足利能

明日10月5日(土)は、「足利能」に出演いたします。15時開演、栃木県足利市・足利市民会館大ホールにて。

会の初めに、私が10分ほど解説をさせていただき、番組は以下の通り。

【仕舞】
『八 島』 小倉健太郎
『三 山』 朝倉 俊樹
『野 守』 和久荘太郎

【舞囃子】
『船弁慶』 宝生 和英

【狂言】
『清 水』 野村 万蔵、野村太一郎

【能】
『巻 絹』

シテ 大坪喜美雄
ツレ 小倉伸二郎
ワキ 野口 敦弘
アイ 小笠原 匡
笛  小野寺竜一
小鼓 田邊 恭資
大鼓 亀井 広忠
太鼓 徳田 宗久
地謡 朝倉 俊樹他

 

去る8月27日に、同会館小ホールにて講演会(ワークショップ)をさせて頂きました。

また足利の皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!

三保羽衣薪能

来る10月12日(土)16時半~19時半頃、静岡市清水区三保の「羽衣の松」前特設舞台にて、「第30回 三保羽衣 薪能」が催されます。

 

能『羽衣』

シテ 佐野由於
ワキ 安田登

 

狂言『樋の酒』

シテ 三宅右近

 

能『船弁慶』

シテ 佐野登
子方 和久凜太郎
ワキ 安田登

 

ご存じの通り、三保の松原は先ごろ世界遺産に指定され、この催しも大変盛り上がりを見せていて、全席完売だそうです。

凜太郎に、初めて『船弁慶』の子方のお役(義経役)をいただきました。
小学1年生にはかなり難しい役ですが、長期計画で稽古しております。

先日の第1回和久荘太郎演能空間では、この役を敢えて息子を使わず、名古屋在住の片桐賢君(小学4年生)にやってもらいました。
ご覧になった方は良くお分かりと思いますが、大きな声が出て、堂々と義経役を勤めて、これからが楽しみな子方です。

なぜ自分の息子を使わないのか、と各方面から度々ご質問をいただきましたが、凜太郎は東京では、3歳で初舞台を踏んで以来、毎年たくさんの役を既に頂戴しておりますので、名古屋の子方に機会を与えたい、という考えと、私自身が息子と共演すると、自分の演技の集中力が欠けると判断したからです。

子方は、ただ舞台を勤められれば良いものではなく、本番に向けた体調管理や指導・稽古を家族一丸となって進めていかなければなりません。
なにしろ今回は、演能空間自体が「第1回」でしたので、我々夫婦も準備に手一杯になり、万全の態勢で凜太郎に舞台を勤めさせることができないだろうと予想しました。

また、「お客様の目」というものを大事にしたいと考えているのです。
これは、人によって考え方が違うと思いますが、「親子共演」になると、どうしてもお客様も「静御前と義経」または、「知盛と義経」という舞台設定に、「父と子」という、親子関係を垣間見てしまい、舞台鑑賞に差し支えると考えました。(これが、『歌占』や『隅田川』のように、劇中も親子関係であれば、また違うのでしょうが)

これは、私自身常に感じていることで、他流の能を忍んで拝見するときでも、どうしてもそのような感情が良くも悪くも邪魔をして、能の「演劇」としての部分に集中力を削がれます。

私のお弟子さんや関係者は、私と凜太郎の親子共演を単純に喜んでいただけると思いますが、そればかりではないはずです。

能を「演劇」として捉えた時、親子を超えた演技ができれば良いのかもしれませんが、それでも、一部のお客様には、「親子」として見る雑念が入ることでしょう。

 

以上のような理由から、先日の演能空間では、凜太郎に子方をさせずに、名古屋の片桐賢君にお願いしました。自分でも正解だったと思います。
しかし、すぐに次の月に凜太郎に同じ『船弁慶』の子方のお役を頂戴したので、演能空間では、見所(けんしょ。客席のこと)から勉強させました。

三保羽衣薪能では、初役で、しかも能楽堂ではない野外の薪能。ピンマイクを使うことでしょう。全てが初めてのことですので、私も心配です。

 

