11月18日(日)名古屋宝生会定式能 能『大会』

来月11月18日日曜日、名古屋宝生会定式能(名古屋能楽堂)にて、能『大会(だいえ)』を勤めます。

 

先日の演能空間の『天鼓』とは打って変わって、お伽話、童話のような曲。天狗が、僧への恩返しに、釈迦の霊鷲山にての説法の有様(これを「大会」という)を目の当たりに観せますが、帝釈天に懲らしめられ、這々の体で逃げ帰る、というストーリー。

これだけ聞くと、実にあっけらかんとしていますが、しかし、私はこういう曲に(👺天狗に)少し哀愁を感じます。そこが、彼の名人・野口兼資師が、今は亡き先輩方に伝えたと言う、「天狗は優しく(演じろ)」ということの一つなのでは、と思っています。いかにも「天狗」らしい「乱暴」な行き方は、お客様は一時的に驚いて感心して喜んで下さるでしょうが、いずれ飽きがくる、と解釈しています。

 

本番まで1ヶ月半。いつもそうなのですが、この役をどのように作り上げていくか、これから稽古を重ねていくうちに、日々考えが変わっていくのです。そして、その「結果」ではなく、「途上」を本番の舞台にのせるという感覚が、いつもあります。だから、なかなか、自分として及第点を出せる舞台を勤めたことが一度もないので忸怩たる思いですが、これはもしかしたら、他の表現者(バレエ・フィギュアスケートなど)やスポーツ選手などでも同じなのかもしれません。

 

是非ご来場下さい。能のもう一番は、『源氏供養・舞入』(シテ 玉井 博祜)。私は、こちらの地謡も勤めます。

他に狂言・仕舞(詳細は、冒頭のチラシ画像をクリックして下さい)。

チケットのお申込み、お問い合わせは、当ホームページお問い合わせ  または、名古屋宝生会(052-882-5600)まで。