『善知鳥』(五雲会)ありがとうございました
昨日は、自粛明けで都内初めての能の催しとなった「五雲会」にて、能『善知鳥』をお陰様で無事舞わせて頂きました。防疫対策にご協力頂いた上でのご来場、誠に有難うございます。
次回のシテは、9月19日(土)五雲会(宝生能楽堂)にて、能『呉服』を舞います。
その頃には、客席数の制限無く、遠慮なく宣伝させて頂ける状況になっていることを祈ります。
当日券無しです(6月20日土曜日 五雲会)
今週土曜日(6月20日)の宝生能楽堂における「五雲会」は、当日券の販売は無しと決定しました。あしからずご了承ください。
もし、ご来場いただく場合は、当ホームページ内【お問合わせ】に予めご連絡ください。
お灸
今週土曜日は、五雲会(宝生能楽堂)にて能『善知鳥』のシテを舞います。
お役が近づいてくると、稽古も本腰が入ってきて、体調管理に一層気を配るようになります。
包丁を持つことや、洗い物などは避けるようになります(元々滅多にやってないのでは、と家族の声が・・・)。
駅などでは、普段はエレベーターやエスカレーターは使わず階段を駆け上がるのが慣いですが、お役が近づくと、上りはいつも通りですが慎重に、そして下りに関しては階段はまず使わず、やむなく階段の場合は、手すりに手を添えて下ります。駆け込み乗車など、もってのほか。
お酒をやめる、というのはよく聞きますが、私はやめません(普段からそんなに飲みませんのでね)。
とにかく、神経質なくらい、怪我や風邪には注意します。これも、2度の声帯ポリープ摘出手術での経験から、もともと用心深い性質にますます拍車がかかりました。
舞台が近くなくとも、日常欠かさないのは、寝る前の入念なストレッチとお灸。
昔ながらのもぐさをひねって直接肌に置くタイプではなく、台座が付いた比較的安全なもの。15分間ほどかけて30箇所くらいにお灸をすえます。煙が目に染みることも!
1000個入ったものを1ヶ月半程で使い切ってしまいます。
お灸の間には、手塚治虫先生の作品を読むと決めています。理由は・・・、特にありません。
「塵も積もれば〜」で、『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』は全巻読破。今は『火の鳥』に夢中です。
寝る前15分間のリラックスタイムです。
鹿の子百合じゃないよ
庭の満開のカノコユリ(鹿の子百合)。いや、多分カノコユリではありません。
昨年、カノコユリの球根を買って、大事に愛でて育てたのですが、立派な白い蕾が出来てきて、
「あれ、カノコユリって赤いのでは?」と思いつつ、
「これから赤くなるのかな」
とワクワク待っていたら、いつまで経っても赤くならずに、素敵な白い百合が咲きました。
おかしいな、と思いつつ図鑑を見たら、これ、多分「テッポウユリ」じゃん!
花屋さん間違って送ってくれたのかも。でもいいや、これも可憐で愛おしいから。
かくて時過ぎ・・
15歳(高校一年生)の私。
掃除していたら30年前のパスポートが出てきて、開いたら、あまりの変わりように本人もビックリ。子供たちに見せたら、娘(小6)は開口一番「お父さんカッコイイ!!」と。息子(中2)は、「(今と)全然違うじゃん!!」と。妻と娘はこの写真をみて、口を揃えて現在の息子に似ている、と。
かなりツッパった生意気な顔つきですね。まだ能の稽古(謡・仕舞・大鼓・笛・小鼓)を始めて数ヶ月。並行して子供の頃からやっていた日本舞踊(花柳流)・剣道・居合道(無双直伝英信流)などなども続けていました。
名古屋市の姉妹友好都市であるシドニー市(豪州)にて、名古屋市立名東高校能楽研究部がホームステイを含めた能の発表の機会を得たために、高校入学直後にパスポートを取得したのです。私は、仕舞『嵐山』を舞い、舞囃子『経政』の大鼓も打ちました。
その為に、名古屋にお稽古場があった辰巳孝師(辰巳満次郎師の父君)に名東高校能楽研究部として総合的にお稽古を見て頂き、これを一つのきっかけとして色々なことがあり(いずれお話しする時が来るでしょう)、やがて能の道一本に進むことを決意します。
まあ、今振り返っても、とにかく誰に対しても生意気な野郎でした。良く言えば、生きる気力に満ち溢れていました。
ちなみに、着ているのはスーツではなく、名東高校の制服です。ネクタイは結んでいるのではなく、金具でシャツの襟に挟んであるだけ。今の名東高校の制服はちゃんと結ぶ方式のようです。当時名東高校は名古屋市立の新設校で、「普通科」だけだけでなく「英語科(現在は国際英語科)」があり、英語教育に力を入れた一風変わった学校でした。各クラスに留学生がいて、校風も大変自由で、破天荒、破茶滅茶な私を押さえつける先生も少なく(数少ない私を押さえつけてくれる先生に対しては容赦なくハネ返していました。ゴメンなさい!)、かえって先生方も私に同調してノリノリになってくれて、私は本当に伸び伸びと学校生活を送ることができました。
