第4回 逢の会(名古屋能楽堂)
一昨々日は、五雲会申合せにて能『来殿』地謡の後、「獅子の会」(宝生能楽堂)にて、能『忠信』と舞囃子『安宅 延年ノ舞』の地謡に出演し、その後自宅にてお弟子さんの稽古。
一昨日は、終日甲府のお弟子さんの稽古、
昨日は、朝イチで散髪し、五雲会にて能『来殿』の地謡に出演、合間に能『烏帽子折』の斬組(チャンバラ)の稽古。終演後、来週に控えた能『藤戸』(セルリアンタワー能楽堂)の稽古会。帰宅して、息子の13歳の誕生日パーティー。
そして、本日は、「第4回 逢の会」に出演の為、名古屋に向かっております。私は、能『鉄輪』の地謡と、能上演前の『土蜘』の蜘蛛の巣投げ・装束着け体験レクチャーと、演目インタビューなどを受け持っております。
名古屋能楽堂にて、はや4回目の開催となる「逢の会」。私の学生時代、東京藝大にては1年先輩の衣斐愛さんが主宰する個人演能会で、彼女らしい特色のある催しです。お嬢さんがお2人いらっしゃこともあるからでしょうが、子供に向けた能の普及という目的をはっきりと持って活動しています。
今回、『鉄輪』という、女の強い嫉妬による執念が鬼(生霊)となった、能としては大変生々しい曲を演じられます。女性が演じた場合にこの曲はどうなっていくのか、楽しみでもあり、正直言ってちょっと怖い、という気持ちもあります。しかも、今回は特別に「ろうそく能」。和ろうそくを灯した燭台を舞台や橋掛りの周囲に置いて、舞台照明を落とし、面装束の陰影が付く演出。『鉄輪』の謡の文句そのままに「身の毛よだって恐ろしや」。こういうときは、何者かが立ち現れる瞬間があります。