた、名古屋涌宝会謡初の集合写真です。

初舞台の方4人も、うちの会の温かい雰囲気にすぐに溶け込んでいただき、舞台後の懇親会も和気あいあいとしたものになりました。

私の両脇は、お能大好きな小学3年生と2年生。将来が楽しみです。