NOH-AGE
今月(8月)31日の日曜日、渋谷の東急セルリアンタワー能楽堂にて、宝生流宗家・宝生和英師主宰の「和の会」が主催する、「NOH-AGE(ノウ・エイジ)」にて、仕舞『藤戸』とテーマトークを勤めます。
詳細は、上記チラシをご覧ください。
ご来場をお待ちしております。
新作能『覇王』
来る8月23日(土)17時半開演、岩村城藩主邸跡にて、恒例のいわむら城址薪能が開催されます。
今回、第30回ということで、地元の女城主・秋山修理夫人に因んだ新作能『覇王』を初上演いたします。
私は、この「修理夫人の幽霊」役(ツレ)を勤めます。
シテの織田信長役は、この『覇王』を監修・節付・演出を兼ねた、辰巳満次郎師。
森蘭丸役に、辰巳大二郎師。
能の一般的な分類に当てはめるとすると、『覇王』は、現在物(四番目物・雑能)でしょう。
この現在物に、修理夫人は、幽霊として、謎の病(修理夫人の怨念)に倒れた信長の寵臣・森蘭丸を見舞った信長の前に現れ、信長を金縛りにかけ、生前の恨みを述べます。能の常である、最終的な「成仏」を(表面的には)省いた、能の常道を逸した作品。怖いですね。これも新作能ならでは。
満次郎師曰く、能として演ずることにより、鎮魂をすることになります。
しかし念の為、明日早朝に、修理夫人を弔うお寺にお参りに行ってきます。
「勤めさせていただきます」とご報告に参ります。
上演を来週に控えて、各役熱が入ってきました。
ぜひご来場ください。
詳細は、上記チラシをご参照ください。
豊田市能楽堂中学生鑑賞教室・MOA美術館薪能
昨日、今日と2日間、愛知県の豊田市能楽堂にて、中学生の能楽鑑賞教室に出勤し、宝生流は4回、能『船弁慶』を上演しました。
名古屋出身の3名(衣斐愛・内藤飛能・私)と東京からの水上優師の若手4名で、1回ずつシテを勤めました。
このような機会は、我々若手の役者の勉強になるのはもちろんですが、子供達に能に触れる機会を持たせてくれる、毎年のこの催しは素晴らしいと思います。税収の多い豊田市ならではの事業でしょうが、全国のたくさんの自治体が、このように文化活動に力を入れてくださると良いですね。
少しでも若いうちに、まずは自国の文化を少しでも知って、将来外へ出た時に、外国人に胸を張って、日本にはこういう素晴らしいものがある、ということを伝えてほしいと思います。
明日は、MOA美術館薪能(熱海)。海を借景とした舞台の、夕暮れ時の美しさと言ったら!
能は『百萬(ひゃくまん)』(シテ 渡邊荀之助)と『岩船(いわふね)』(シテ 辰巳満次郎)。
凜太郎が、『百萬』の子方を勤めます。私は地謡。
昨年も、ここで『鶴亀』の亀役を勤めましたが、野外能ということもあり、父は心配、心配。
涌宝会大会開催!(7月21日海の日 於・矢来能楽堂)
来る7月21日(月・祝)矢来能楽堂(新宿区・神楽坂)に於いて、「涌宝会大会」を催します。
「涌宝会」は「ゆうほうかい」と読み、今回で9回目になる、私のお弟子さん方の発表会。皆さんの日頃の稽古の成果を披露します。
以下に番組を。
(10時開演)
【素謡】
『西王母』(久良岐教室)
シテ 坂本盛夫
ワキ 岡本伸治
ワキツレ 中村美津子
【仕舞】
『鶴亀』鷲野健
『花月キリ』湯浅景介
『高砂』松居篤
『鞍馬天狗』鈴木幸一
『鶴亀』中島紀子
『猩々』逸村千登勢
【独鼓】
『殺生石』
謡 江口啓子
小鼓 大山容子
【素謡】
『鶴亀』
シテ 島村みずき
ワキ 加藤のぞみ
地謡 会員一同
【舞囃子】
『西王母』武田美佳
『田村』酒井紫野
『胡蝶』原麻那美
『須磨源氏』和久荘太郎(代役)
『紅葉狩』岡田真理
【仕舞】
『嵐山』尾澤征哉
『熊野クセ』和久八重子
『安宅』和久凜太郎
【仕舞】
『玉之段』菊池尚希
『経政クセ』岡本伸治
『竹生島』黒田淳子
『清経キリ』松本海音
『加茂』神谷恭子
『玉葛』柴田美穂子
【独鼓】
『半蔀』
謡 梅村坦
小鼓 大山容子
【素謡】
『橋弁慶』
