最奥『姨捨』
今日は、「田崎隆三・甫 二人の会」が催され、盛会でした。
私は、能『姨捨(おばすて)』(シテ 田崎隆三)の地謡と、仕舞『熊坂』(シテ 宝生和英)の地謡で出演しました。
『姨捨』は「三老女」の一つ。『関寺小町』『桧垣』の2番は、宝生流では素謡はやりますが、能は「不相勤(あいつとめず)」といって、明治以来上演しないことになっています。よって、『姨捨』は宝生流にとって最奥(さいおう)の曲。誰もが舞える曲ではなく、10年に一度出るかどうか、というところですので、この機会に地謡に付けていただいた事は大変ありがたいことです。
次回はいつ上演されるでしょうか・・・。
お客様も、我々演者も、能は「一期一会」です。見逃した舞台は二度と戻ってきません。映像で見ることができたとしても、それは残念ながら本当の魅力を半分も伝えることはできません。
そのつもりで我々も、一番、一番を大事に勤めるべきなのです。