学生は宝

新幹線で名古屋に向かっています。

週明けの6月25日(月)から販売開始すべく、演能空間の自由席チケットとチラシを持って、名古屋市内プレイガイドを回ります。

そして、レンタカーを借りて、あるお弟子さんの代稽古(お一人)に向かい、名東高校の稽古、最後に愛教大の稽古。休むヒマがありません。

いよいよ明日は、全宝連の学生自演会。名東高校と愛教大の応援に参ります。もちろん、他の大学の発表も楽しみ。学生は宝です。

父の日に

昨日は父の日。日曜日ですから、当然のように舞台がありました。熱海のMOA美術館能楽堂にて、能『項羽』(シテ 宝生和英宗家)の主後見と、新作仕舞『覇王』のツレ・修理夫人役(シテ 辰巳満次郎)。

ただ、例年の父の日は、第3日曜日の為名古屋宝生会定式能に必ず重なっているので、10代の頃から父の日は家にいたことがありません。今年は、諸事情により、初めて名古屋宝生会定式能が第4日曜日に変更になったために、第3日曜日には代わりに別の催しが入ったというわけです。

しかし、名古屋と違って熱海は東京に近いので、早く帰ることが出来、夜は家族と過ごせることに!久しぶりに、家族で外食を楽しむことが出来ました。

腹も心もいっぱいで帰宅後、凜太郎の部屋を通りかかると、

「お父さん、これ」

と渡されたのがこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日大きい声で稽古をしているお父さんの喉を気遣って、なけなしの小遣いで用意してくれていました。

おまえの可愛さ加減には、父さん嬉しくて涙が出てくるわ。

電話野郎

 「電話野郎」

 

この言葉をご存知でしょうか。

アポ無しで、いきなり電話をしてくる人(主にオジさん)のことらしいのです。

つい最近この言葉を知り、

「え、アポって、どういうこと?」

と、一瞬考えましたが、電話する前に、「今から電話してよろしいでしょうか」、と、メールやLINEなどで予めアポを取って、相手の都合を確認してから電話をするべき、という価値観の若い方が増えていて、いきなり電話をしてくる上司や年配の男性は煙たがれているようです。

ああ、正に私は「電話野郎」。

思い当たる節は数多ありますので、きっとそう呼ばれていることでしょう。

昔は、「電話で失礼致します(本来お伺いして直にお話しすべきところ)。」とか、時代が下がると、「メールで失礼します(一筆啓上すべきところ)。」などと言ったものですが、メール(またはLINEなど)というツールの方が、相手の都合を考えていることになるのですね。

これらは、世代により色々な考え方があるかと思いますが、冷静に考えてみれば、若い世代の考え方に共感出来るような気がします。

「俺は電話野郎でいい!」

と開き直ることは簡単ですが、私は、柔軟に対応したいと思います。

でも、緊急時の「電話野郎」はお許し下さい!

何ができるか

ある舞台出演の為、札幌にきています。

飛行機はあまり好きではありません。年に1回乗るか乗らないかという頻度ですが、毎回空港の搭乗システムが少しずつ進化していくのについていけず、不安で仕方がありませんので、かなり早く空港入りします(若い頃、一度飛行機に乗り遅れて大失態を犯した経験があり、それもトラウマになっています‥)。

海外公演のときは仕方ありませんが、国内ならば出来る限り飛行機を使わず、新幹線や電車で参ります。きっと変わり者と言われていると思いますが、自宅(東京)から広島・福岡・仙台行くらいは、まず新幹線を選ぶほど電車が好きで、長時間乗っていても全く苦になりません。

 

東京・名古屋間の往復は、年間のJR東海への支払いが100万円を優に超えるほどとなります。

さて、連日報道されているように、先日、東海道新幹線車内で大変いたましく、許しがたい事件が起きてしまいました。

あの日のあの時間、私は京都にての舞台の帰りで、事件とは逆の登りの新幹線に乗り合わせており、横浜駅の手前で急停車しました。車内アナウンスでは状況説明は無く、何が起きたかは翌日のニュースで知ることとなりました。

女性の盾となって立ち向かった、勇気ある被害者には心よりお悔やみ申し上げますが、果たして、自分だったら何ができたのだろうか、と自問自答の日々です。

事件は「下りの」「12号車」で起きた、ということも、心に引っかかる要因で、私は下りの新幹線は、好んで12号車に乗ることに決めているのです。

今後は、公益性や利便性など(そして会社の利益も)を多少犠牲にしてでも、何らかの対策は必要、という流れになっていくことを期待します。やはり、何事も「もしも」という考えを前提に動くべきですね。我々乗客も、それを受け入れる体制・心構えが必要ということだと思います。

久良岐能舞台の紫陽花

梅雨に入り、久良岐能舞台の紫陽花が見頃です。

涌宝会大会 盛会にて

去る6月1日(金)2日(土)の涌宝会大会、おかげさまで無事開催することが出来ました。大勢のお客様にご来場頂き、心より感謝申し上げます。

出演社中の人数とそれほど変わらない、40名を超える能楽師(シテ方・ワキ方・狂言方・囃子方)に支えられ、社中皆熱演することが出来ました。

「お弟子さんは、私の作品」。

私自身、舞台上で客観的に自分の「作品」をながめて、大変勉強になりました。能は技術ばかりではなく、特に人間性が表れます。我々職業人としての能楽師が特に自戒しなければならないことですが、技術偏重や慢心になれば、それが舞台に出てしまい、鼻につくものです。私のお弟子さんには、1人もそのような方が見当たりません。これは、私も大変誇りにして良いことだと思っております。

 

