6月16日(日)名古屋宝生会 『大江山』

25.6名宝会表25.6名宝会チラシ裏

来る6月16日(日)名古屋宝生会定式能にて、能『大江山』のシテを勤めます。

この能は、おとぎ話のような鬼退治の曲。ストーリーが単純で、見ていて楽しい曲ですが、ワキ方の役者を大勢必要とするため、舞台にかかることは稀です。
 
今回は、京都の若いワキ方に応援を頼み、6人のワキ方で源頼光(みなもとのらいこう)一行を演じてもらいます。

私は、酒呑童子(しゅてんどうじ)役で、前半は童子姿で、山伏姿に変装した頼光一行を歓待して酒宴を催しますが、後半は鬼の本体を表して、頼光に打ち取られてしまいます。

この曲独特の表現があります。
通常、絶命した役は、切戸口(舞台に向かって右奥のにじり口)から退出しますが、この曲に限って頼光一行に前後を挟まれて幕入りします。これは、「首級」を掲げて凱旋していることを表しています。
考えると、やや生々しい表現でもありますが、能の古い形式を残した演出です。

この能の鑑賞後、酒呑童子を「かわいそう」と感じるか、「頼光よくやった!」と感じるかは、私の表現方法と、皆さまの人生経験により変わってきます。

もう一番の能は『俊寛』。
これも劇的な曲で、名手の辰巳満次郎氏にかかれば、お客様の心に強く訴えるものがあることでしょう。楽しみになさってください。

他に、
仕舞『江口クセ』竹内澄子、『弱法師』衣斐正宜
狂言『茶壺』野村又三郎他

ひにち  6月16日(日)13時開演(12時半開場)16時半頃終了予定。
ところ  名古屋能楽堂
入場券料 5,000円(学生2,000円)
(イヤフォンガイドを無料でお貸しします)

お問い合わせ・チケットのお申し込みは、こちらまで。

人丸・運動会

今日は、『景清』の娘の人丸役を勤めてきました(東急セルリアンタワー能楽堂)。
シテ・大坪喜美雄師、トモ・水上優師、地謡・高橋章師他。
人丸役は、高橋章師のシテで12年前に勤めて以来2回目。
奥伝の曲のツレというのは、大変気を使います。
二部制で、第一部では『山姥・杖之型』(シテ・武田孝史師)の後見を勤めました。
今日は、実は凜太郎の小学校入学初めての運動会でしたが、そのようなことで、日焼けが怖いのと、舞台出演の直前に俗塵の毒気に晒されるのを避けたく、全て妻と義理の母に任せました。
普通に考えたら、情けない父親ですね。日焼けがイヤだから、なんて…。
凜太郎は、40メートル走で3位だったらしく、帰宅してほめちぎってやりました。
また特訓してやろう。

コイキング

凜太郎手紙

5日間、家を空けて深夜帰宅したら、こんな手紙が置いてありました。

大抵の方は、「なんじゃこりゃ」という感想をお持ちになることでしょう。

これは、ポケモン(ポケットモンスター)のキャラクター「コイキング」。
名古屋のポケモンセンターにて期間限定で、ニンテンドーDSに「金のコイキング」をダウンロードしてもらえるのです(この文章だけでも暗号に聞こえます)。

スーツを着たおっさんが、子供ばかりのポケモンセンターにゲーム機を持参して、店員にダウンロードのやり方を聞いている姿。

嗚呼、親バカ。

「だいすき」って・・・。
親の操縦方法を分かってるな、こいつは。

新教室開設! 【久良岐能舞台】

7月より、久良岐能舞台(横浜市磯子区)にて、初心者向けの「謡・仕舞のお稽古」の教室を持たせていただくこととなりました(チラシはこちら)。

月3回、木曜日の17:30~。遅い時間まで稽古できるようですので、仕事帰りの方でもお越しいただけると思います。

【謡】は団体稽古ですので、初めての方には特にお勧めします。
『鶴亀』『橋弁慶』から初めて、10月20日(日)に、久良岐能舞台にて発表会をいたします。

【仕舞】は、基本的に個人稽古です。
扇の持ち方、かまえ、すり足の基本から始めて、所要時間1分の曲に挑戦して、その後発表会の曲を決めて、10月20日(日)の発表会に向けて仕上げていきます。

また、その講座開設の説明会を兼ねた、「能の謡・仕舞・囃子」の体験講座が、5月19日(日)午後2時より久良岐能舞台にて催されます(チラシはこちら)。

3流派(喜多流・金春流・宝生流)による謡・仕舞の実演・解説・体験、囃子方による能の4つの楽器の実演・解説・体験、そして、3流派の舞囃子(喜多流・佐々木多門師、金春流・山井綱雄師、宝生流・和久荘太郎)をご覧いただきます。

これだけのボリュームで、なんと参加料無料だそうです。
ご都合宜しければ、ぜひお越しください。

久良岐能舞台は、8000坪の日本庭園の中にひっそりと佇む、誠に趣のある能舞台です。一歩足を踏み入れるだけで、小鳥のさえずりや色とりどりの草花に包まれて、自然と「和」の世界に導かれて、能の稽古を楽しむことができます。

お問い合わせは、久良岐能舞台(045-761-3854 午前10時~午後5時)まで。

お待ちしております!

