YouTubeチャンネル「宝生流能楽師 和久荘太郎」始動!
「宝生流能楽師 和久荘太郎」というYouTubeチャンネルが出来ました!
こちらをクリックして下さい。現在、「ご挨拶」の映像1本と、「和久荘太郎 演能空間」の第1回〜第7回のチラシのアーカイブ、そして、来たる9月19日(土)宝生能楽堂の五雲会にて舞う、能『呉服』の宣伝ビデオを出してあります。
まさかこの私がYouTubeを始めるなど、自分でも思いもよりませんでした。あるお弟子さんのお勧めと後押し、そして企画・制作によるもので、恥ずかしながら、まだ自分では何もしておりません。
立派な器ができて、この後は私が何を投稿するんだろう、とお思いでしょう。そう、色々と私の中にも構想が浮かんできています。
撮影用の三脚や、苦手なお話をするためのワイヤレスのピンマイクまで買ってしまいました。準備は着々と進めていますが、あとは私のやる気や体調、時間の余裕などの機が熟するのを待っています。無理はしません。
もし宜しければ、チャンネル登録をして、新しい投稿をお待ちいただけましたらありがたく思います!
重要無形文化財保持者(総合認定)認定のご報告
ご報告です。私事、去る7月17日に、文化庁の文化審議会により、重要無形文化財保持者(総合認定)の認定を受け、(社)日本能楽会に所属致しました。
今後も身辺何も変わることはなく、これまで通り自らの芸の精進と後進の育成、また皆様への能の稽古を通じた普及活動に邁進致します。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
和久荘太郎
虎馬
本日、「4月月並能延期公演」にて、能『八島』のツレを勤めました(シテ 佐野 登)。
催し名の通り、4月の月並能が新型コロナ禍により延期した催し。私は元々『八島』のツレではなかったのですが、本日に延期したことにより、本来の演者が不都合になった為、代役として勤めました。
この『八島』のツレには、若いときに苦い思い出があり、ある意味トラウマだったのですが、本日何とか無事勤めることができ、やっと克服しました!
18年前(27歳のとき)、『八島』のツレを勤めた折に、曲中のクライマックス(いわゆる「錣引きの語り」)で、大間違いをしたのです。「平家方」と「源氏方」に関して、逆のことを言ってしまい、終演後楽屋にて、当時ワキを勤められた故・宝生閑師に強くお叱りいただいたのです。
舞台に関して、過去のうまくいったことは記憶から外れていることが多いのですが、失敗は全て覚えています。その代わり、日常の記憶に関しては「そんなことあったっけ?」ということがほとんど。私の場合、ただでさえ脳みそのシワがそれほど多くないのに、「能」に関して「脳」の記憶領域のほとんどを使ってしまっているため、日常生活に支障が出ることが多い、偏った人間です。
観た映画もほとんど忘れているから、毎回感動できます。読んだ本の内容も(場合によっては書名も)忘れているから、同じ本を何回も買ってしまうことも(その場合、若い方にプレゼントします)。
但し、不思議なことに「能」に関する本は覚えているのです。
元々、この能の道を本格的に志すまでは多趣味だったので、高校1年生で本職になると決めた時点で、その他全てのことは捨てて、能だけに注力したのです。その時の習い性がいまだに残っている面があって、生活に支障をきたすことがあります。
トラウマ克服の話から話が変わっていきましたが、私の中では繋がっています。
百花撩乱(まではいかないけど)
庭の草花が色とりどりになってきました。
手前がキキョウ、カワラナデシコ、奥にホタルブクロ。
キキョウ。昨年植え付けて表向きは枯れて無くなったものが、忘れた頃に出てきて驚きました。ヘソクリを見つけたような心境でしょうか。
カワラナデシコ。いわゆる「大和撫子」です。恥じらいながら咲いているようで、愛でたくなります。
ホタルブクロ。最近、桐生のお弟子さんのお宅からいただいてきたもので、もう終わりかと思い花がらを摘んで来年に期待して植え付けたのですが、二番花なのか、どんどん新しい花が咲きます。
ユウガオ。まだ咲いていませんが、ネットを貼って準備万端。種から育てて選び抜いた苗を下に植えてあり、蔓がだいぶ巻きついてきています。この後、アサガオも種から育てて植え付けようかと。そうすれば朝夕絶え間なく花を愛でることができます。
他にも、ムクゲがピンクの蕾をつけています。コムラサキシキブ、女郎花も小さな蕾のもとをつけ始めました。
またいずれ。
久良岐能舞台
今日は、久良岐能舞台にてのお弟子さんの稽古。
感染防止の為、カーシェアを利用して参ります。月3回、木曜日17時から20時位まで。東京の自宅から横浜への高速道路を使った道のりもだいぶ慣れてきました。自粛期間が明けても、まだまだ道は空いていますね。
趣があります。ここで稽古できる幸せ。由緒ある舞台です。詳細は、久良岐能舞台ホームページをご覧ください。
舞台の脇からの景色。
紫陽花が盛りです。今日もこの梅雨時に鶯が美しく鳴いていました。暗くなると、ウシガエルの声も・・・。
第5回 逢の会 能『橋弁慶』
来月8月2日(日)名古屋能楽堂にて、衣斐愛さんが能『橋弁慶』を舞います(詳細は上記チラシをクリックしてください)。
ご自身主催の個人演能会で、はや5回目。子供世代や、若い方への普及を念頭に置いた催しで、紙芝居を舞台上のプロジェクターに映し出してのストーリー解説、土蜘に使用するクモの巣を投げる体験会など、特色のある催し。
第1回から、私もお手伝いにあがり、クモの巣投げ体験会の講師などさせていただきましたが、今回は他の舞台の先約があり残念ながら出演は致しません(その先約も、このコロナ禍で無くなってしまいましたが・・)。
女性が直面(ひためん。能面を着けない素顔のこと)で演じる武蔵坊弁慶がどのようになるか、考えただけでも和久和久、いや、ワクワクしますね。
みなさん、このコロナ禍で名古屋でも全く舞台が無い中での、最初の舞台です。ぜひご来場下さい!
