国家指定芸能「能楽」特別鑑賞会 名古屋公演 能『土蜘』頼光
本年12月15日(土)、名古屋能楽堂にて、日本能楽会主催の「国家指定芸能 能楽 特別鑑賞会 名古屋公演」が開催されます。
能は、観世 清和宗家の『半蔀』と、宝生流・衣斐 正宜(いびまさよし)師の能『土蜘』。私は、源 頼光(みなもとのらいこう)役を勤めます。
詳細は、上記チラシをクリックしてご覧下さい。
チケットご希望の方は、当ホームページお問い合わせまで。
来年に向けて
この夏、初めて自分専用の装束を作りました。
「箔(はく)」と通称する、女性の役専用の着付け。
拡大写真。「七宝繋ぎ」という、定番の紋様です。
装束としては、それほど高額のものではありませんが、能楽師人生で初めて自分で作った装束。感激です。他流の同世代の仲間は、装束のみならず面(おもて。能面のこと)までも、早いうちから皆自分で少しずつ手に入れていて感心していますが、宝生流は、家元以外は面・装束を持たない原則があり、演能の際には(もちろん有料で)拝借できますので、収集の必要がなく、大変恵まれています。
しかしその昔は、直接身につけて汗になる「着付け」や「鬘」くらいは各役者が自前で用意したとのこと、私もそれ位は持とうと20年ほど前から考えており、毎年赤字の家計ですが、夢実現のために別にそれ専用の貯金をしてきました。なかなかお金が貯まらなかったのもありますが、来年、やっと「箔」を使う役(12月14日土曜日 五雲会『班女』宝生能楽堂、12月22日日曜日『羽衣』横浜能楽堂)をいただいたので、この夏に購入を決めたのです。
『班女』と『羽衣』の装束は、いずれも着付けがはっきりと表にでる着方。『班女』は後シテで片袖を脱ぎ、『羽衣』は両袖を露わにして登場します。私は、身長のわりに手が長く、拝借する装束ではつんつるてんになり、見栄えが良くありません。そういうこともあって、念願だったのです。
着物でもそうですが、仕立てて直ぐに使用するのは良くありませんので、1年半程箪笥で寝かせて落ち着かせてからデビューさせます。楽しみです。
次は、自分専用の「鬘」を作るために、新たに貯金を始めます。
11月夜能『殺生石』を舞います!
来月11月30日(日)「夜能」(宝生能楽堂)にて、能『殺生石』を舞います(詳細は、上記写真をクリックしてください)。
私にとって『殺生石』は、10年程前に名古屋宝生会にて勤めて以来、学生鑑賞能などで何度か舞っている、縁のある曲です。
宝生流では100年近く石の作り物を出す演出を止めていましたが、20年程前に、先代の家元(宝生英照師)が復活させて以来、石を出すことが多くなりました(当時家元の内弟子だった私も石の作り物の制作に携わりました)。
石を出さないときは、揚幕を石と見立てて、幕際に床几に掛けて謡を謡うのですが(これは『白頭(はくとう)』の小書(特殊演出)の演出)、やはり、大きな石の作り物が舞台に出たほうが、お客様は風景を想像しやすいのです。今回も、石の作り物を出す演出で勤めます。
平日の夜、仕事帰りに能を観にいらしてください!
チケットのお申し込みは、当ホームページお問い合わせまで。
法玄寺 千灯供養 「能の夕べ」
一昨日、三保羽衣薪能の後、やっと演能空間以来一時帰宅し、昨日は足利市の法玄寺にて、「能の夕べ」と題した夜のコンサートに出演しました。
今回は、笛(熊本 俊太郎師)と太鼓(澤田 晃良師)と私の3人で。千灯供養他の行事の後、1時間ほどのミニコンサート。『高砂』の待謡(まちうたい。「高砂や〜」)の体験もして頂きました。120名以上の方にご観覧頂き、やり甲斐がありました。
コンサートの様子は、当然、私自身では撮影できませんでしたが、上はコンサート開演前の千灯供養の様子。「南無阿弥陀仏」を唱えながら、火の点いた蝋燭を消さないように、60人ほどで輪になってリレーのように回して、斜面の上の祭壇に千灯を供えます。コンサート開演1時間前でしたので、密かに私も参加しました。
山門や境内も、蝋燭でライトアップ。誠に風情があります。
このお寺、実は妻の実家の菩提寺。そのゆかりで、今回お声がけ頂きました。800年の歴史を持つ、足利氏先祖創建の大変由緒あるお寺で、「人間だもの」の相田みつをさんのお墓もあります。
11月18日(日)名古屋宝生会定式能 能『大会』
来月11月18日日曜日、名古屋宝生会定式能(名古屋能楽堂)にて、能『大会(だいえ)』を勤めます。
先日の演能空間の『天鼓』とは打って変わって、お伽話、童話のような曲。天狗が、僧への恩返しに、釈迦の霊鷲山にての説法の有様(これを「大会」という)を目の当たりに観せますが、帝釈天に懲らしめられ、這々の体で逃げ帰る、というストーリー。