私は、『羽衣』の地謡と『船弁慶』の後見にて出演します。

9月14日(土)五雲会 能 『阿漕』

9月五雲会表 9月五雲会裏

来る9月14日(土)宝生能楽堂(東京・水道橋)にて催される五雲会におきまして、

能 『阿漕(あこぎ)』

のシテを勤めますので、ご案内申し上げます。

 

「あこぎ」と聞くと、「アコギな商売」や「アコギなやつ」という言葉が浮かんできますが、まさにその通りで、その語源となった話を、能として作り上げています。

 

伊勢神宮に供える魚を捕る禁漁区である、「阿漕が浦」で、夜な夜な密漁を繰り返した阿漕という男(伝説では「阿漕の平治」という)が、遂に見つかり、簀巻きにされて、沖に沈められます。

そこから、強欲をむさぼることを「あこぎ」と言うようになりました。

 

能は、

日向の国(九州)から、伊勢神宮参拝に来た僧(ワキ)が、途中阿漕が浦に立ち寄ると、年老いた漁師(前シテ)に出会うところから始まります。

実は、この浦の沖に沈められた男の幽霊であることをほのめかし、疾風怒濤に消え失せます(中入)。

僧が弔いの読経をしていると、阿漕の幽霊(後シテ)が網を持って現れ、業が深い生前の漁の有様を見せ、今は捕りなれた魚が悪魚毒蛇となって、身を責めて苦しめられています。罪を重ねた阿漕を助けてくれと、また波の底に沈んでいきます。

 

会は正午始、 『岩船』・狂言・『清経』・『半蔀』・狂言・『阿漕』 の順です(途中入退場可)。

『阿漕』は、16時50分~18時10分の予定です。

 

今回、9月五雲会のチラシを、シテ番の4人で自主制作致しました。より多くのお客様にご来場いただきたい一心です。

お誘いあわせの上お越しくださいませ。

 

チケットは、全席自由で一枚5,000円です。

 

チケットのお申し込み及びお問い合わせは、以下をクリックしてください。

 

    宝生流能楽師 和久荘太郎 Website お問い合わせ

9月14日(土)五雲会 チラシ作製!

9月五雲会表

9月五雲会裏

来る9月14日(土)正午開演、宝生能楽堂にての五雲会のチラシを、当日出演のシテ4名で自主制作しました。

より多くのお客様にご来場いただきたく、宣伝しやすい形に。

私は、留めの能『阿漕(あこぎ)』を勤めます。

チラシご希望の方は、こちらまでご連絡下さい。

足利能 ワークショップ

足利能 講演会

今月8月27日(火)午後6時30分より 足利市民会館(栃木県足利市)・小ホールにて、

「能を楽しむ~『巻絹』~」

と題して、講演会をいたします(入場無料)。

これは、10月5日(土)の「足利能」(15時開演・足利市民会館)をより楽しく鑑賞していただくための、事前講座。

能『巻絹』を中心に、ストーリーや見どころ、などを解説いたします。

栃木県・群馬県の方々はもちろんのこと、ご遠方からのご来場も歓迎いたします。

お問い合わせは、足利文化協会(電話0284-44-4123)まで。

今週末

私の社中の発表会(司宝会・涌宝会合同大会)も、 今週土曜日(7月13日)に迫ってきました。

その前日、同じく名古屋能楽堂にて、能2番・舞囃子13番・連調1番の申合せ(リハーサル)が、非公開にて行われます。

会主の私同様、会員の皆さんが年を追うごとに、発表会に出演する、ということに慣れてこられたようで、私も発表会間際の稽古が楽になってきました。
各人が発表会当日に向けて、いつから追い込みをかけたら(本気になったら)良いのか、ということがつかめてきたのだと思います。

そう、学生時代の試験勉強のように・・・。

今日は、発表会当日に向けた準備と事務作業で、一日を費やしました。

午前9時半開演、17時終了予定。
会の留めに、私は番外舞囃子『弓八幡』を勤めます。
入場無料。途中入退場可。

社中の皆さんの稽古の成果を、ぜひご高覧下さい。

司宝会・涌宝会合同大会3

(づつき)

 


午前中、子ども達5人で、『絃上(けんじょう)』を連吟します。


 


鈴木裕一郎くん(小学3年生)
尾澤征哉くん(小学2年生)