さすがに、大会翌日は私も仕事を入れずに休みにしましたが、会の事務処理や着物・道具類の片付けに追われ、少し疲れを感じました。

そして翌々日の月曜日はなんと飛鳥舞台の稽古!皆さん休まずにお越しになり、大会の感想をお聞かせいただき、また新しい曲を稽古し始めました。飽くなき探究心とやる気に敬服いたします。

 

そして私は、大会が済んだかと思えば、続いて、本年9月30日(日)名古屋能楽堂にて開催の「第5回 和久荘太郎 演能空間」のチラシ・チケット・ポスター制作や販売手段の最終準備に取り掛かっております。

チラシは、今月下旬に完成予定。当ホームページに「演能空間専用ページ」を開設してチラシPDFデータをダウンロードできるようにし、ネット販売も開始いたします。

過去にアンケートをご記入いただいた方や、ご来場頂いた方には、チラシを優先的にご郵送する手はずを整えております。

どうぞご期待ください!

元気です

生きてます。すこぶる元気に。全く病気無しです。

12月の声帯ポリープ切除手術後から4か月経ち、声もフルボイスで平気で出しています。

 

久しぶりの投稿。いつものことです。ご心配頂いた方、すみません。

3か月間頻繁に投稿していたかと思うと、3か月間音沙汰なし、というパターンが出来上がってきているような気がします。

 

なぜこうなるのか、私にもよくわかりません。

ただ言えるのは、投稿しなくなるきっかけは必ずあります。

きっかけは一つではなく、多岐にわたりますが、一番多いのは、「無言の抗議」かもしれません。

「世の中」の色々なことに対してのこともあれば、「身近な人」に対してかもしれないし(?)。

 

正に、「投稿拒否」。

 

大事に思っている方が亡くなった時も、投稿を控えてしまいます。「巨星落つ」などと吹聴したり、生前仲良かったことを世間にアピールなどせず、静かに悼み、半旗を掲げたいと思います。

 

さて、新年度に入り、昨日は川村学園女子大学の授業が始まりました。「能の謡と仕舞」という名の授業で、水曜日に4・5限連続にて謡と仕舞を指導します。今年度の履修登録者は7名。第1回は、「鶴亀」の謡と、仕舞の基本動作を稽古しました。皆、なかなか筋が良く、話も一所懸命聞いてくれて、私もやりがいがあります。

6月2日(土)には、宝生能楽堂にて開催する私の同門会・涌宝会の大会があり、朝一番で連吟「鶴亀」を無本にて発表してもらいます。これもなんと、カリキュラムの一つで、実技試験を兼ねています。

 

授業帰りの電車で、名東高校(名古屋市立)能楽研究部の新入部員が8名入ったと、部長から嬉しい報告!来週みんなと会えるのが楽しみです。

LOGAN

車を運転する際に、矢印信号がやや見にくい気がするので、先日、メガネを新調する為に、かかりつけの眼科に行き、視力検査を受けました。

 

私と同い年の男の先生が、

「和久さん、老眼少し出てますねー」

と、意地悪く言うので、

「そんなはずはない」

と私。実際、不自由したことが無いし、まだ43歳、老眼はまだ先のこと。すると先生は、「これ見えないでしょ」と、まるで米粒に書いたような字の大きさの本を、目の前10センチ辺りにかざすから、

「見えるわけないでしょ!」

と言うと、「見えるわけないですよ、老眼だから。」と先生。ご本人も、軽い老眼が出ているとのこと。

 

それからというもの、日に日に見えていないことを自覚し始めたら、気になって気になって仕方がないのです。やはり、明らかにメガネを外した方が良く見える。

これが「老い」というものなのか、と、やっと自覚しました。眼科の先生に完敗です。

 

しかし、肩凝りなんかもそうらしいですが、あの時自覚さえしなければ、このままいけたのでは、と思うのですが、やはり私が間違っているのでしょう。日頃、威張っている人も賢いと自負している人も皆、人間誰しも自分のことが一番わからないものです。

 

さーて、オシャレな老眼鏡作っちゃおうかな。

解説三昧

本日は、岐阜のサラマンカホールにて、解説(20分間)を勤めました。

 

昨日も、宝生能楽堂の夜能にて、解説(鼎談。25分間)を勤めました。

 

そして、明日も、名古屋宝生会定式能にて、解説(25分間)を勤めます。

 

3日連続で解説を勤めるなんて初めてのこと。誤解頂きたくないのですが、決して嬉しくはありません。だって、公衆の面前でお話をするのは苦手だから。お客さまには申し訳ありませんが。本当は、逃げ回りたいくらい。

解説の前日は、緊張して眠りが浅くなります。

やっぱり、舞って謡っているのが一番大好き。

 

甲府謡初

一昨日1月19日(金)、山梨県甲府市・武田神社の甲陽武能殿楽屋にて、恒例の謡初を致しました。

常は、屋外能舞台で稽古していますが、冬季は凍えますので、楽屋にて。

先日の久良岐能舞台にての謡初同様、声帯ポリープ切除手術後、どの程度リハビリが進むか判断が難しかった為、私は地頭に入らず、皆さんだけで謡って頂きました。皆さんのご厚意に感謝。

写真は、連吟『鶴亀』の様子。涌宝会(ゆうほうかい。私の社中会)では、常に『鶴亀』は無本(謡本なし)で謡いましょう、ということにしています。

他に、連吟『枕慈童』『紅葉狩』。そして留めに、附祝言(つけしゅうげん)『五雲』。これだけは私も同吟しました。

 

終演後は会食。6月1日(金)2日(土)宝生能楽堂にて開催予定の「涌宝会大会」を視野に入れて、皆さんの発表する曲をご相談しつつ、楽しい食事会でした。