NHK-FM能楽堂『烏帽子折』の録音1
本日、渋谷のNHK放送センターにて、来月放送予定の『烏帽子折』(素謡)の録音でした。
【放送予定】
平成30年9月9日(日)午前6時~6時55分(NHK-FM)
素謡『烏帽子折』
シテ 武田孝史
ツレ 朝倉俊樹
ワキ 山内崇生
ワキツレ 和久荘太郎
若武者 佐野玄宜
子方 和久凜太郎
通常、素謡やNHK-FMの録音では、子方役も大人が勤めますが、今回は凜太郎(12歳)にお役をいただき、毎日稽古に励みました。
凜太郎がNHK-FMでお役をいただくのは、3回目。
1回目は、6歳で『唐船』の日本子役。小学校に入りたてで、まだ幼児のようなときでしたので、私自身が大変不安に思っていましたが、シテの金井雄資師の優しく的確なご指導もあり、なんとか無事勤めることができました。
2回目は、10歳で『歌占』。ちょうどその録音の直前に、実際の能の舞台で『歌占』の子方を2回(小倉伸二郎師と私相手)勤めましたので、これは心配なく勤めることができました。
NHK-FMの録音では、間違いが許されないので、我々本職でも謡本を見て臨みますが、前回2回とも、凜太郎は無本で臨みました。これは当然のことで、子供の稽古は謡本(能の台本)は見せずに、全て口伝(口移し)で稽古します。
ただ、今回は、『烏帽子折』の子方の謡は膨大な分量であること、また、子方とはいえ、心身と思考もだいぶ成長してきましたので、日常の稽古も徐々に謡本を見せて稽古するようになってきた、ちょうどよいタイミングであったこともあり、我々同様に謡本を使って録音に臨みました。
(続く)