和の会ブログ・インタビュー

 久しぶりの投稿です。

人に言えないような悪いことをしていたわけではありません。
相変わらず元気に、フリスビーを追い回す犬のように走り回っています。

さて、宝生和英家元が主宰する「和の会」の、公式ブログにて、インタビューを受けました。

 「和の会ブログ」 http://s.ameblo.jp/hosho-wanokai/

どうぞご一読下さい!

チラシ

 9月22日(日)「和久荘太郎 演能空間」本チラシ、良いデザインが上がってきました。

これから修正にかかり、5月中旬完成予定です。

どこかにチラシのコンテストがあれば、「グッドデザイン賞」を受賞するのでは、と思うくらい。

お楽しみになさってください。

4月14日(日)NHK-FM「能楽鑑賞」 『唐船』

 本日、渋谷のNHK放送センターにて、素謡『唐船』の収録が無事終了しました。

以下の日程で放送されます。

 

平成25年4月14日(日)朝6時~6時50分 NHK-FMラジオ「能楽鑑賞」

素謡『唐船』

シテ  金井雄資
ワキ  山内崇生
唐子  鶴田航己
日本子 和久凜太郎
地謡  和久荘太郎・澤田宏司・金森隆晋

 

このほか、以下も同時放送します。

素謡『氷室』(後シテより)

シテ 金井雄資
地謡 山内崇生・和久荘太郎・澤田宏司・金森隆晋

 

素謡(能の一曲を謡のみで表現する)は通常、子方の役も大人が勤めますが、今回はNHKからのご要望とあって光栄なお話。
ただ、この4月にやっと小学生になる6歳ですので、まだ発音も少し赤ちゃんぽさが残っており、まだ身体が出来上がっていませんので、調子(音程)もどうしても不安定になります。

お話を頂いた時、本当にお受けして良いのか迷い、シテの金井師と家元にもご相談しましたが、温かいご返答を頂きましたので、身命を賭してお受けしました。

それからというもの、近日他のお役も重なっています(『善知鳥』『高野物狂』『桜川』)が、それらの稽古と並行して、本日に向けて『唐船』の猛特訓の日々。
成果のほどは、早朝で申し訳ありませんが、皆様に聴いていただきたいと思います。
もちろんのこと、決して満足のいく出来ではありませんが、現段階ではよしとしました。

シテの金井師には、温かく精密な稽古をしていただき、収録後にご褒美を頂戴して、上機嫌の凜太郎。こうして、この世界も脈々と繋がっていくのです。
褒めて伸ばす教育ばかりではだめですが、こういう面も必要です。楽屋全体でファミリーとして、子方を育てていく土壌。ありがたいですね。

3つの顔

【日記】
3月16日(土)
今日は『野守』シテ。朝起きたら声出ない。風邪かしら。でも奥さんに言うと心配するから言わないでおこう。

何しろ、今日は3つの顔を持つ男だから。

10時から凜太郎の卒園式。9時に行って良い席を確保して、ビデオ係。「思い出のアルバム(い~つの~こと~だか~、思い出してご~らん~、という有名な曲)」を聴くと、我慢しても涙が出ちゃう。俺も幼稚園の卒園式で歌ったな。今日は、自分が32年前に卒園した小田原のこゆるぎ幼稚園の先生が『野守』を観に来てくれる。不思議なご縁。
凜太郎も小学生か。この前産まれたばかりなのに。

16時半から『野守』。そろそろ『野守』モードに入らなくては。14時、「お父さんは、今日お爺さんと鬼になってくるよ」と言い残していざ宝生能楽堂へ。だんだん喉が温まってきたぞ。

装束を着けてもらい、鏡の間で床几にかかり、面を掛けて自分の姿を映す。これ大事な儀式。お能は「なりきっちゃいけない」。そんなことないだろう。自分がなりきらなくて、お客様が入り込めるか。などと、鏡の中の自分の姿を見て余計なことを考える。

前シテ、序章は春の長閑な春日野の雰囲気を出せただろうか。徐々に鬼の本性を現し始めなければ。
作り物に中入。後シテの鬼の装束に着替える。信頼できる後見に着けてもらったので安心。
後シテ、やはり声が出にくいが、明日の名古屋の舞台のことは考えずに、潰すつもりでやってしまえ。あれ、やり過ぎたか。気合が先走ったかな。まだまだ若いからいいか。
ワキも信頼できる人だから受け止めてもらったし、囃子も信頼できるメンバーだから、好き勝手に謡わせてもらった。地謡も凄かった。またこのメンバーで違う曲をやってみたいな。

