能『清経』のツレを勤めます(長良川薪能)
今週金曜日の8月30日、第33回長良川薪能にて、能『清経』のツレを勤めます(シテ 宝生和英)。
詳細は、上記チラシをクリックしてご覧ください。
山姥・芦刈・草紙洗などと並ぶ、座ることに関してかなり辛抱がいるツレ役。こういうツレは久しぶりなので覚悟が要ります。
平清経の妻役。清経の入水(じゅすい)を知った妻は嘆き悲しみまどろみますが、夢か現か、清経の幽霊が現れます。妻は、清経が自ら命を絶ったことをなじります。
私は、このツレは4回目。最後にこの役をやったのは、結婚より大分前の平成13年(今から18年前!27歳!)。稽古していて、結婚前にこの役をやるのと、結婚後の今やるのとでは、役柄の腑に落ち方が違うように感じます。ツレは、シテの邪魔になるような過剰な感情表現はあまりやってはいけないのですが、全く何もやらなくてもダメ。同じ格好のツレでも『土蜘』の小蝶などとはわけがちがいます。
年を重ねるほど、つくづく「ツレは難しい」と実感します。
入場無料です。お運びください。
道徳の授業
いわむら城址薪能のあと、岡崎と名古屋でお弟子さんの稽古をして、最終の新幹線で帰京中です。
今回も名古屋の常宿滞在3泊4日でしたが、初日の夜は、これまで長年泊まっていて初めて、というくらい騒がしい宿泊客によって睡眠を妨げられてしまいました。
繁華街から少し離れた静かな立地と、スタッフの素晴らしい対応、朝食も美味しく、夜のラウンジは独り心の洗濯に毎夜足を運びたくなる落ち着いた雰囲気。そんなホテルなのですが、今回はたまたま団体客の喧騒にやられてしまいました。
翌日のいわむら城址薪能では、道中長距離運転があり、舞台出演内容もかなりハードなのでしっかり睡眠をとりたかったのですが、23時頃から廊下を走り回る音や、いくつかの部屋の扉を開けたまま大声で話したり、歌ったり、叫んだり、笑ったり。なにやら罰ゲームのようなこともやっているよう。
直接言おうか迷ったのですが、トラブルを避けるためにフロントに電話して対応をお願いしたら、各部屋扉を閉めてくれて一時的におさまりました。しかし、結局1時過ぎまで話し声や笑い声が壁を通して聞こえて、寝られずに苦しみました。再度フロントに電話して、部屋を変えてもらえないかお願いしましたがあいにく満室で不可。
で、翌朝。6時代からまたもや大きな笑い声で目が覚めました。みんな元気だねえ‥。若いねえ。
朝食の為フロントを通りかかると、スタッフさんがすぐに平謝りしてくれて、今日からは部屋を変えてくれるとのこと。いやいや、ホテルに落ち度はありませんよ。誠意のある対応をして頂きました。たまたま巡り合わせが悪かっただけ。いや待てよ、ここでフッと我が身を省みました。
もしかして、私も自分が気付かないだけで、似たようなことを普段やっていないのだろうか、と胸に手を当てました。夜遅くまでテレビを見て大笑いしたり、朝から謡を謡ったり(小声ですが)。うーん、今後は気をつけようと思いました。
みんな誰もが「立場変われば人変わる」。車を運転すれば「自転車のマナーが悪い」と。自転車に乗れば「車が危ない」と。まず自分の目線に引き込むことは人間のならいでしょう。だから、相手の立場に立つ「想像力」が必要なのですね。国際関係も同じ。
こういう考え方が歳を重ねるごとに徐々に深まっているので、若者の大騒ぎにもあまり腹も立たないし、自分もこれからは気をつけようと思いました。
以上、道徳の時間でした。
岩村城址能
本日は、「第35回いわむら城址薪能」に出演。