シテ 浜口孝司
子方 和久凜太郎
トモ 辰巳和磨
地謡 宝生和英、辰巳満次郎、山内崇生、和久荘太郎
【独調】
『羽衣』
謡 恩田義也
太鼓 大川典良
【舞囃子】
『弓八幡』梅村恵子
『敦盛』藤崎純子
『雲林院』渡邊陽介
『女郎花』畠山冨子
『放下僧』永野進
【独鼓】
『東北』
謡 田中清司
小鼓 田邊恭資
【仕舞】
『百萬』小川道子(東海巽会)
【舞囃子】
『天鼓』松本杏
『松虫』森下光
『桜川』輿水陽子
『高野物狂』貝島忠夫
『海人』恩田加代
【素謡】
『蝉丸』
シテ 早川貞子
ツレ 藤崎純子
ワキ 畠山冨子
【番外舞囃子】
『巻絹・総神楽』和久荘太郎
(17時7分終演予定)
入場無料です。お誘い合わせの上ぜひご来場ください。
番組郵送ご希望の方は、こちらのリンクまたは、Eメール(info@hosho-waku.net)にてご遠慮なくご連絡下さい。
速報! 広忠の会
三響会事務局から、広忠の会仮チラシが届きました。
この催しで、私は11月30日(日)14時開演、矢来能楽堂にて、能『井筒』を勤めさせていただきます。
他に、茂山逸平師の狂言、髙橋章師の仕舞があります。
チケットの発売は、8月の予定とのこと。
詳細は追々お知らせいたします。
11月30日、ご予定ください。
中日新聞夕刊に
中日新聞夕刊(3月29日)に、先日名古屋宝生会定式能にて勤めた、能『須磨源氏』の評を載せていただきました。
詩人の村瀬和子氏による風情ある文章によって、実際の舞台成果をかさ上げしていただいて恐縮しています。
大変励みになります。
NHK-FM 能楽鑑賞 『花筐』
久しぶりの投稿です。
さて、来る5月11日(日)午前6時~午前6時55分、NHK-FMにて、能楽鑑賞『花筐』が放送されます。
シテ 大坪喜美雄
ワキ 佐野由於
ツレ 山内崇生
ワキツレ 和久荘太郎
地謡 當山淳司
私は、ワキツレ(男大跡辺・おおあとべの皇子に仕える使者)で、曲の最初にいきなり、暫く謡い続けます。
また、途中の立衆役や地謡も兼ねております。
朝早い放送ですが、ぜひ録音してお聴きいただければと思います。
11月30日(土)満次郎の会
来る11月30日(土)、宝生能楽堂にて、「第5回満次郎の会」が催されます。
http://manjiro-nohgaku.com/manjironokai/
今回は、5周年を記念しておめでたい番組構成。
昼の部(13時開演)は、『翁付高砂(おきなつきたかさご)』。
『翁』とは、「能にして能にあらず」と言われる、儀式的な曲。
大昔は、神官が勤めていたものを、寺社に所属する猿楽(能)の座(流派)の長老が勤めるようになり、観阿弥・世阿弥の頃から大夫(家元)が勤めるものとなりましたが、明治以降は家元以外の弟子家も勤めるようになりました。
江戸時代、能が徳川幕府の式楽だった頃、能の一日の番組立ては、『翁』から始まり、引き続き『高砂』『弓八幡』『養老』などの神様の能(脇能)のシテを、翁を勤めた役者が装束を着替えて勤めました。
会主の辰巳満次郎氏が、その『翁』のシテと『高砂』のシテを、本来の『翁付』という演奏形態で勤めます。
私は、その『翁』の「千歳(せんざい)」という、翁が舞う前の露払いの役を勤めます。
この千歳は、若い役者が勤めることが多く、私は過去3回勤めており、今回4回目で14年ぶり(当時25歳)。満次郎氏のお相手をさせて頂くのは初めてです。
現在満39歳で、この役独特の清々しさが出せるかわかりませんが、心は、高校生のまま。はりきってまいります。
この役、神事として執り行いますので、演能前3日間の斎戒沐浴と、別火をして、身を清めます(翁役は7日間)。
肉食(四足)と飲酒、女色を避け、当日は他の人との交わりをも避け、食事は、他人と煮炊きの火を別にします。
当日楽屋では、鏡の間に「翁飾り」(二段の八足台に、舞台で使用する面箱・烏帽子・扇や、三宝の上にお神酒・洗米・荒塩を供える)をして、「翁飾りの式」(出番前に役者全員が、お神酒・洗米・荒塩をいただき、後見が火打石を切って身を清める)を執り行います。
