能『羽衣』を舞わせていただきます
本年(令和元年)12月22日(日)、横浜能楽堂主催の「眠くならずに楽しめる能の名曲」と題した普及公演にて、能『羽衣』を舞わせていただきます(詳細は、上記画像をクリック、または、関連ホームページをご覧下さい)。
明日の9月7日(土)一般販売開始。
横浜能楽堂館長のお話「本当は怖い羽衣」も興味深いですね。
今回、番組を能くご覧頂くと驚かれると思いますが、シテの私以外の出演者は全て(ワキ・囃子・地謡など)大先輩の名手ばかり。このようなメンバーで『羽衣』を舞わせて頂くことは有難いことです。
これで眠くなったらきっと私のせいでしょう。
ご来場を心よりお待ちしております。
チケットのご予約はお早めにお願い致します。
大好きだったけど‥
昨日は、名古屋(桜山舞台)のお弟子さんの稽古の後、最終新幹線で帰宅して、今朝は群馬県桐生(伝統芸能研修所)の稽古の為、りょうもう号(東武線特急)車中です。その後、横浜(久良岐能舞台)の稽古に向かいます。移動中は稽古・読書・瞑想三昧なので、全く苦になりません。
最近、大好きなものがだんだん口にできなくなってきました。
コーヒーが大好きなのに、飲むとどうも調子が悪い。りょうもう号や新幹線に乗り込むときは必ずコーヒーが旅の友だったのですが。
乳製品もダメ。コーヒー牛乳なんて、大好きなのにもってのほか。
ヨーグルトも大好きなのにダメ。
色々と実験を繰り返して、徐々にお腹をこわす原因が分かってきました。
そのうち、大好物の甲殻類やうなぎも食べられなくなっていくのでは、と心配になります。
これも老化現象のひとつでしょうかね。
正面席・脇正面席 完売のお知らせ(第6回 和久荘太郎 演能空間)
「第6回和久荘太郎演能空間」(9月23日月祝)の、正面席と脇正面席は、お陰様で完売しました。
自由席(脇正面後方席 及び 学生席)も残りわずか(数席)です。
中正面席(指定席)のみ、まだ余裕があります。
当日券は、残席がある場合のみの販売となり、金額は 1,000円高くなりますので、事前のお買い求めをお勧め致します。
本番まであと20日。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
大学の合宿
昨日と今日で、愛知教育大学能楽部と愛知県立大学能楽部の合同合宿を指導してきました。
2校合同合宿は初めての試み。来年2月8日(土)に名古屋能楽堂にて開催される、「名古屋学生能楽連盟 2月例会」にて、2校合同で能『羽衣』を上演するにあたっての泊まりがけの集中稽古。
まだまだ先の話ですが、みんな気が入っていて、囃子謡(囃子が入ったときに臨機応変に謡い方を変化させる高等技術)を大方マスターしました。若い力は素晴らしい!
名古屋市至近なのに、なんと山の頂上にある宿坊の合宿所。コンビニなど全く何も無いところですから、不便さを楽しむ心が養われたかも。
この合宿を機に、みんな能の実力も付けましたが、何と言っても人間同士の深い交流が出来たことが一番の収穫ではないでしょうか。
例年の高校生(名東高校)の合宿では、晩御飯の後は花火。大学生は、花火はもちろんのこと、その後に飲み会があるのがまた一味違う楽しみ。高校生たちに、「大人になると更に楽しいよ」と伝えてあげたい。
名東高校能楽研究部から、既に2名の優秀な子が愛知県立大学能楽部に入部しています。過去には、愛知教育大学能楽部にも1名入部し、現在私の社中として稽古を続けてくれています。
良い流れが出来てきました。長い目で見て、これからの名古屋の能楽界に大きな力になってくれることを切望します。みなさま、温かく見守って頂けたらと思います。
ベルト
だいぶ涼しくなりましたね。昨日は名東高校稽古、今日は岡崎稽古。明日からは、愛知教育大学と愛知県立大学の合同合宿。
先日、若い男性美容師さんにシャンプーしてもらってるときに(仰向けです)、
「ベルト替えたんですね」
と言われて、
(ベルト!客商売とはいえ、よくそんなところまで見て覚えてるねえ。)
と思い、
「靴の色に合わせて替えてるんです。」
靴は普段黒が多いのですが、その日は珍しく茶色だったので、ベルトも茶色にしていました。
しかし、なんとなく会話に変な空気が流れた気がしたこの日が序章。
また後日、女性のお弟子さんにも、
「ベルト替えたんですね。」
とまた同じことを言われて、
(ホント、みんなよく見てるなあ!)
