ひな祭り

「灯りをつけましょ ぼんぼりに」
で始まる、ひな祭りの唄の2番、
「お内裏さまとおひな様」
という表現は間違いで、正しくは「雄雛」と「雌雛」だそうですね。雄雛・雌雛二対で「内裏雛」。
また、3番の「赤い顔の右大臣」は「左大臣」の間違い。
でもそんな間違いはどうでもよく、広く長く唄われていることに価値があります。
ところで、昔の唄は旋律が単純で覚えやすく、後世に残っていくのもわかる気がします。
文部省唱歌に取り入れて、学校で唄われるような曲は、皆旋律が単純で、歌詞もきれいな七五調が多いようです(最近はわかりませんが)。
演歌・民謡・詩吟・長唄・謡曲の類も、それぞれの分野内で言うと、基本的な旋律や、使っている音階は実は限られていて、そのパターンを入れ替えてバリエーションを増やしているだけです。
それ故に、レパートリーが増えれば増えるほど、似通ってきて覚えにくい(紛らわしい)ということが出てきます。
それに比べて、最近の歌謡曲は言葉と旋律・リズムの当てはめが複雑で、何度か聞いただけではとても覚えられません(私だけ?)。
子供のアニメでさえ、拍またぎの文字を詰め込んだ主題歌になっていて、お父さんは全くついていけません。
しかし今の子供はさすが、生まれた時から複雑な音楽に慣れ親しんでいるので、ラップ調の歌詞の詰め込みでも、自然と身に付けてしまいます。
まあ、だからカラオケが苦手です。
「能楽師だからカラオケも上手じゃなきゃおかしい」
という人がいますが、はたしてそうでしょうか。
第一発声が違います。どうしても長年の訓練の結果、大きな声を出すと謡曲風になってしまうので恥づかしいのです。
新曲を皆さんよく歌えるものだと感心します。
カラオケで歌を勧められて、古い歌を歌えば、なんだか場にそぐわない時もあるし(かと言って、古い歌もそんなに知らないし)。
私の高校時代がカラオケボックス全盛で、その後長く流行っていましたが、最近はカラオケに連れていかれることも少なくなりました。おかげで心を平静に保てます。
飲んでいる席では、人とお話しをするのが好き!