これだけ聞くと、実にあっけらかんとしていますが、しかし、私はこういう曲に(👺天狗に)少し哀愁を感じます。そこが、彼の名人・野口兼資師が、今は亡き先輩方に伝えたと言う、「天狗は優しく(演じろ)」ということの一つなのでは、と思っています。いかにも「天狗」らしい「乱暴」な行き方は、お客様は一時的に驚いて感心して喜んで下さるでしょうが、いずれ飽きがくる、と解釈しています。
本番まで1ヶ月半。いつもそうなのですが、この役をどのように作り上げていくか、これから稽古を重ねていくうちに、日々考えが変わっていくのです。そして、その「結果」ではなく、「途上」を本番の舞台にのせるという感覚が、いつもあります。だから、なかなか、自分として及第点を出せる舞台を勤めたことが一度もないので忸怩たる思いですが、これはもしかしたら、他の表現者(バレエ・フィギュアスケートなど)やスポーツ選手などでも同じなのかもしれません。
是非ご来場下さい。能のもう一番は、『源氏供養・舞入』(シテ 玉井 博祜)。私は、こちらの地謡も勤めます。
他に狂言・仕舞(詳細は、冒頭のチラシ画像をクリックして下さい)。
チケットのお申込み、お問い合わせは、当ホームページお問い合わせ または、名古屋宝生会(052-882-5600)まで。
巡回公演にて
学校巡回公演の特設舞台。素晴らしい出来栄え。いつもの体育館が能舞台に変身。
能『黒塚』の出番前。前シテの老女の役。もちろん、このままではなく、面(おもて)を掛けます。
普段の楽屋では、このような写真の公開はしませんが、今回は特別に。
明日で、一段落します。が、そのまま愛教大の稽古へ。
巡回公演
昨日の、第5回 和久荘太郎 演能空間の余韻に浸る暇もなく、今朝、東海道新幹線が何とか動くことを確認して、名古屋駅から三島駅へ参り、貸切バスにて沼津の中学校へ。能『黒塚』を勤めました。
体育館に、専門業者さんが立派な能舞台を設営してくださり、なかなか本格的。生徒さんも、行儀良く、集中してしっかりと観てくれました。
終演後の質問コーナーでは、毎回の趣向らしく、シテの私も装束を着けたまま舞台に戻り、生徒さんの鋭いご質問にお答えしました。
このようにして、各地をまわる学校巡回公演が、5日間続きます。私は、5回のうち3回シテを勤め、2回は地謡。
ですから、昨日の日曜日から考えると、今週は能を4番舞うことになります。こんなことは私も初めての経験。光栄なことです。
そして、その巡回公演が終わると、土曜日は三保松原薪能。私は、能『橋弁慶』の本後見と、能『羽衣』の地謡。
その三保松原薪能翌日の日曜日は、栃木県足利市の法玄寺というお寺にて、夜の能のコンサート。
更にそのあとも、巡回公演が続きます。
ありがとうございます!
本日、皆さまのお陰で、なんとか第5回和久荘太郎演能空間を催すことができました。
このような非常事態のなか、お越し頂いたお客様には、心より感謝申し上げます。
また、「本当に残念ですが」というお言葉を頂いた上で、お越しになれなかったお客様の温かいお言葉にも、いたく励まされました。
通常の公のイベントや催しならば、間違いなく「公演中止」の判断をして告知するべき事態だったと思いますが、演能空間は、中止ができない事情が多々あります。
もちろん、「役者としての意地」という面もありますが、この催し、内情をこの機会に恥を忍んで申しますと、妻と私二人で、和久家の家計のみでやっている、小規模の催しなのです。事務員やスタッフを抱えてやっている、景気の良い大規模な催しに見ていただいているかもしれません(自意識過剰?)が、そうではないのです。夢を壊してしまったかもしれません。
立派でキレイなチラシ(自画自賛で恐縮ですが)からは想像できないと思いますが、毎回、100万円弱の赤字を抱えながら、催しております。
そのような状況の為、「払い戻し」のご希望のご連絡には、誠実な対応ができなくて、本当に申し訳なく思っております。
本日の公演にお越しになれなかった方は、是非とも、当ホームページ内「お問い合わせ」に、お名前とご住所をお知らせ下さい。本日お客様に配布した、演能空間パンフレット(能楽評論家・金子直樹氏の解説文付き)や、今後の公演のご案内を郵送させて頂きます(事情により、10月末頃の発送となります)。
これで、私はめげていません。また次に向かって邁進致します!
本日は、本当に有難うございました!
9月30日は必ず開催致します(第5回和久荘太郎演能空間)
既に報道でご存知の通り、台風24号が接近しており、9月30日(日)名古屋能楽堂にて開催予定の「第5回 和久荘太郎 演能空間」開催の可否について、お客様から数件お問い合わせを頂きました
主催者として声明を出させて頂きますが、中止の選択肢は無く、必ず開催致します。
ただ、お客様には安全第一にて、その時のご判断にてお気をつけてご来場頂きますよう、お願い致します。
なんとか、台風が回避され、皆さまがご無事でお越し頂けることを心より念じて、お待ちしております。
和久荘太郎 演能空間 主宰 宝生流能楽師 和久荘太郎