かくて時は過ぎ・・・・・・・
そして、これが30年後の成れの果て。満45歳。今年46歳になります。艱難辛苦が顔に刻まれています(?)。初志貫徹で、一応能楽師の端くれで舞台に立たせていただいています。その代わり、能以外のことには疎く、恥かくことばかりですが・・・。常識的・人格者のお弟子さん達や良い家族、良い師匠に恵まれて、生かされていることを実感・達観するこのコロナ禍です。
私よりも若年の皆さんへ。「30年はアッという間」でしたよ。
涌宝会発表会 今後の展望
本当ならば、昨日と今日は、宝生能楽堂にて「涌宝会15周年記念大会」という、私のお弟子さんの晴れ舞台のはずでしたが、残念ながらこの新型コロナ禍の為、5月初旬に中止としました。
延期にせず、中止にしたのは、今回能1番に一調・独調約10番、舞囃子約20番、などなどを2日間にわたって上演し、申し合せ(リハーサル)を含めると都合3日間能役者を拘束する大きな催しのため、恰もパズルのように出演時間を考慮して大勢の能役者とお弟子さんを配役してあり、同規模で3日間の催しを本年中に開催することは、既に舞台自体も空いていないことと、能役者を確保することが難しいことは自明でした。
また、「来年の同時期に延期」という選択肢も当然あるかと思いますが、それは私の考えでは「延期」とは言えません。同内容でこれからまた1年間お弟子さんのモチベーションの維持は、お互いきついものがあります。
それに今回は15周年の記念大会。「15周年」は二度と無いのです。
開催可否の判断も、本当にギリギリまで待とうと考えており、既にお弟子さん全員宛には、開催日に緊急事態宣言期間が重ならなければ何としても開催する旨は周知してありました。もし当日欠番(お弟子さんがお休み)の場合は、能・舞囃子・一調・独調に関しては全て私が代役をして、映像のDVDをプレゼントする旨もお伝えしてありました。
それらに対しての反対意見はほとんどなく(というよりも、一度決めたことや言い出したことは絶対に曲げない私の性格を皆さんよくご存知なので、私に言ってもムダ、ということかもしれません‥)、大変協力的でしたが、内心ヤキモキされたことでしょう。
今日はよく晴れて発表会開催には良い日でしたが、やはり中止にして良かったようです。
これまでは、東京(宝生能楽堂)と名古屋(名古屋能楽堂)を毎年交互に開催してきましたが、今後は、毎年両地で開催致します。次は、2月28日(日)名古屋能楽堂。まだコロナ禍は収まっていない可能性が高いので、万が一のことがあると再び物心様々損害が大きいので、ご助演いただくシテ方の能楽師はお若い方数名で最小限に留めて、現時点では「独調会」にての開催を考えております。そうなると、お弟子さんは能・舞囃子・仕舞などの発表は無く、全員が独調(または一調)という、お囃子との一対一の発表となり、これもまた一興。
実は、この度のコロナ禍が始まる半年前から偶々企画していたことですが、そうすれば楽屋にての三密を避けることができます。
以上のことは未定ですが、現時点での展望です。
田植え
今日は一日休みにしてあったので、田植え(バケツ植え)をしました。
桐生のお弟子さんから先日頂いた苗。すぐには植えられなかったので、仮に庭植えして命脈を保ってもらっておいて、バケツ、土、肥料などが揃い、天気と私の休みが合致した今日を狙って田植え。
麦わら帽子に長靴、腰には蚊取り線香。
土いじり大好き。
形見分け
長い巣ごもり生活で、家族4人ともいつも家にいて、3食全て自宅で、となると妻も大変なので(申し訳ないけど相変わらず私は作っていません)、せめて昼食だけは、と、息子(中2)や娘(小6)が作ってくれるようになりました。成長を感じます。
ここ1ヶ月半くらい、料理から片付けまで、2人とも本当によくやってくれたので、先日、私が歯医者の定期検診から帰った時にお小遣い(1,000円ずつ)を2人にやりました。お父さんからお小遣いをもらうことが余程珍しかったのか、いたく喜んでくれました。
その翌日、妻が子供たちから、ある相談を受けたそうです。
「お父さん、もしかして死ぬんじゃないか」と。
聞けば、「歯医者から帰ってきたら、いきなり2人にお小遣いをたくさんくれたから。」と。
歯医者で何か重篤な病気が見つかったのでは、と勘ぐったようです。形見分け⁈それ、冗談?本気?(皮肉?)
確かに、私からお小遣いをあげたことはほとんど無かったかもしれません。そんなに珍しいことだったのか・・・。たまには手ずからあげなきゃね。