43歳 有難うございます!

43歳になりました。

みなさまからお心のこもったプレゼントを頂戴し、心が温かくなっています。

 

白髪はちらほら、老眼もごくわずかに発現。息子・娘はぐんぐん成長。

多少の老いは自覚しつつも、経験は深まり仕事盛り。ありがたいことです。

 

そして、みなさまの温かい気持ちに更に支えられて、今後もはりきってまいります!

 

明治神宮奉納

本日先ほど、明治神宮の秋の奉納能に出勤して参りました。

晴天に恵まれ、外国からの観光客も多く、神様のみならずお客様にもお喜び頂けたようです。

奉納の野天舞台

 

能楽協会による奉納で、毎回各流持ち回りにて奉納。

今回は、和泉流狂言『盆山』と、宝生流半能『融』(シテ 朝倉 俊樹師)。私は、地頭を勤めさせて頂きました。

 

最近、地謡後列でも重要な位置で謡わせて頂くことが多くなり、誠に有難いこと。今月も、今日から毎日のように各地で舞台出演が続きますが、東京・水道橋の宝生会の定期能以外では大半が後列で謡うので、大変な勉強と経験になります。

 

今後とも気を引き締めて稽古と舞台に臨みます。

JR東海 御中

ゆで卵が大好きです。

 

JR東海道新幹線のキオスクで売っている「タマゴロウ」という商品が、塩加減も抜群。今日も、名古屋から始発での帰京の前に、2個セットを購入して乗り込みました。

 

サンドイッチとJR東海ご自慢の香り高いコーヒーを食した後、楽しみにとっておいたゆで卵をいそいそと取り出し、いざ割ろう、と前の座席のテーブルに打ち付けました。

「あれ、割れない」

重ねて打ち付けるも、全く歯が立ちません。最近のテーブルは柔らかい樹脂製のようです。そうか、いつもならば、窓側に座るから、窓枠に打ち付けて割っていたのでした。

 

他に硬い物がないかとキョロキョロ見回すと、隣の席との間にある肘掛けが目に入り、「よし、これだ」と、「ちょっと失礼します」と隣の方に小声でご挨拶して、ゆで卵を打ち付けると‥、やはり樹脂製で、跳ね返されてしまいます。

早朝にもかかわらず、パソコンで仕事をしている私の両側の方の私を怪しむ目が段々気になってきました。

もう硬い物は辺りに見当たりません。こうなったら、と、自分のおでこに打ち付けたら、みごと、粉々に割れました!

そして、両隣の方の笑いをこらえる気配に気付き、赤面‥。

 

今朝の新聞で、東海道新幹線の新しい車両「N700S」が開発中で、全席の肘掛けにコンセントが付いているとのこと。私的な要望ですが、肘掛けはぜひとも硬い素材で作って下さい。

サイン・コサイン・タンジェント

人生で、初めてサインを頼まれました。

 

いえ、クレジットカードとか、宅急便受け取るときの、あれじゃありません。

例の、有名人がサインペンでサラサラと色紙や、差し出されたTシャツに書く「あれ」です。

不意をつかれたので、嗚呼、日頃から練習しておけば良かった、と悔やまれます。かのジャイアンも、いざというときの為に、日頃からサインの練習をしていました。

 

確かに、能楽師は芸能人であり、私は「東京芸能人国民健康保険組合」なるものにも所属しているのですが、サインを求めて頂いたのは初めて。

よくある、絵やハートなどと組合わせたような、何が書いてあるんだかわからない、チョットカッコいいものをサラサラ書いてしまおうかと思いましたが、4枚求められましたので、1枚目は適当に書けても、二度と同じものは書けないから、4枚とも全く違う仕上がりになってしまうだろうと瞬時に判断し、私なりの丁寧な文字で、フルネームを直球勝負で縦に真っ直ぐ書きました。

あて名も書いてほしいとのこと、よくありがちな「◯◯さん江」の「江」というのはなんだかこっぱずかしいので、きちんと「◯◯様」と硬派に。

 