色々言って下さる先輩たち。ありがたい。まだ見捨てられていない気がする。次も頑張ろう。

19時から、さるご令嬢の結婚披露パーティーに妻と出席。心からおめでとう。心から幸せになってほしい。良い仲間たちと、楽しいひと時。みんな老けたなあ。俺は若いぞ。みんなそう思ってるのかな。

明日は始発の新幹線で名古屋宝生会。そろそろ寝よう。

ついでに・・・

 明日3月10日(日)は月並能にて、凜太郎が『善知鳥』の子方を勤めます。

シテは、以前も『三井寺』でご丁寧なご指導をいただいた金森秀祥師。『三井寺』では母親役でしたが、『善知鳥』では父親役(しかも幽霊)。

『善知鳥』は、昨年、立春能にて影山三池子師のシテで勤めております。

昨日の申合せを見て、昨年よりは少し成長したかな、と感じました。

実は今月から来月にかけて、凜太郎はお役がかなり重なっており、計画的に稽古しておりますが、父としては心配でしようがありません。

明日の『善知鳥』が済むと、
4月2日(火)にNHKFMの「能楽鑑賞」にて放送予定の素謡『唐船』の子方(日本子)の録音(シテ・金井雄資師)。
4月6日(土)は国立能楽堂定例公演にて、『高野物狂』の子方(シテ・渡邊荀之助師)。
4月20日(土)は五雲会にて、『桜川』の子方(シテ・渡邊茂人師)。

日が近いのと、『善知鳥』以外すべて初役なので、かなり気を遣います。

特に『唐船』の録音は、デジタルで永久に残ってしまいますので、誤魔化しがききません。
通常、素謡は子方の役も大人が勤めますが、今回は本物の子方で録音してほしいというNHKのご要望による、有難いお話。

ラジオの録音は、必ず謡本(能の台本)を見て謡うのですが、まだ幼稚園児なので読めませんから、特別に凜太郎用に作った本で稽古。
しかも、シテとの同吟もありますので、ご迷惑はかけられませんから、連日、稽古、稽古です。

まだ小さいので、無理をさせてはいけないとは常々考えておりますが、お役を頂くのは大変光栄なことですし、ある時凜太郎が不意に、

「おとうさん、ぼくに来たお役のお話は、絶対に断らないでね。」

と言ったことがあるのです。

稽古では当然泣くこともありますが、母親がしっかりと抱きとめて、役割分担で乗り切っています。

少し不安なのは、だんだん「お父さんは結構ですから」と頼まれることが出てくるのでは、ということ。
お願いですから、セットで頼んでください。ついでで結構ですので・・・。

3月16日(土)五雲会 『野守』

来る3月16日(土)宝生能楽堂(東京・水道橋)にて催される五雲会にて

  能『野守(のもり)』

のシテを勤めます。

前半が「野守の老人」役で杖を突いて出、後半は「鬼」です。

『野守』は、世阿弥作の「鬼」の能。鬼と言っても、ただの怖い鬼ではなく、神様や心霊に近
い、宇宙観を感じさせるような存在。天地四方全てを映し出す鏡を持って出現します。

 羽黒山の山伏(ワキ)が、奈良の葛城山に峰入りする途中、春日野(今の春日大社のある辺り)で、野守の老人(前シテ)と出会います。由緒ありげな池を見た山伏が、老人にその池の名を問うと、自分のような野守が朝晩姿を映すので、「野守の鏡」ということ、また真の「野守の鏡」とは、昼は人となってこの野を守り、夜は鬼となってこの塚(舞台上の作り物)に住む、という鬼が持っている鏡のことだ、と語ります。

老人は更に語り、

「昔この野で鷹狩があった時に、鷹を見失った狩人が一人の老人に出会い、行方を尋ねると、老人はこの池の底に鷹がいる、というので、狩人が池にバッと寄り覗き込むと、本当に池の底に鷹が見えた。よくよく見れば池に映った木に、鷹がとまっていた。

 はしたかの 野守の鏡 得てしがな 思い思わず 他所ながら見ん

という歌も、この鷹を映した故だ」

と語り、昔を思い出し涙を流し、自分がその野守の鬼であることをほのめかして塚の中に消えます。(中入)

 夜になり山伏が祈ると、「野守の鏡」を持った野守の鬼(後シテ)が現れて、天地を映し出し、その鏡を山伏に与えて、大地をかっぱと踏み鳴らして再び奈落の底に帰って行きます。

会は正午始、『志賀』『花月』『羽衣』『野守』の順です(途中入退場可)。『野守』は、16時30分~17時40分の予定です。

お誘い合わせの上お越し下さい。

入場料は、全席自由席で5,000円(学生2,500円)です。

お問い合わせ、チケット購入は当ホームページへ。