私は、仕舞『砧 後』を舞います。他に、能『楊貴妃 玉簾』(玉井博祜)と『野守 白頭』2番の地謡。
会場は岐阜県恵那市岩村町。車でないと帰れませんから、今年もカーシェアで。名古屋の常宿近くの基地で8人乗りのノアを借りて、東京・大阪からの役者を名古屋駅でお乗せして、名古屋市内でも数人お迎えに上がっていざ岩村へ。
不安定な天候が続きますが、今日は少しの晴れ間。なんとか外での演能が出来そうです。
下申合せ(能『烏帽子折』)
来月23日(月祝)に控えた「第6回和久荘太郎演能空間」能『烏帽子折』の下申合せが済み、久良岐能舞台稽古の為移動中です。
今日が本番一か月前。ツレ・立衆・ワキ・狂言・後見・地謡・楽屋働きまで、全て本番通りに揃って頂き、本番の舞台で本番通りの流れを通して、細かいところを打ち合わせしました。
大人数物で滅多に舞台にかからない曲ですので、これくらい念入りにしないと良い舞台を見せられないだろうとの判断をして、ご出演者みなさんにお願いしたのです。
凜太郎も、「下申合せをやらせてもらって本当に良かった」と申しました。
ここから、また念入りに仕上げていきます。私自身も健康に留意して稽古を重ね、本番を迎えたいと思います。
流行り
電車内でスマホに首っ丈の風景は当たり前になりました。
かなり前(20年位前?)ですが、成人男性が電車内で漫画雑誌を広げていることが批判の対象になった時代がありましたが、スマホに関してそういう形の批判があまり聞かれなくなったのは、老若男女問わずスマホを熱狂的にいじっていますので、人の批判も出来ないということかと思います。
かく言う私も、今このようにしてスマホでブログを投稿していますから何も言えないのですが、ある一定のルールを自分に課しています。電車内に関して言えば、謡を覚えている最中はスマホを触らないこと。電車に乗ったらスマホを触るのではなく先ず本を広げることなど。優先順位としては、
謡を覚える(または型のイメージトレーニング)→本を読む→人間観察→スマホ
となります。まあ、かなり変わり者の部類でしょうか。
車内の人間観察のなかで、本に熱中している人(特に若い人)を見るとなんだか安心します。
最近、耳からうどんのようなものが飛び出ている人が多いのに皆さんもお気づきでしょう。アップル社のワイヤレスイヤホンですね。あれもなかなかに面白い風景です。
今夏の私の中でのヒットは、首元から顔に向けて2つの風が出るように設計された扇風機!。ヘッドフォンを首にファッショナブルに掛けたように見える画期的商品。USB端子で充電できるようです。先日、電化製品店で見かけて購入を迷いましたが断念。これは毎夏流行っていくと思います。
手であおぐ扇子や団扇という光景も、いずれ前時代的となって見られなくなっていくのかもしれません。
来夏は私を電車で見かけたら、耳からうどんを出して、首にファッショナブルな扇風機を掛け、スマホを熱狂的にいじっているかもしれませんので、そのときは優しく見守って下さい。
会主の心意気
昨日は、第2回硯修会にて能『熊野 膝行 三段ノ舞』のツレを勤めさせて頂きました。数ある役者の中から大事なお役を頂き光栄と存じます。
ほぼ満席の会場。会主の舞台に対する熱意。チラシ、パンフレット含め、会主の心意気を感じる素晴らしい催し。チケットのことを度々個人的に依頼した折には、事務担当の大日方寛師の細やかな心遣い。アンケートの取り方。出演者への度重なる感謝の言葉。
会を主宰する者として、様々見習うべきところがありました。私も、「第6回 和久荘太郎 演能空間」まで一カ月半。気を入れて稽古に、事務作業に励みます!