地謡や後見も、普段の紋付き袴ではなく、本来の素襖上下(すおうかみしも)と侍烏帽子(さむらいえぼし)を着け舞台は厳粛さを増します。
一見の価値、大いにありです。
しかも役者は「超」の付く名手揃い(三番叟 野村萬斎、笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯)。
夜の部は、『七人猩々』(他、一調・仕舞・狂言など)。
昼夜ともチケットは、残り少ないようです。
詳細・お問い合わせ・お申し込みは、上記「満次郎の会」ホームページまでどうぞ。
11月17日(日)名古屋宝生会定式能 『野宮』 『殺生石・白頭』
次の日曜日(11月17日)、名古屋能楽堂にて、13時開演で、本年最後の名古屋宝生会定式能が催されます。
能『野宮』
シテ 玉井博祜
ワキ 高安勝久
アイ 野口隆行
笛 竹市学
小鼓 後藤嘉津幸
大鼓 河村総一郎
地謡 倉本雅 他
狂言『太刀奪』
太郎冠者 松田高義
主 野村又三郎
使いの者 野口隆行
仕舞『龍田キリ』佐藤耕司、『船橋』内藤飛能
地謡 衣斐正宜他
能『殺生石・白頭』
シテ 宝生和英
ワキ 飯冨雅介
アイ 野村又三郎
笛 鹿取希世
小鼓 後藤孝一郎
大鼓 河村眞之介
太鼓 鬼頭義命
地謡 辰巳満次郎 他
(終了予定17時頃)
私は、能『野宮』の後見、仕舞の地謡、能『殺生石』の地謡でフル出演いたします。
【入場料】※当日券、販売いたします。
鑑賞券 5,000円
学生券 2,000円(中学生以上30歳以下の学生)
公演に先立ち、当日の午前中、10時半〜12時、名古屋能楽堂内会議室にて、鑑賞に役立つワークショップ(事前講座)を開催いたします。
若手能楽師による、能『殺生石』『野宮』の解説、また、今回特別に、石井流大鼓方・河村眞之介氏をお迎えして、いろいろお話を伺いたいとおもいます。
普段舞台でしか見ることのできない河村氏の、大鼓方としてのお考えや、ちょっとした日常なども聞けて、意外な側面を見せていただけるかもしれません。
どうぞご期待ください。
【参加費】
1,000円(年間会員券をご持参の方は無料)
本公演鑑賞のついでに、少し早目にお越しいただき、ワークショップに参加した後、能楽堂内レストラン「城」にて優雅にお食事の後、13時から能鑑賞、というのはいかがでしょうか。
本公演は、無料で演能の解説が聞けるイヤフォンガイドをお貸しいたします。初めての方でも、きっと楽しめることでしょう。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
来年(平成26年)舞台予定
手帳買い替えの時期がやってきました。
私は、以前は「能楽手帳」(檜書店刊)という、能楽師にとって便利な3年手帳(我々は2年先の予定が決まっていきます)を使っていたのですが、数年前の販売打ち切り以来、バイブルサイズの黒革のシステム手帳を愛用しています。
もしこれを紛失したら、さあ大変。こまめにバックアップしています。
「バックアップ」といっても、通常とは逆バージョンで、手書きの手帳を見ながらパソコンにて「Googleカレンダー」に打ち込みます(携帯やスマホのカレンダーなどは全く信用しません)。
この「Googleカレンダー」がなかなか便利。家でも妻が私の予定を確認できますし、2年後どころか、5年後でも、10年後でも予定を記入できます。
物事の長期計画には良いかもしれません。
さて、来年(平成26年)の舞台出演予定を当ホームページにアップしましたのでご覧ください。
現時点では、どの曲も私の手に余る挑戦曲ばかり。
ますます張り切って修練いたしますので、皆さまの新しい手帳にお書き込みいただき、ぜひともご高覧下さい。
凜太郎もお役を数多く頂戴しております。
今後も追加がありましたら、その都度アップいたします。