あのタレントなんかが書く、ミミズがのさばったようなそれらしいサインは、皆さん自分で一生懸命、あーでもないこーでもないと考案するのですかね?なんだか、それもチョット恥ずかしいような‥。しかも、どの時期に?ちょっと売れ始めて、そろそろサイン頼まれるかなぁ、という時期に、色紙を山ほど購入して、ジャイアンのように密かに練習するのでしょうか。そして、誰もサインを求めてくれなかったら‥。

 

多分、そういうのを専門に考える方がいらっしゃるのでしょう。いや、そう信じたい。(私のも考えてほしい‼︎)

 

しかし、次回からはちゃんと書けるように用意しておかなければ。その次回はいつ来るのかわかりませんが。

いやまてよ、もし他の人(能楽師)が、同じように悩んでいたら、「そんな暇があったら(本業の)稽古しろ」と言ってしまうかも。

 

やはり、私は硬派の直球勝負サインでいこうと思います。

松島 遊覧船

前回の投稿にて、名東高校能楽研究部の、みやぎ総文祭出場をご報告しました。

その本番の前々日に、総合リハーサルがあった為、都合3日間、宮城県多賀城市に高校生と顧問の先生方と共に滞在しました。

中日の2日目は、やはり朝から全員が稽古に励んでいましたが、舞囃子『船弁慶』の、既に高校生として出来る範囲のことを更に乗り越え、あとはベストコンディションで、心を落ち着けて本番を迎えることが最上と判断し、午後は皆の緊張を解きほぐす為に、松島の遊覧船観光を提案しました。

 

みんな、緊張のほぐれた良い顔!

翌日の本番は、最大の力を出し切ることが出来ました。

 

ところでこの写真、私の例の、得意の自撮り棒にての作品。この自撮り棒の欠点は、撮影者の顔が一番大きく撮れてしまうこと。(実際、一番大きいのですがね)

 

いやしかし、だんだん私の子供世代になってきました‥。

みやぎ総文2017(名東高校能楽研究部)

本日、宮城県多賀城市の多賀城市文化センターにて、みやぎ総文2017(第41回全国高等学校総合文化祭)の日本音楽部門に、名東高校能楽研究部が出場しました。

 

今年1月の愛知県大会にて舞囃子『鞍馬天狗』を披露し、上位2校の内に選ばれ、今回の全国大会の出場権を得ました。

今回は、舞囃子『船弁慶』。平知盛の幽霊が、長刀を持って義経一行の舟に襲いかかる能『船弁慶』のクライマックス。シテ・子方・笛・小鼓・大鼓・太鼓・地謡の全ての役を、高校生のみ、計14人で演じました。

 

本番、素晴らしい出来。たった数ヶ月で、高校生にここまで出来るものなのか、と、部員一人一人の、物事の吸収の早さと表現力、高校生らしい一致団結した力に、心から感動して、不覚にも涙しました。

彼等にとって、素晴らしい人生の思い出の1ページとして、心に刻まれることでしょう。

 

いいなあ、「若さ」って!

カナブン②

カナブン事件第2弾。

 

一昨日、甲府のお弟子さんの稽古の帰り、新宿からの山手線車内。横長の座席の前に立った私。

目の前の若い女性二人が、突如として「ビクゥッ‼︎」と凄い形相をしたのを見て、私も「ビクゥッ‼︎」としてしまいました。

面識が無いらしいその二人は、やがて何事も無かったかのように普通の表情に戻ったのですが、私は何が起きたか程なく理解しました。

 

ふと、女性の一人に目をやると、なんと、彼女の長い髪の毛に、エメラルド色の光沢を持った美しいカナブンさんが!まるで髪飾りのようにへばりついていたかと思えば、悠然と自分のテリトリーの如く動き周り始めました。

 