明日は第2回硯修会 能『熊野 膝行 三段ノ舞』
台風10号は抜けたようですが、まだ北日本には大雨を降らすかも、とのこと。お気をつけください。
今日は、明日の第2回硯修会の能『熊野 膝行・三段ノ舞』の申合せ。そして今夜は「第6回 和久荘太郎 演能空間」(9月23日(月祝)の 能『烏帽子折』の斬組の稽古。立衆の皆さんに集まってもらい、実際の舞台を使って稽古を重ねます。
明日は、研修会の本番。当日券は僅かながら残っているようですので、お出かけ下さい。
台風お気をつけて
昨日は唯一のお盆休みで、栃木県の親戚2カ所にご挨拶回り。何十年振りのいとこにも会い、旧交を温めました。
もちろんカーシェアで。1日の走行距離400km。4、5回のゲリラ豪雨に見舞われ、肝を冷やしました。
今日は、明後日に控えた能『熊野 膝行・三段ノ舞』の合わせ稽古の後、散髪してもらい、夕方からは「相模原薪能」に出勤。私は、能『船弁慶』(シテ 宝生和英)の主後見(おもこうけん)。既に雨天会場(相模原グリーンホール)に決定しています。
台風の影響が全国的に最小で済むよう、祈っています。
名能連(名古屋学生能楽連盟)8月例会
昨日、豊田市能楽堂にて、名古屋学生能楽連盟が主催の「8月例会」という、学生による学生の為の発表会が開催され、盛会裏でした。
名古屋地区の大学サークルが流派を超えて結束し、1つの催しを作り上げます。企画から宣伝チラシ・番組作成、会場との折衝、学生同士の打合せなどなど、たくさんの仕事をこなしてみんなで作り上げた経験は、近い将来の大きな財産になることでしょう。
また、今はSNSの時代ですから、連携も取りやすいのでしょう、関東の大学能楽サークルの方も応援に駆けつけてくれたようです。
私は、愛知教育大学能楽部を昨年より指導しており、またそこと連携の深い愛知県立大学能楽部の指導もお手伝いしておりますので、監督に参りました。
また、私の母校でもあり、20年近く指導している名東高校能楽研究部も、今回「招待出演」という形で声がかかり、大学生に混じって高校生が仕舞7番と素囃子「男舞」を演じました。
名東高校の卒業生や顧問もご来場頂き、縦の繋がりがうまく作用していることを感じます。
宝生流の学生の数を数えたら、3校合わせてなんと27人!これが将来の宝生流にとって大きな力になっていくことを切望し、このともしびを大事に育てていきたいと思います。
皆さまのご支援、ご指導のほど、今後とも何卒よろしくお願い致します。
次回は、2月8日土曜日に「2月例会」という名で、会場は名古屋能楽堂にて開催されます。
愛知県立大学能楽部は、能『羽衣』に挑戦。シテはもちろんのこと、地謡も全て学生で。
愛知教育大学は、舞囃子『高砂』。これも全て学生で。
皆さまご予定下さい!
目の手術②
(続き)
舞台でお役(装束を着ける立ち役)のとき、10代から20代前半はコンタクトレンズにしていたのですが、直面(ひためん。自分の素顔を面とする心得)ではまばたきが減ることや、空調の風で目が乾燥することもあり、何度か舞台上に落としてしまったのです。ある時は面の中に落としたり‥。
それ以来、舞台の時は裸眼と決めています。4本の柱さえ見えれば能は舞えるのです。
しかし、薪能やホールの能の時、また昨今流行りの「ろうそく能」の時などは、柱さえも見づらいほど暗いことがありますので、コンタクトレンズを入れます。
また、後見のときは、舞台上の正確な位置に作り物を置いたり、舞っている役者の裾が乱れていないか、などをいち早く察知する為に、コンタクトレンズにします。
しかし、物着(「ものぎ」又は「ものきせ」。舞台上で役者の装束を着け替える)があるときは、最近老眼が進んで、遠くを見えるようにすると近くが見えない!装束を着けるときに糸針を使った細かい作業を手早くしますが、これが見づらい。もうどうしたら良いのか。
レーシック手術、大変興味ありますが、どうも怖いですね。視力が元に戻ってしまった人の話も聞きました。もう少し実験台(失礼)の話を聞いてからにします。
見えない方が良いこともあります。最近、シテのときもたまに実験的にコンタクトレンズを入れますが、知ってる顔を見つけると集中が削がれることがあります。あられもない姿で口を開いて寝てる方とか‥。