と。しかし、ベルトなんて、ファッションアイテムとしてそんなに重要なものかしらん、もっと褒めるところがあるんじゃないの?、と思いつつ、
「靴に合わせたんです。」と同じ答え。
それからというもの、数人の方に「ベルト替えたんですね」と言われて、さすがにだんだん気味が悪くなってきました。
そして、ある日、愛知教育大学の男子学生さんにも、
「先生、ベルト変えたんですね。」
と言われて、ついに、シャツをめくって、
「今日はいつも通り(黒)なんだけど。」
と言ったら、
「いえいえ、時計のベルトです。」と。
なーんだ、アップルウォッチのことか!確かに、最近汗ばむので、皮のベルトからシリコン素材のピンクのベルト(元々時計に付属していたもの)に替えたのでした。
どおりで、美容師さんも黙っちゃったワケだ。
夏の我が家
寝室にエアコンがありません。毎年なんとか扇風機でやり過ごしていますが、そろそろ限界かもしれません。
世の中、ここ数年でいつのまにかエコロジーよりも熱中症予防を重視するように方向性が変わってきました。テレビの特集では、「朝までエアコンをタイマーで切ってはいけない」「28度設定ではなく26度設定にして布団をかぶって寝ろ」などと、今まで聞いたこともないような指南をしています。「そんなの風邪引くじゃん」と思っていましたが、確かに死んだらお仕舞いだし、年毎に尋常ではない暑さになってきていますからね。
そして今夏も扇風機でやり過ごそうとしていましたが盛夏はとても無理。かと言って各部屋にエアコンを入れるのは不経済なので、息子の部屋にみんな集まって寝ることになりました(妻だけは扇風機でやり過ごすことに。強いね)。
私は深夜に帰宅することが多いので、そーっと息子の部屋に入ると、私の分の布団も敷いてくれています。そして3人並んで仲良く寝るのです。久しぶり。なんだかそれも良いなあ、と。
最近少し涼しくなってきたので、一度自分の寝室で寝てみると、やはりまだ寝苦しい。人間、一度楽を覚えると耐性が無くなってきます。
そんなときに朝、子供たちに「お父さんがいないと寂しかったでしょう?」と聞くと、
子供たち「全然。」
私「‥‥‥。」
もう、素直じゃないんだからー!
