SAUSAGE②

(続き)

同音異義語(と言って良いのかわかりませんが)で有名なところでは、

「汚職事件」と「お食事券」

これなんかは、誰もが(?)子供の頃は勘違いしていたのでは。私もその一人です。

 

「更新料」と「香辛料」

や、

「数パーセント」と「スーパー銭湯」

あたりになると、「空耳アワー」的になってきます。

 

能の謡で有名なのは、

『船弁慶』の後半、船中にてのワキ(弁慶役)の謡

「この御舟の陸地(ろくじ)に着くべき ようも無し」

が、

「6時に」

と聞こえて、「なるほど、この舟は遅れてて、6時には到着できないのだな」と、大体の子方(義経役)が勘違いします。

 

また、『竹雪(たけのゆき)』という珍しい曲では、やはり子方の謡

『さりとては  払わで  かくて  あるならば』

これは、意地悪な継母が「竹の雪を払え」と言って、大雪の中を庭に出されて、絶命してしまう前に謡う大事な一句ですが、これが謡い方によって、

『腹は  でかくて  あるならば』

と聞こえてしまいます。

 

『経政(つねまさ)』では地謡の、

 

「されば  彼(か)の  経政は」

があり、やはり謡い方によって、

 

「され  馬鹿の  経政は」

と聞こえてしまいます。

 

「SAUSAGE」「双生児」から、やはり能へ話が繋がるのでした。

SAUSAGE①

先日、お中元に頂いた美味しいソーセージを家族で頂いているときに、ふと、「sausage(ソーセージ)」と「双生児」は、国をまたいだ同音異義語だなあ、と思いつき、小3の娘に、

「双子のことを双生児と言うんだよ」

と、教えたら、

「お父さん、ひどい」

と。私が、双子のお友達に対して「ソーセージ」とあだ名を付けたと思ったのでしょう。やや怒った顔をしたので、すぐさま弁解しました。だって、父親は娘に嫌われたくないから。

 

そう言えば昔(相当前)、矢来能楽堂に行くのに、その近くに「新潮社」があるので、タクシーに乗り込んで、

「新潮社へお願いします」

と言ったら、都庁に連れて行かれたことがありました。当時、新宿区に出来た都庁はまだ新しく、

「新庁舎」

と呼ばれていた時代でした。

(続く)

2回目の声帯ポリープ摘出手術②

(続き)

今回手術が決定したのは、今から2ヶ月半前の9月末。大事な役(面・装束を付けて演じる一役)や、地謡が12月まで続いており、お客様に「あんなに大きな声出しちゃって大丈夫かしら」などと、ご心配を頂きながら舞台を見て頂くのは良くないと思い、出来るだけ公言しないようにしてきました。

前回は、生まれて初めてのポリープですから、声が出なくなってきたり、謡うと極度に疲れるのは、年齢のせいかと思っていましたか、そうではありませんでした。

しかし、今回は、「あの時だな」という、ポリープのきっかけを自覚しております。8月と9月に、自身の稽古、社中の稽古、舞台出演で、睡眠を削ってかなり無理をしたのです。

声が出なくなって、9月中旬に診察を受けたら、「和久さん、血豆ができちゃってますねえ。最近出血したでしょ。」と。出血に関しては、全く自覚がありません。主治医曰く、この血豆がうまく吸収されれば、ポリープにはならないので、1週間の沈黙療法をしましょうとのこと。

かくて9月末の1週間、お弟子さんのお稽古を全て休み、その期間の唯一の大事な舞台(ワキ方・御厨誠吾師主宰の会にての舞囃子『松尾』)があり、それだけは手加減せずに勤めました。

(続く)

夢でござる

名古屋行き新幹線車中。

今日は、明後日12月3日(日)名古屋能楽堂に於いて開催の、「名古屋能楽堂12月特別公演」の申合せ。宝生流は、能『葛城・神楽』(シテ 玉井 博祜)。私は、地謡4番手を勤めます。

その後、桜山舞台にてお弟子さんのお稽古。

 

最近の投稿で、新幹線ばかり乗っていますが、最近能く乗るようになったのではなく、最近能くブログを投稿するようになった、というのが正解で、いつものこと。おしなべて年間120万円位をJR東海御中にお支払いしていますが、最近のある月は20万円を超えてさすがにたまげました。

 

「和久は、さぞ忙しくて相当儲かっている」、と思って頂いている方、有難うございます。そのまま、夢を見て頂ければ嬉しく思います。

内情は‥、ご想像にお任せ致します。

お弟子さんのお稽古に関しては、交通費や稽古場拝借料はご負担頂いていないということだけはお伝えしておきます(甲府を除く)。

 

大儲けする為にする仕事ではないとはいえど、「儲かっている先輩がいる」というのは、業界的には夢がありますから、若い方や、これからこの道を志す方にとっては大変良いことだと思っています(なんという強がりでしょうか)。

 

いけない、私のポリシーは、皆さまに常に夢を見て頂くこと。『吉野静』のシテ謡に「言葉多き者は品少なし」とあります。この辺で。

飛鳥舞台稽古

本日は、久々の自宅(飛鳥舞台)にてのお弟子さんの稽古日。

舞台出演や長期出張が続いた為、月の後半に無理矢理寄せたのです。いつも私の都合に合わせて頂き、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

朝9時20分から、夜21時40分までびっしり。途中、昼御飯休憩60分と、晩御飯40分の2回休憩を取りますが、それ以外は休み無くぶっ通し。疲れないかと聞かれますが、それほど疲れません。むしろ、少し間が空いてしまう方が、気が抜ける為か、どっと疲れます。

朝は、6時半起きで、朝食前に先ず息子の稽古をします。お役が控えていない時期は、基礎の謡と仕舞の稽古。今は、12月16日(土)に、五雲会にての能『生田敦盛』の子方が控えていますので、それを中心に稽古。

朝食を済ませて、子供たちが登校した後に自分の稽古。但し、お弟子さんの稽古日はすぐお弟子さんがこの後お越しになるので軽く済ませ、稽古日以外にしっかり時間を取ります。

それでは、今から始めます!