チケット料金は3,000円。なんと学生は1,500円。
お求めは、上記チラシの逢の会事務局、または当ホームページ内【お問い合わせ】にご連絡下さい。
久々の武田神社
今日は、3カ月ぶりの武田神社にてのお弟子さんの稽古。カーシェアを使い日帰り。皆さんお元気で何よりでした。
能舞台(甲陽武能殿)遠景。芝生の青が眩しい。
黒光りした趣のある舞台。
橋掛り。右から一ノ松、二ノ松、三ノ松と、ちゃんと正式な遠近法を用いて徐々に小さくなっています。
地裏(地謡座側)から。珍しいショット。
鏡板の老松も豪快。
これは、演者でなければ見られない角度。幕側から橋掛りに向かって。
一ノ松から舞台を見て。これも演者ならでは。
笛座から幕を見て。
能舞台前の、榎の御神木。
夏越の祓の、茅の輪くぐり。これを3回方向を変えてくぐると、この夏を健康に過ごせるそうです。長年武田神社に通っていますが、今年初めてくぐりました。
コロナがおさまり、皆健康に過ごせますように。
名東高校能楽研究部 稽古開始
今日は、緊急事態宣言明け初めての名東高校能楽研究部の指導。オンラインで謡のみは1人づつ稽古していましたが、全員集まっての対面稽古は2カ月ぶりです。
これが活動場の作法室。久しぶりに来たら、何か置いてあります。
こんなものが!さすが、能やってるだけあって、「センス(扇子)がいいね!」
(とは、まぎれもないオヤジですが言いませんでした。凍りつきますからね。)
9月の文化祭に向けた仕舞をそれぞれ稽古。残念ながら新入部員はまだ入っていませんが、本格的に学校が始まってまだひと月も経ちませんので、後から興味が湧く子が必ず出てきますから、今少しの辛抱。
部員たちから、顧問の先生と私に今後の対策を披露してくれました。
応援してるよ!
稽古始動!
新型コロナ禍による緊急事態宣言明けで、愛知県2ヶ所(岡崎・桜山)の稽古がやっと昨日から始まりました。
久しぶりの新幹線乗車。いつも同じ曜日・時刻、同じ号車の同じ席番に座ります。やはりまだ人は戻っていませんね。
常は、月平均12万円ほど新幹線代が掛かっていましたが(これがそもそもおかしい?決して儲かっている気がしません・・)、この3ヶ月間はJR東海への支払いはゼロ。しかし今月からはようやく常の3割超支払うことになりそうです。地方の舞台出演が当面一切ないので、移動はだいぶ減ります。
名古屋で常宿にしているホテルは、残念ながら今月まで休業。繁華街にある同グループのホテルに宿泊しています。名古屋一番の繁華街もまだまだ寂しい限りです。
困ったのは、朝食。常はホテルの自慢の美味しい朝食をいただきますが、今は提供を止めているため、早めにホテルを出て色々探しました。しかし、どの店も9時からの営業で空いていません。漸く見つけたロッテリアで朝から海老バーガーと紅茶・・。一日働かなきゃいけないのにこれじゃあ足りない、と、途中おにぎり・ゆで卵・野菜ジュースを買って稽古場で更なる腹ごしらえ。早くホテルの朝食をいただきたい!
約3ヶ月ぶりの対面稽古。オンライン稽古も良さはありましたが、皆さん「やっぱり直接の稽古が楽しい!そして仕舞は楽しい!」とお喜びいただきました。私もお元気なご様子の皆さんの笑顔を見ると心から嬉しくなりました。
謡の稽古では2メートル以上の距離を取り、対面ですがお互いやや斜向かいにして、私はマスクを外しませんが、お弟子さんには、嫌じゃなければお外しくださいと促します。
このような状況の中、桜山の稽古場では今日から新しいお弟子さんが5人ほど増えました。幸先良くありがたいことです。能の楽しみを伝道していくことは、私自身の人生の楽しみでもあります。
父の日
今日は、本来ならば名古屋宝生会定式能の日。
6月第3日曜日は父の日であると同時に、名古屋宝生会定式能の日と決まっているので、父の日に家にいたことは一度たりともありません。
しかし、この新型コロナ禍により、本日の名古屋宝生会定式能は来年の1月24日(日)にそのままの番組内容で延期、と決定したので、自宅にいられるはずでしたが、代わりに岡崎のお弟子さんの稽古日にしたため、結局は自宅にはおりません。
昨日の五雲会にて能『善知鳥』のシテを勤めたあと帰宅すると、家族(妻1人、子供2人)が「父の日パーティー」をしてくれました。
ケーキとワインでお祝い(おめでたくはないと思いますが)。各々グラスを持ち、妻が、
「ほら、2人とも、なんて言うの?」としむけると、娘が、
「いただきます!」
みんなズッコケました(娘もボケるようになりました)。
ワイワイ喋りながら食事して、今日の舞台の感想を述べたり、ようやく始まった学校の様子を聞いたり。
嬉しい父の日イブでした。