隣のもう一人の女性も、やがて気付いたようで、加藤茶のような二度見をしたあと、少し間を置いて席を立ってしまいました。(「逃げたな!」と私の心の声)

そして、空いた席には、危険を察知しない別の若い女性が、テトリスのブロックの如くスッポリ座りました。

 

さて、ここで私の(無駄な)正義感が湧き上がってきて、はてどうしたものかと思案。

紳士然として、

「お嬢さん、美しい髪にカナブンが付いていますよ」

などと声を掛けたり、

「いいですか、お嬢さん、私が今から言うことを驚かないで聞いて下さい。髪にカナブンが。」

とか言っても、いずれにせよ最初は変質者扱いされて、カナブンさんに気付いたら、女性は叫び声を上げて、カナブンさんがそれにたまげて「ぶ〜ん」などと飛翔したら、それこそ車内はパニックになり、私は一時的に警察のお世話になるかも、

かと言って、このままこの場にいれば、先日のカナブン事件第1弾のように、必ずや、私の反射神経が勝手に身体を動かして、女性を打擲し、いずれにしても警察のお世話は免れまい、と思い、結果的にその場を逃げ去って、隣の車両に移動したのでした。

 

今なお、これが正しい判断だったのか、自問自答しております。

カナブン①

最近、カナブンづいています。

 

「カナブンづく」

という日本語は、私の造語でしょうが、最近起こったカナブンに関する事件2つ。

 

先日の久良岐能舞台にてのお弟子さん(女性)の稽古中、大きなクマンバチ(実はカナブンさん)がお弟子さんの周りを飛翔し始めたので、

「動かないで。刺激すると刺されますよ」

という言葉を発する間も無く、お弟子さんは広げた扇で払い始めたので、

「いけない、このままではお弟子さんが刺される!」

と即座に判断し、お弟子さんの腕に止まった瞬間、若い頃武道で培った私の反射神経(脳を通さない一瞬の脊髄反射)が、勝手に反応し、閉じた扇で、

「スパーン‼︎」

と、打ち付けました。

見事命中、かと思いきや、カナブンは「ぶ〜ん」と飛翔して舞台天井のライトへ。

 

私は、うら若き女性の腕を、しこたま打擲しただけでした。(Sさん、申し訳ありませんでした_| ̄|○)

 

(続く)

無事帰国しました

昨日、無事イタリア公演から帰国致しました。

例の自撮り棒を活用した1枚。ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂のクーポラ(ドーム)をバックに。

 

今回のイタリア行では、自撮り棒が大活躍で、かなりの枚数を撮影したのに、自分一人で撮ったのはこれ1枚。あとは、全て仲間の能楽師がいっぱい写っていて、我々には著作隣接権と肖像権の問題がありますので、ここには載せられないのです。

しかし、自分一人だけで撮るって、意外と恥ずかしいものですね。

 

この帽子は、あまりの日差しの強さに、ヴェネツィアで急遽購入したもの。この日のみは終日観光できたのですが、翌日からは『翁』の千歳と、『復活のキリスト』のマグダラのマリア役が控えているので、日焼けするわけにいけません。広幅のを選びました。更に日焼け止めを塗りまくり。

 

ところでこの自撮り棒、往路のトランジットの、フランクフルト空港にて手荷物検査に引っかかり、「何だこれは」と止められる始末(予想はしていましたが)。

 

長く伸ばし、スマホをセットして使い方を示し、決して特殊警棒などの武器ではないことが分かると、笑顔で「OK」と。肝を冷やしました。

オリンピコ劇場(ヴィチェンツァ)

 

6月21日、イタリア・ヴィチェンツァ・古典フェスティバル公演のオリンピコ劇場。

舞台天井

 

舞台をパノラマ撮影

 

奥行きがある(ように見える)舞台

 

フィナーレのカーテンコール

 

私は、宝生宗家(和英師)の『翁』の「千歳」と、金剛流若宗家・龍謹師の『羽衣』の副後見を勤めました。