武田神社の紅葉

昨日は、甲府のお弟子さんの稽古日。

稽古場の武田神社も、紅葉が見頃です。

野外の能舞台「甲陽武能殿」。この舞台でいつも仕舞の稽古をしているのです。素晴らしい環境。

 

甲陽武能殿の裏手。

 

舞台の上から垣間見る富士山。

Twitter

先日、ついにツイッターを始めました。

 

そして、翌日やめました。

 

一応何でもやってみないと何も言えないと思い、アカウントを作って3回ほど投稿してみましたが、誰も全く何の反応もありません。

虚空に向かって独り呟くようなこのむなしい感覚。始めたばかりなのでもちろん当然なのですが、人からの反応を待って度々チェックしてしまう自分の浅ましさと、もし反応があったとしても、律儀に返信を小まめにしたりして、結局息苦しくなってやめてしまうだろう、ということが予想され、直ちに脱会しました。

 

フェイスブックのとき同様です。あの時学習したはず。

あれも、交流は楽しいし、多少仕事の宣伝にもなるのかもしれませんが、私には合いませんでした。スマホばかり弄って、日常生活の物事の集中力が欠如するし、良くないのは、「集中力が欠如しても平気」な悪癖が、当時付いてしまったことです。集中力は、毎日の生き方で作り上げていくものだと思いますが、すぐ私は楽な方に流れるから。

 

出来るだけネット環境を遠ざけようとしているのに、次から次へと楽しいものが登場しますね。

でも、このブログだけは、どうも皆さんの励ましに支えられているようです。サボると、面と向かって仰って頂く方が有難いことに沢山いらっしゃいます。くだらないことしか書いてないのに。

恐れ入谷の鬼子母神。

名東高校能楽研究部員から

先日の誕生日に、名東高校能楽研究部員のみんなから、手作りのクッキーを頂きました。よくご覧ください。様々な種類の能の面(おもて)をかたどっています。能面でないお面も挟み込んであったりして中々ウィットに富んだ作品。

道成寺の釣鐘と蛇体も!

後で聞いたら、本当にみんなで作ってくれたらしく、心から嬉しく思いました。

ウチの子供たちも大喜びで、美味しく頂きました。

 

と思ったら、一昨日の稽古で男子部員2人から、下の写真の物を頂きました。

なんと、東レのメガネ拭き。高級なんじゃないですか、もしかして。お金使わなくていいんだよ。

しかしさすが、メガネ男子仲間。よく分かってる。本当に拭きやすくて重宝しています。最近新しいメガネを発注したところなので、手入れが楽しみ。

 

みんなの「気持ち」が嬉しい。

かわいいです、高校生。

カーシェア2

(続き)

頻繁な出張先の名古屋では、東京のようには交通網が張り巡らされていないので、大変重宝します。常宿のホテルの近隣に、カーシェアの基地が沢山有り、名東高校へは車で行くことが増えました。もちろん、お金はかなり余分にかかりますが、時は金なり、移動の無駄も減り、炎天下や大雨のさなか、重い荷物を引いて歩き回ることが少なくなり、段々と若くなくなってきた身としては、本当に助かります。

 

こんなに便利なカーシェアですが、当然、借りた車は元の基地に返却せねばなりません。欲を言えば、「乗り捨て」が可能になればなおのこと良いなあと。レンタカーは、中々の料金が加算されますが乗り捨てが可能です。

 

と思っていたら、昨日の日経に、「セブンイレブン・ジャパンによる『自転車シェア』が始まる」旨の記事を読みました。カーシェアの自転車版で、セブイレブンを基地として貸し出し、しかもなんと、どこのセブイレブンに返しても良いとのこと。すばらしい!実は私、自転車も持っていないのです…(もちろん自転車乗れますがね)。セブイレブンならば、近所に3つはあります。やった!カーシェアと自転車シェアを組み合わせれば、私は水を得たうおの如し。行動範囲がかなり広がります。元来新し物好きの私、今か今かと「自転車シェア」を待っています。

 

「覚え物の時間が減ってしまう」、のポリシーはいずこへ…。

酉の市(巣鴨 大鳥神社)

昨日、能『松虫』を勤めた五雲会終演後の夜、来る年の家族の健康と商売繁盛(?)を願って、酉の市に参りました。

 

家元(先先代及び先代)の、住み込みの内弟子時代(18歳〜30歳)からの恒例で、その折は浅草の鷲(おおとり)神社に参って、宝生家の熊手を入手しましたが、独立してからは巣鴨近辺に住まいしていますので、巣鴨・大鳥神社に毎年参ります。

 

独立してすぐ結婚したので、最初は夫婦のみでしたが、いつの間にか大きいのが2人くっついてくるようになりました。

いずれそう待たずして、また2人だけになってしまうのでしょう。貴重な人生の一コマかもしれません。