『草紙洗』『芦刈』能評(能楽タイムズ)
先々月に勤めた、能『草紙洗』(名古屋能楽堂)と、能『芦刈』(豊田市能楽堂)の能評を、能楽タイムズ(令和元年9月号)に載せて頂きました(杉山女学園 飯塚恵理人教授)。上記画像をクリックしてご覧ください。
能『清経』のツレを勤めます(長良川薪能)
今週金曜日の8月30日、第33回長良川薪能にて、能『清経』のツレを勤めます(シテ 宝生和英)。
詳細は、上記チラシをクリックしてご覧ください。
山姥・芦刈・草紙洗などと並ぶ、座ることに関してかなり辛抱がいるツレ役。こういうツレは久しぶりなので覚悟が要ります。
平清経の妻役。清経の入水(じゅすい)を知った妻は嘆き悲しみまどろみますが、夢か現か、清経の幽霊が現れます。妻は、清経が自ら命を絶ったことをなじります。
私は、このツレは4回目。最後にこの役をやったのは、結婚より大分前の平成13年(今から18年前!27歳!)。稽古していて、結婚前にこの役をやるのと、結婚後の今やるのとでは、役柄の腑に落ち方が違うように感じます。ツレは、シテの邪魔になるような過剰な感情表現はあまりやってはいけないのですが、全く何もやらなくてもダメ。同じ格好のツレでも『土蜘』の小蝶などとはわけがちがいます。
年を重ねるほど、つくづく「ツレは難しい」と実感します。
入場無料です。お運びください。
道徳の授業
いわむら城址薪能のあと、岡崎と名古屋でお弟子さんの稽古をして、最終の新幹線で帰京中です。
今回も名古屋の常宿滞在3泊4日でしたが、初日の夜は、これまで長年泊まっていて初めて、というくらい騒がしい宿泊客によって睡眠を妨げられてしまいました。
繁華街から少し離れた静かな立地と、スタッフの素晴らしい対応、朝食も美味しく、夜のラウンジは独り心の洗濯に毎夜足を運びたくなる落ち着いた雰囲気。そんなホテルなのですが、今回はたまたま団体客の喧騒にやられてしまいました。
翌日のいわむら城址薪能では、道中長距離運転があり、舞台出演内容もかなりハードなのでしっかり睡眠をとりたかったのですが、23時頃から廊下を走り回る音や、いくつかの部屋の扉を開けたまま大声で話したり、歌ったり、叫んだり、笑ったり。なにやら罰ゲームのようなこともやっているよう。
直接言おうか迷ったのですが、トラブルを避けるためにフロントに電話して対応をお願いしたら、各部屋扉を閉めてくれて一時的におさまりました。しかし、結局1時過ぎまで話し声や笑い声が壁を通して聞こえて、寝られずに苦しみました。再度フロントに電話して、部屋を変えてもらえないかお願いしましたがあいにく満室で不可。
で、翌朝。6時代からまたもや大きな笑い声で目が覚めました。みんな元気だねえ‥。若いねえ。
朝食の為フロントを通りかかると、スタッフさんがすぐに平謝りしてくれて、今日からは部屋を変えてくれるとのこと。いやいや、ホテルに落ち度はありませんよ。誠意のある対応をして頂きました。たまたま巡り合わせが悪かっただけ。いや待てよ、ここでフッと我が身を省みました。
もしかして、私も自分が気付かないだけで、似たようなことを普段やっていないのだろうか、と胸に手を当てました。夜遅くまでテレビを見て大笑いしたり、朝から謡を謡ったり(小声ですが)。うーん、今後は気をつけようと思いました。
みんな誰もが「立場変われば人変わる」。車を運転すれば「自転車のマナーが悪い」と。自転車に乗れば「車が危ない」と。まず自分の目線に引き込むことは人間のならいでしょう。だから、相手の立場に立つ「想像力」が必要なのですね。国際関係も同じ。
こういう考え方が歳を重ねるごとに徐々に深まっているので、若者の大騒ぎにもあまり腹も立たないし、自分もこれからは気をつけようと思いました。
以上、道徳の時間でした。
岩村城址能
本日は、「第35回いわむら城址薪能」に出演。
私は、仕舞『砧 後』を舞います。他に、能『楊貴妃 玉簾』(玉井博祜)と『野守 白頭』2番の地謡。
会場は岐阜県恵那市岩村町。車でないと帰れませんから、今年もカーシェアで。名古屋の常宿近くの基地で8人乗りのノアを借りて、東京・大阪からの役者を名古屋駅でお乗せして、名古屋市内でも数人お迎えに上がっていざ岩村へ。
不安定な天候が続きますが、今日は少しの晴れ間。なんとか外での演能が出来そうです。