和久凜太郎(小学1年生)


長坂実羽子ちゃん(幼稚園年長)


和久八重子(幼稚園年中)


 


『絃上』のキリ(最後の短い部分)で、一分間で終わります。


大きな口と大きな声で、元気よく謡ってくれることでしょう。


 


 


他に、連調・素謡・仕舞など会員多数出演。


 


 


 


会の最後に、番外として私は、舞囃子『弓八幡(ゆみやわた)』を勤めます。神様の能で、「神舞」を舞います。


 


 


ご多忙と存じますが、皆様ぜひお出かけ下さい。


入場無料です。

 


番組(プログラム)をご希望の方は、こちらまで。


司宝会・涌宝会合同大会2

(つづき)

舞囃子は、以下の12番。

『巻絹』神谷恭子
『生田敦盛』菊池尚希
『杜若』藤崎純子
『小督』恩田加代
『龍田』早川さとみ
『八島』永野進
『花月』佐藤まりな
『藤』梅村恵子
『安宅』森下光
『船弁慶・前』江口啓子
『船弁慶・後』渡邊陽介
『敦盛』能勢渉

なかでも『船弁慶・後』の渡邊陽介さんと、『安宅』の森下光さんも、能『枕慈童』の岡田真理さんと同じく「教授嘱託披露」として舞い勤めます。

お二人とも30代。やる気満々です。

乞うご期待!

(つづく)

7月13日(土)司宝会・涌宝会合同大会

来る7月13日(土)名古屋能楽堂にて、私の社中の会『涌宝会(ゆうほうかい)』が、発表会を致します。
今回は、『司宝会・涌宝会合同大会』と銘打ち、名古屋在住の佐藤耕司師の会と合同で催します。
能は、『枕慈童』(シテ・岡田真理)と『半蔀』(シテ・芳賀カズ子)の2番。
『枕慈童』の岡田さんは、涌宝会会員で、能は3年前の『花月』に続いて2曲目。2年計画で、みっちり稽古しました。可愛らしい慈童が期待できそうです。
今回、岡田さんは「教授嘱託披露」を兼ねています。
「教授嘱託」というのは、宝生流独自の制度で、教授嘱託免状を取得すると、アマチュアながらも、宝生宗家から「教授」を「嘱託」されて、お弟子さんを取れるようになります。
(つづく)

6月16日(日)名古屋宝生会 『大江山』

25.6名宝会表25.6名宝会チラシ裏

来る6月16日(日)名古屋宝生会定式能にて、能『大江山』のシテを勤めます。

この能は、おとぎ話のような鬼退治の曲。ストーリーが単純で、見ていて楽しい曲ですが、ワキ方の役者を大勢必要とするため、舞台にかかることは稀です。
 
今回は、京都の若いワキ方に応援を頼み、6人のワキ方で源頼光(みなもとのらいこう)一行を演じてもらいます。

私は、酒呑童子(しゅてんどうじ)役で、前半は童子姿で、山伏姿に変装した頼光一行を歓待して酒宴を催しますが、後半は鬼の本体を表して、頼光に打ち取られてしまいます。

この曲独特の表現があります。
通常、絶命した役は、切戸口(舞台に向かって右奥のにじり口)から退出しますが、この曲に限って頼光一行に前後を挟まれて幕入りします。これは、「首級」を掲げて凱旋していることを表しています。
考えると、やや生々しい表現でもありますが、能の古い形式を残した演出です。

この能の鑑賞後、酒呑童子を「かわいそう」と感じるか、「頼光よくやった!」と感じるかは、私の表現方法と、皆さまの人生経験により変わってきます。

もう一番の能は『俊寛』。
これも劇的な曲で、名手の辰巳満次郎氏にかかれば、お客様の心に強く訴えるものがあることでしょう。楽しみになさってください。

他に、
仕舞『江口クセ』竹内澄子、『弱法師』衣斐正宜
狂言『茶壺』野村又三郎他

ひにち  6月16日(日)13時開演(12時半開場)16時半頃終了予定。
ところ  名古屋能楽堂
入場券料 5,000円(学生2,000円)
(イヤフォンガイドを無料でお貸しします)

お問い合わせ・チケットのお申し込みは、こちらまで。